株式会社shoichi

「MARTHA ETHICAL / マーサ エシカル」の立ち上げ-1.糸を紡ぐ 「反毛」を専門とする 株式会社サンリード 

2020年1月10日 12:28 PM

株式会社shoichi は ”アパレル在庫処分”の会社です。

アパレルの不良在庫を各ブランド様、メーカー様等から年間約1000万枚以上の衣料品を買い取り、二次流通を生み出しております。
この仕事の中で、未販売のまま廃棄、焼却される衣料の多さに毎日驚き、アパレル廃棄ロスの問題を解決できないかと数年前から様々な形で取り組んでまいりました。

すでに製品化された衣料は、一部はリユースに回されるのですが使用用途が

・中古衣料としての流通
・ウエス、緩衝材などの業務資材
・燃料
・途上国などへの衣料支援

などですが、コストの問題も有りすべてリユースで消化することが大変難しい状況です。


”すべての商品をいったん原料に戻して、新しく作りなおしたらいいんじゃないか?!これも新しいリサイクルの形なのでは?”

そう思いリサーチを始め、さまざまな工場や人との出会い想いを形にすることができ、今回アパレルブランド「MARTHA ETHICAL / マーサ エシカル」を立ち上げました。

・アパレル廃棄ロスの問題に消費者が主体的に選択し、関われるものづくり

を目指して始まったプロジェクトでしたが結果的に、

・日本の国内産業が培ってきた素晴らしい技術や職人技の活性化を目指す

・日本国内生産で高品質な商品が作れる仕組みを次の世代へ残す

というサスティナブルな思いを紡いたプロダクトに仕上がりました。

【糸を紡ぐ】

そのため今回私達がスタート地点に選んだのは、日本有数のウール生産地の愛知県一宮市にある

株式会社サンリード さんです。

HP:https://sunlead.info/

住所 愛知県一宮市大赤見金底22
電話(0586)75-5567

 

株式会社サンリード では50年以上も前から「反毛(はんもう)」という技術で、ウールをリサイクルしていたことを知り、この技術を活かして日本国内で製品づくりを始めることにしたのです。

 

リサイクルするために集められたウールは、いったん仕分け工場に送られ、色別、微妙な素材違いなど細かく分けられます。

その際、ボタンやファスナーなどの副資材も取り外されて、純粋にリサイクル可能な部分だけを残します。

スタッフの方の手さばきも慣れたもので、それらを100kgごとの束にまとめます。

リサイクル可能な部分だけに仕分けられたウールは、今度は生地を細かく砕く工場に送られます。まず油打ちといって、生地にオイルを染み込ませます。これは生地を柔らかくし、機械になじませるために行う工程。次に、オイルがなじんだ生地を細かくするための裁断機に投入します。裁断された生地をさらに細かいワタ状にするために、今度はガーネットと呼ばれる別の機械へ。そのときにオイルがなじんでいないと、細かくなった生地が静電気で機械にくっついたりほぐれなくなったりするため、そういう意味でも最初の油打ちはとても重要な作業です。

オイルの量はある程度割合が決まっているものの、生地の質などによって細かく変わるため、職人さんの肌感覚によって最終調整しているとのこと。オイルを染み込ませてどの程度寝かせるのか、また気候によって寝かせる時間も変わるそうです。生地の硬さによっては、同じ工程を2回繰り返します。機械に入れる生地の色が変わると、前の生地の色が混ざってしまうので、都度機械を清掃します。

細かくなった生地は、最後にそれを糸にする工場に送られます。

ここではまず、調合と呼ばれる複数の生地を混ぜ合わせ、クライアントから依頼のあった色を作ります。

そのブレンドには独自のレシピがありますが、レシピを見ても普通の人にはまず作れないそう。

長年の経験値からくる職人技がモノを言います。リピートがあるとまったく同じ作業によって同じ色を作るそうですが、原材料そのものはリサイクル素材なので毎回違ってて、しかしまったく同じ色を再現しないといけません。

少しの色のブレも許されない緻密さによって、作業精度が格段に上がり、いつからかヨーロッパのラグジュアリーブランドからの仕事も舞い込むようになりました。

その微妙な色の差異は、それだけたくさんの原材料が集まってくる毛織物産地の尾州であるからこそ、なせる技でもあります。

 

色のブレンドが終わった生地は、糸にするための縒りを掛けます。

ここでの特徴は、通常は引っ張ってから縒りを掛けるところを、引っ張りながら縒りを掛けること。それによって、通常の糸よりふんわりした仕上がりになるそうです。

実際に触らせていただきましたが、一目瞭然でした。

また、糸の強度を高めるためとコストダウンの両面から、ナイロンを混合していますが、これもリサイクル原料のものだけを使用しています。

 

ちなみに一宮のある愛知県では、県の重要基幹産業である自動車業界でもウールやポリエステルの需要があるため、この技術、産業が発展した背景があります。

一宮では50年前からこうしたウールのリサイクルに取り組んでいますが、近年のエコ意識の高まりにより、少しずつ原材料が値上がりしているそうで、それはそれで皮肉な話だなと思いました。


【著者紹介】 山本昌一山本昌一
株式会社shoichi代表取締役
所属団体:KanFa関西ファッション連合/日本繊維機械学会/JAFIC 一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会

大学在籍中からヤフーオークションでブランド商品・アパレル等の販売などを行い オークションで仕事をする自営業の道を選ぶ。 その後在庫処分ビジネスをスタートし、20年間在庫処分の業界に身を置く。 累計4000社のあらゆる在庫処分を手掛ける。

山本昌一プロフィール>>

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