株式会社shoichi

経済産業省委託調査報告書に掲載されました

2019年9月24日 7:40 PM

㈱東レ経営研究所のまとめた経済産業省委託調査報告書に弊社のヒアリング内容が掲載されました。
『平成30年度 省エネルギー政策立案のための調査委託費 IoT等のデジタルツールを活用した マスカスタマイゼーションに係る省エネ可能性等に関する調査 報告書 』内に記載されております。
「経産省の委託調査報告書のご案内」ページ
調査報告書PDF
以下、ヒアリング内容の抜粋です。

株式会社 shoichi ヒアリング結果

2018年10月29日実施

1.当社の事業内容
当社は在庫処分代行業を行っており、具体的にはアパレル企業、縫製工場等から余剰在庫となった商品の買取依頼を受け、おおよその内容と点数を確認して金額を決め購入、自社倉庫にて中身の精査、仕分けを行い、買い取った商品を既存の販路に影響しないよう選別した取引先に販売している。
取扱商品は、靴やバッグ等のファッション雑貨も含めて年間およそ 600 万点。うち、レディースが95%程と圧倒的に多く、残りメンズ2%、子供3%の割合だと考えている。子供服に関しては、当社の得意分野ではなく3%となっているが、業界ではもう少し比率が高い印象があり、当社も伸ばせる余地がある。
一方で、在庫処分の市場規模は、衣料品の市場規模と同様に年々縮小していると感じる。同業他社の数も減少しており、恐らく 100 社に満たない規模で、当社はその中で 10~15%を占める業界最大手と自負している。具体的な在庫処分の衣料品市場規模は、シェア 10%として単純計算で6,000万点、上振れしてもおよそ1億点程度と考えている。
当社の強みは、自社倉庫があるので購入を即決できること、当社で中身を数え精査するためアパレル側が正確な点数を把握していなくても商談ができること、既存販路に影響しない独自の販路を確立していることであり、他社では対応できないような取引が可能であるため、アパレル同士の横のつながりで当社の情報が広がり、取引先は日本全国に広がっている。購入した商品はメーカーの希望により、タグの取り外しや付替えも行う。
卸先は、EC販売、実店舗販売の形態が約半々で、全体で200社程度になる。顧客の中心は、地方の商店街に店舗を構えるような小売業者である。商品の一部は当社のECサイトでも販売している。
また、全体の 3~5%程度は、海外に輸出している。海外輸出は、アパレル企業側が今後市場として進出する可能性のある韓国や台湾、中国などを避けるよう指定があり、進出予定のないカンボジア、マレーシア、ベトナム、タイ向けなどとなることが多い。その際は、商品のブランド価値を知らない消費者向けに小売価格も低くなるので、販路として海外輸出を指定された商品は、当社の買取価格も低くなる。このため、業界でも海外輸出向け商品の取扱量は少なく、今後の増加も考えにくい。中古衣料輸出は古着が中心だと考えられる。
当社の商品の在庫保存期間は 1.5 年と定めており、期限内に値下げ、場合によってはサービス品として扱ってでも全て売り切るようにしている。そのため、当社からの廃棄はほとんどなく、日焼けで色が変わっている等、販売に適さないほど状態の悪いモノに限定されている。当社が買い取る商品については、10 年前のメンズスーツを扱ったこともあり、経過年数は問わない。

2.当社商品に想定される消費者と購買動機
当社の商品を購入する最終消費者が、商品選択時に何を重視しているか、はっきりとは分からない。価格を重視していることは間違いないが、低価格というだけでは買ってくれないし、高価でも購入するものがある。
同ビジネスでは、商品の品揃えについて当社側に選択権がないため、取扱商品全体を通した VMD を組むことは不可能、価格訴求型のビジネスにならざるを得ないと思われていたが、商品を組み合わせ、モデル、コーディネーターを起用した撮影によって、付加価値をつけ、一部商品について単価を上げることに成功している。

