‘不良在庫’ カテゴリーのアーカイブ

 

7月3日、朝日新聞紙面で取り上げられました。

朝日新聞から取材依頼をいただき、Shoichiが紙面で取り上げられました。
7月3日の朝日新聞の記事内容をご紹介します。

服・服・服 作っては捨て

売れ残り廃棄 国内「年10億点」
持続可能な消費と生産のためにすべての国々が対策を講じ、あらゆる場で人々はその意識を持つ

倉庫に山積みの段ボール。中身は、捨てられる寸前だった服だ。ニット、パーカー、スカート。大手通販業者や若者に人気のブランドの商品など、「新品」ばかり。新しいデザインの服が安く買えるようになった陰で、大量の売れ残りが発生している。

タグ外し再販売

大阪市の在庫処分業者「ショーイチ」の倉庫には常に30万~40万点の服がある。「売れ残った、少しほつれていたなど、ここに来る理由は様々。一度も売り場に出なかった服もある。」と山本昌一社長は言う。アパレル業者や工場など年間約600社から、500万点が持ち込まれる。
定価の1割ほどで買い取り、タグを外してブランド名が分からないようにして、自社のサイトやイベント会場などで販売している。見栄えのいい写真を掲載するなどの販売努力をして、定価の17~18%でようやく売れていくという。
しかし、そのまま捨てられてしまう服も少なくない。

保管よりも焼却

東京都内の産業廃棄物処理業者は、銀座に店を出す有名ブランドから売れ残った商品の処理を依頼された。
「洋服のほか、靴やカバンなど収集車3台分。すべて破砕して焼却してほしいと言われた。」1点ずつ処分の証拠写真も求められた。「横流しされるとブランドが傷つく恐れがあるし、倉庫に保管すれば資産となり税金がかかる。だからあえて焼却する」
新品衣料の売れ残りや廃棄の統計はないが、国内の年間供給量から年間購入数の推計を差し引くと十数億点にもなる。再販売される一部を除き、焼却されたり、破砕されてプラスチックなどと固めて燃料化されたりして実質的に捨てられる数は、年間10億点の可能性があるともいわれる。

国連が2015年に採択した「持続可能な開発目標」(SDGs)では、商品などをつくる生産者と購入する消費者に対して「つくる責任、つかう責任」(目標12)を提唱しています。取材すると、毎日身につける服がむだを生んで大量のゴミを発生させ、製造現場で働く人の生活に悪影響を与えている可能性が見えてきました。「私たちの服はどう作られているの?」という問いから、消費者の責任を考えてみませんか。

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安い服 しわ寄せ働く人に

多くの新品の服が売れ残り、廃棄されている。背景には、流行を追いかけ、より安く大量に供給する衣料市場の現状がある。その影響は、国内の製造現場で働く人の暮らしも脅かしている。

低コスト・大量生産が支え 低賃金・長時間労働強いる

「プチプラおめかし服1847円♪」「2点で650円。即買い推奨」
インターネットのブログに掲載されているカーディガンやワンピースはおしゃれで、とてもその価格には見えない。流行を押さえ、作りもしっかりしている。プチプラは「プチ(小さい)プライス(値段)」の略。紹介するブログは、ファッション雑誌の購読数ほどの読者数を誇るものもあるほど人気だ。
2000年代以降、安くて流行を押さえた「ファストファッション」が定着し、消費者はお金をかけずにおしゃれを楽しめるようになった。ネット通販も広がり、経済産業省が6月に公表した資料によると、国内の衣料品の供給量はバブル期の約20億点から20年で約40億点に倍増した。一方、家計の衣料品の購入単価は約6割に減った。
競争が激しくなり、メーカーは費用を抑えようと人件費の安いバングラデシュなどに発注するようになった。業界の事情に詳しい小島ファッションマーケティングの小島健輔代表は「これらの国の工場は、技術がなくても働けるように作業を細分化し、規模を大きくしている。メーカーは大量に発注する必要があり、売れる数はそこまで増えていないのに、供給量が大幅に増えた」と分析する。
「他の業者も似たような商品を出せば大量に売れ残るが、半年から数ヶ月前に発注しているため、途中で減らすのは難しい。売れ残れば、製造コストの安さは帳消しになってしまう」
そのしわ寄せは働く人たちに向かい、低賃金と長時間労働につながる。

