「繊維ニュース」2024年6月14日掲載:shoichi 在庫処分サービス欧州へも
2024年6月20日 6:26 PM
繊維専門日刊紙『繊維ニュース』に掲載されました。
shoichi 在庫処分サービス欧州へも
MUに初出展
アパレル商品の在庫処分サービスを展開するshoichi(大阪市中央区)は、7月9~11日にイタリアで開かれる国際服地見本市「ミラノ・ウニカ」(MU)に初めて出展する。
欧州連合(EU)では2025年から売れ残った衣料品の廃棄を禁止する法律が施行される予定を受け、日本で構築している廃棄された衣料を「集めて加工するという完全な強み」(山本昌一代表取締役CEO)を発信するのが狙い。
同社は企業の余剰在庫を買い取り、アパレル製品を低価格で販売するビジネスを展開する。
一部で在庫をフエルトや再生ウール製品などリサイクル製品の素材として買い取るサービスも展開しており、その仕組を欧州へも紹介する。
リサイクルは手間やコストがかかるというイメージがある。同社はそれを覆し、自社倉庫内で協力就労支援施設を活用して作業を完結させているため、
商品や情報の流出リスクを抑えるとともにコストメリットも追求できる仕組みを構築する。
既にアジアへ廃棄処分に回されるアパレル商品を販売。欧州でも在庫処分の衣料を「コストメリットを出しながら、フェルトやリサイクルの生地にできる」強みを
MUで発信することで、新たなビジネスの機会を捉える。
自社の取り組みをパネルやモニターで紹介するほか、ウールのリサイクル事業で展開している大和紡績(愛知県一宮市)で生産したニット系や、
大津毛織(大阪府泉大津市)で生産した丸編地といったテキスタイルを展示する予定。製品も紹介する。
欧州からの廃棄衣料の輸送方法などは商談が「決まってから考える」として、まずは認知度の向上に取り組む。
展示会への出典そのものも初めてとなるが、両社との連携で「勝ちパターン」を描ける仕組みの構築を目指す。
カシミヤでリサイクル糸開発
shoichiはこのほど、リサイクルカシミヤ30%混の糸を開発した。
糸はつなぎとして物性を安定させるリサイクルナイロン15%のほか、16.5マイクロメートルのバージンウール55%を混紡している。
カシミヤは原料調達が難しく、白や明るい色は飛び込みが起こると目立つため、ベーシックな色味での展開となる。
他にも上質なスーパー170のリサイクルウールを使った、リサイクルナイロン・バージンウールの混紡糸も開発した。
リサイクルウールが20,40%混の2種類を用意。
スーパー170の混紡糸は紡績工場での仕入状況によって要相談となるが、ある程度好きな色が出せるという。いずれも15毛手番となる。
同社はウールのリサイクル事業を本格化しており、尾州で反毛や紡績し、泉州で編み立てや縫製する仕組みを整えている。
新たに開発したリサイクルカシミヤ糸やスーパー170のリサイクルウール糸をMUで展示するほか、製品展開にもつなげる。
【著者紹介】 山本昌一
株式会社shoichi代表取締役
所属団体:KanFa関西ファッション連合/日本繊維機械学会/JAFIC 一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会
大学在籍中からヤフーオークションでブランド商品・アパレル等の販売などを行い オークションで仕事をする自営業の道を選ぶ。 その後在庫処分ビジネスをスタートし、20年間在庫処分の業界に身を置く。 累計4000社のあらゆる在庫処分を手掛ける。
山本昌一プロフィール>>