3.当社商品の仕入れ元に想定される在庫処分依頼動機
アパレル側にとって当社を活用する理由には、管理コストの削減や、商品のブランド価値を保持したままの現金化等がある。一方で、衣料品小売りの不況の中、メーカー努力によって衣料品の余剰在庫は最小限に抑えられている状況で間違いない。
ただ、アパレル企業は、消費者の「いい商品を安く、好きな時(欲しい時)に買いたい」という希望を叶えるため、大量生産(〔いい商品を安く買いたい〕を実現)、販売時期の数カ月前からの見込生産(〔好きな時に買いたい〕を実現)を行うことを余儀なくされており、ある程度の余剰在庫の発生は避けられない。当社では、この在庫は経済社会の潤滑油であ
り、適切な販路で全て活かすことができると考えている。
アパレルの店頭から、当社に商品が届くまではおおよそ以下のような経路をたどると考えられる。
プロパー販売(価格:100)→中間セール(70)→期中最終セール(50)→翌年シーズンセール(30~40)→百貨店等、入居施設セール、ファミリーセール(30~40)→外部セール、百貨店等、入居施設催事セール(20)→アパレル在庫から小売店へ希望された商品のみ少量ピックアップしてもらい卸(10~20)→当社(shoichi)へ販売(5~10)
上記のような多段階の販売努力があり、アパレル側は余剰在庫の削減に努めている。一方で、全工程を経た商品は、未使用品であっても店頭に戻してプロパー商品と並べられるコンディションではなくなっている場合もある。アパレル側が、独自で当社のようなビジネスを行って最後まで売り切るという可能性もあるが、適切な販路を持っていないこと、また、プロパー販売時に一度設定した商品のイメージやコーディネート等について、アパレル側で再度設定しなおして販売を続けることの困難さから、当社に任せることを選択するようだ。
また、当社の商品には、アパレル企業の他に縫製工場等の生産現場から直接持ち込まれるものもある。工場から持ち込まれる商品は、アパレル企業から発注がかかって製造したものの、何らかの理由で引き取られなかったものが中心で、直近シーズン向けの商品であるため、ファッション性という意味で鮮度が高い。海外縫製工場から直接届くものや、国内の検品所を経由するもの等がある。日本の一般の店頭で販売されずに、直接当社に持ち込まれる商品は、およそ 50~100 万点程度となる。そういった行き先を失った商品の受け皿になるという面でも、当社のビジネスには意味があると考えている。

4.ファッション業界における過剰生産や焼却処分についての現状認識、今後の見通し
先に述べたように業界全体での安易な過剰生産や余剰在庫の処分量は減っている。これは当社の同業者が減少していることからも間違いないが、具体的な廃棄量は分からない。上場している企業は、安売りすると営業利益の減少として有価証券報告書等に記載されるのでそれを嫌がり、廃棄して特別損失として計上することを選ぶケースがあるようで、年商500億くらいの企業で3~5万点位廃棄されているのではないか。年商100億くらいの企業では、廃棄処理はしない(少しでも売り上げにつながる方法を選ぶ)。
焼却処理等の廃棄問題の根本原因は、大量生産ではなく販路の問題だと考えている。メーカーは、プロパー価格で販売される商品の小売市場に、処分価格となった商品の販路が重なり、消費者の価格への信頼が損なわれることで、ブランド価値が毀損されるのを回避するために、未使用在庫の廃棄処分を行っている。また、適切な販路を持たない在庫処分業者に商品の買取を依頼して失敗した経験のあるアパレル企業も、廃棄を選択するようだ。
衣料品在庫は、仮にウエス製造業者に持ち込まれても、再度衣料品小売市場に商品が流れていくこともあるなど、流通経路が単純ではなく、販路の管理は非常に重要である。当社では、プロパー販売に影響しない販路を確立しており、この問題を解決できると考えている。

また、当社は廃棄商品の削減に向けた CSR 活動をメーカー向けに提案している。これは「TASUKEAI 0(ゼロ)プロジェクト」(https://www.tasukeai0.com/top/)という名称で、メーカーからの余剰在庫の寄付(買取もあり)を募り、カンボジア店舗等で商品として 1着 5 ドル程度で販売し、収益でボランティア活動を行うというものだ。この仕組みを通して、アパレル企業の在庫ロスの問題を全て引き受け、余剰在庫の廃棄をゼロにすることを目指している。


【著者紹介】 山本昌一山本昌一
株式会社shoichi代表取締役
所属団体:KanFa関西ファッション連合/日本繊維機械学会/JAFIC 一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会

大学在籍中からヤフーオークションでブランド商品・アパレル等の販売などを行い オークションで仕事をする自営業の道を選ぶ。 その後在庫処分ビジネスをスタートし、20年間在庫処分の業界に身を置く。 累計4000社のあらゆる在庫処分を手掛ける。

山本昌一プロフィール>>

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