国内業者の負担 外国人自習性に

国内を代表するアパレル産地の愛知・岐阜両県にまたがる名岐地区では、生産の海外化のあおりで縫製業者が激減した。いま、残る工場の主な働き手となっているのは中国や東南アジア出身の技能実習生だ。
「憧れの日本にやっと来たのに…」ベトナム出身の実習生の女性(32)は泣きながら語った。
3年前に来日した。実習生として日本に行くため、銀行に借金して約80万円をあっせん業者に払った。
ワンピース、ジャケット、Tシャツ…。ミシンで女性服を縫い続ける。社長から「明日納品する」とせかされ、連日、朝8時前から夜10時過ぎまで残業して働いた。休みは月に2、3日しかなかった。
借金は、毎月仕送りして返す予定だった。「日本で働けば、すぐ返せる」と思っていた。だが、最初の月の給料は3万円。2ヶ月目は11万円だったが、その後は2ヶ月続けて支払われなかった。母親には「社長が給料をくれない」と説明したが、信じてもらえなかった。
その工場も昨年秋に倒産し、女性は今月、帰国した。日本政府に未払い賃金の立て替え払いを求めているが、結果は出ていない。
外国人技能実習制度は1993年に始まった。「途上国への技能移転」を掲げるが、実態は「割安な労働力の確保のため」と指摘される。実習生は年々増え、法務省によると昨年末には約27万4千人。このうち縫製業で働く実習生は約2万6千人にのぼる。法務省が昨年、賃金不払いや過量労働などの不正行為を認定した183の業者のうち約半数が縫製業者だった。
「服の価格が安くなり、メーカーが要求する加工賃では低賃金の実習生でないと立ち行かない」名岐地区で縫製業を営む男性は工場経営の厳しさを明かす。
昨年、労働基準監督署から最低賃金違反を指摘された。当時、実習生に払っていた賃金は時給換算で約400円。繁忙期には残業は月200時間に及んだ。
男性の工場は、「振り屋」と呼ばれる中間業者から衣料品メーカーの下請けとして受注していたが、メーカーが海外に発注するようになって仕事が激減した。
「メーカーも消費者も、もの作りにどれだけのコストがかかるのか考えてほしい。服の値段が安くなる陰で、誰かが泣いている」

適正な生産か 考える消費者

世界では、企業の責任を問う声が高まりつつある。
5年前、バングラデシュの縫製工場が崩壊して千人以上が亡くなった事故を機に、労働者の劣悪な環境が問題になった。経済協力開発機構(OECD)は17年、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の「経済成長と雇用」の実現のため、労働環境や環境保護のリスクについてアパレル企業が対応するよう求めるガイダンスを出した。
「ファッション・ビジネス」という言葉を日本に紹介した尾原蓉子さんは「安い商品を大量に作り、大量廃棄する手法をいつまでも続けることはできない」と話す。ファッション事業に長年携わってきた経験から「消費者も、安さだけではなく『適正に作られているか』に関心を持つようになっている。企業が生き残るためには、働く人や地球環境にとってもよい方法をどうやったら実現できるか、真剣に考える必要がある」と警鐘を鳴らす。
(藤田さつき、仲村和代)

【某web誌取材】在庫再生の鍵は先入観を破壊すること

在庫再生の鍵は先入観を破壊すること

企業のセールス力はやはり重要である。商品が魅力的でも、売る力のない会社では在庫を抱えるリスクが常にある。それは不良在庫販売でも同じことが言え、ただアウトレットとして安売りすれば売れるものではない。

大阪のある企業にあるメーカーが抱える13,000足の靴の在庫が持ち込まれた。まずは4,000足を買って、その商品をモデルに履かせ、プロのカメラマンが撮りそれをあるサイトで販売した。その商品は発売と共に次々に若い女性に売れていき、結果的に追加販売含め8,000足以上の売り上げとなっていた。その在庫販売を請け負っているのが年商約3億円の成長企業である(有)ショーイチだ。代表の山本昌一氏の元には、毎日約20件の持ち込みが全国から来ているという。山本氏の持つセールス力とは何なのか、また若い女性に対する見せ方とは?在庫販売の新しい視点についてお話をうかがった。

在庫に新たな“価値”を引き出す

―現在の事業についてお聞かせください。

山本:簡単に言うと、企業で売れなくなった在庫を売れるようにすることです。単なる安売りのアウトレットではなく、お客様が“欲しくなる”ものに変化させるということが私の仕事です。事業内容は卸しと小売で半々くらいですが、5%くらい他企業の商品プロモーションのお手伝いをしています。
モノを高く売ることは価値のあることだと思います。百貨店の売り場はサイズがひとつでも欠けたらその商品を売り場から引くというような手法をとるため、いつまでも見た目が良くそれだけで雰囲気作りになります。欠品のある商品を入荷したばかりの商品と並べて売っていくというのはノウハウであり、それをプロモーションとして他社の商品に活かすことを請け負っています。
たとえば今シーズン、浴衣の老舗メーカーのプロモーションで、『ViVi』や『小悪魔ageha』などの旬なモデルを選出し訴求したことで、上代の2倍の値をつけて販売しても6,000枚を超える売上となりました。

―小売事業についてもお聞かせください。

山本:小売のチャネルはEコマースです。メインとなるのは若い女性をターゲットとした「ラブ ファッション アウトレット」というファッションストアサイトの運営・販売です。
企業で在庫となってしまっている商品をまとめて買い取ります。そのまま安売りするのではただのアウトレットサイトと同じですが、新たな“価値”を引き出し、若い女性向けに販売しています。運営は外部に委託することなく自社ですべて行うことがモットーで、撮影、画像調整、モデル起用まで当社スタッフが行います。自分達で納得いかないことを突き詰めることでクオリティーコントロールができると思うからです。
ユーザーは25歳~30歳の若い女性がほとんどです。

―若い女性に支持されるポイントはなんですか。

山本:商品機能、商品の価値・価格のバランスをうまく保つことです。ユーザーからしてみればかわいいモデルがかわいく着こなし、ラインもきれいに見えてかつ安いということが響いていると思います。
入り口は在庫だけど、お客様にとっては在庫かそうじゃないかは関係ないことであって、目の前に見えている商品がかわいいか着てみたいかどうかが重要なんです。
サイトを作っていく上で一番大切なのはセンスです。社員採用などでも一番重視するのはセンス。ファッションセンスだけでなく商売的な勘―買い取る企業の事情に振り回されずユーザー(若い女性)が求めていることが何かを把握し提供してあげられること―が重要です。そのため、心がけているのは、社員全体のセンスを高めて、ユーザーの心を掴むサイトを作ることです。たとえば現在のサイトは少し109系のギャルっぽい見え方になっていますが、ゆるカジなど違うテイストの在庫が入ってきた時は見せ方を変えて、なじませるようにしている。その微妙な工夫をする時もセンスが重要になってきます。

―そもそもなぜ山本さんはこの事業をはじめたのでしょうか。

山本:私は20歳で事業を立ち上げました。もともと一点集中タイプでテレビゲームが大好きな普通の学生だったのですが、大学で面白いことがなくなり、いろいろな遊びにもしっくりこなかったんです。そんな中、一番エキサイティングになれたのがビジネスというものでした。
当時、インターネットの黎明期でフリマなどで買った商品をヤフオクで転売したらどんどん売れたんです。それである程度資金が溜まったのですが、その後質屋がネット業界に進出してきたことで彼らの勢いに負けました。その時、そもそもの商売の根本を変えていこうと考えました。“安く買って高く売る”という商売の理想を見つめ直し、再スタートしたんです。しかし、まったくコネがないため苦労もしましたが、次第にアパレル商社などに認めてもらえるようになって、在庫を安く買わせてもらうようになりました。その頃には自分にもノウハウが蓄積していたので、在庫を早くそして高く売り捌くことができ、ちょっとずつ業界で話題にしてもらうようになって、事業が軌道に乗っていきました。当時、半年間で2億円の売上を立てれるようになっていました。

商品の長所の観点をずらして“見え方を変える”

―立ち上げからマーケットが変化した印象はありますか。

山本:2000年代前半はインポート商品が多かったのですが、徐々にインポートではなく『CanCam』などの“安カワ”ブームが強まり、ブランドの価値が落ちていきました。当社も国産ブランドを多く扱うようになりましたが、インポートのブランドと同じプロモーションではまったく反応がありませんでした。
インポートは、デザイナーがトレンドを作っていくことが多かったため訴求も簡単でしたが、国産ブランドは雑誌での見せ方や芸能人でPRすることが必要になります。
消費者の目も肥えていき、前年のトレンドなどを意識するようになっているので、こちらも消費者のクローゼットの中身も考えつつ、今年の打ち出し商品を決めています。

―山本さんの事業で重要な点はどんなことでしょうか。

山本:まず、“見え方を変える”こと。これは商品の長所の観点をずらすということです。トレンドアイテムであるということだけでは商品は動きません。それを着用した時のラインがきれいに見えるとか、柄の見え方がおしゃれだとか、そういった新たな長所を見せてあげることを意識しています。
次に、“違う商品との組み合わせ”。お客様が魅力的に見える組み合わせを考えることも重要です。組み合わせで販売するために縫製工場で商品を加工することもあります。
そして、最後に“流通を変える”。
この3つの思考で在庫に対する先入観を変えていくのが私の仕事です。
在庫=売れなかったもの、お客様に求められなかったもの。作られた時は金ぴかだったものが売れ残ったら嫌われ者になる。
これは、個人、法人の先入観以外何者でもなく、それを破壊するのが私の仕事だと思っています。しかし、在庫への先入観を破壊するのは至難の業ですし、一方ではあまり印象の良くない商売だと思いますが、付加価値を付けて、頭使ってものの価値を上げる新しいビジネスとして成り立たせたいと思っています。

―Shoichiの今後についてお聞かせください。

在庫再生ビジネスは今後も求められていくと思います。テレビ出演などをきっかけに最近は周りの評価や理解も得られてきました。ただ今後も行いたいことはただひとつ、“高く売ること”です。
高く売れたら高く買える。今の事業範囲を広げるわけではありませんが、ひとつでも高く売ることに注力していきたいと思っています。卸と小売とプロモーション、様々な事業、選択肢を持つことによってどんな在庫が入ってきても対応できる強みがあります。顧客と供給者をつなぐ間に立って、相互をつなぐスイッチボードシステムを築いています。何もしない中間業ではなく、今、手元にあるパッケージでお客様のニーズを満たさない場合、他の手段などを考えたりすることが必要となるからこそ、今の3つの事業それぞれの選択が強みとなっていくのです。
不況、不況と言っていても仕方がない。あくまで自己責任でビジネスをしたい。人生でも仕事でも先入観を破ることが大切です。日常の中の非日常を見つけるには、先入観を排除することが必要で、そのことを意識していくべきだと思う。ちょっとした考え方の転換が大切なんです。