衣類のリサイクル事業に取り組む企業10選!アパレル業界ができることとは? - アパレルの在庫リサイクル

コラム

衣類のリサイクル事業に取り組む企業10選!アパレル業界ができることとは?

アパレル業界の環境への影響は大きな問題となっており、世界中の企業が解決策を模索しています。持続可能な方法でビジネスを行うことが今や急務となっており、すべての企業で衣類のリサイクル事業への取り組みが必要です。本記事では、衣類のリサイクルに先駆けて活動している10の企業を紹介。これらの企業がどのようにして環境に貢献しているのか、そして他のブランドが倣うべき路線をどう描いているのかを探究しましょう。

アパレル業界のリサイクル・リユースが進められる背景

現代社会では、アパレル業界の環境への影響が一段とクローズアップされています。では、なぜアパレル業界ではリサイクルとリユースがこんなに重要視されているのでしょうか?

アパレル業界は世界第2位の環境汚染産業

アパレル産業は、環境に対する影響が大きく、世界第2位の環境汚染産業とされています。環境への影響は、生産過程での大量の水の使用、化学物質の使用、そして製品の生産量の増加によるものです。これらは全て、地球の資源を減少させ、環境への大きな負担となります。

毎年日本だけで51トンの衣類が捨てられている現状

2020年日本総合研究所の調査によると、1年間での衣類の国内新規配給量は81.9万トン。そのうち、約51.0万トンにも及ぶ衣類が廃棄されると推計されています。これは日本で新規配給される衣類のうち、60%以上がリサイクル・リユースされずに廃棄されていることを意味します。

この数字は、年々増加傾向にあり、衣類の消費と廃棄のサイクルは、環境に対する大きな負担を生み出していることがわかるでしょう。大量の衣類廃棄物の多くが、埋立地に送られ、分解する際に温室効果ガスを放出します。これにより、環境問題がさらに深刻化しているのが現状です。

アパレル製品の国内供給量増加

アパレル業界のリサイクル率が上昇していないにも関わらず、近年アパレル製品の国内供給量は増加しており、ファッション消費の拡大が続いています。ファストファッションのブームにより、低価格で手軽に衣類を購入することができるようになりましたが、それに伴い増加する廃棄物への対策を講じなければなりません。

アパレル・ファッション業界が環境のためにできること

アパレル業界が直面している環境問題は大きいですが、解決の道は無いわけではありません。以下、アパレル・ファッション業界が環境のためにできる主な事項について紹介します。

売れ残りを増やさない在庫管理

在庫管理の改善は、衣類の生産と消費のバランスをとるために不可欠です。アパレル企業は、在庫を効率的に管理し、生産過剰を防ぐことで、不必要な廃棄を防ぐことができます。データ分析と市場リサーチを活用して、消費者のニーズと傾向を正確に把握することが重要です。

リユース市場の活性化

リユース市場の拡大は、衣類のライフサイクルを延ばす手助けになります。企業は、中古衣類の市場を活性化させるため、リユースとリサイクルを奨励するキャンペーンを実施することが可能です。また、消費者教育も不可欠であり、リユースの利点と環境へのポジティブな影響についての認識を高める必要があるでしょう。

衣類を再生させる仕組みの構築

衣類の再生は、資源の効率的な利用を可能にします。企業は、使用済み衣類の回収と処理のためのシステム構築が必要です。これにより、廃棄されるべきでない衣類が新しい形で再利用されるチャンスが生まれます。

衣類のリサイクル事業に取り組んでいる企業10選

環境問題が深刻化する中で、多くの企業が衣類のリサイクル事業に取り組み始めています。以下は、その中でも注目すべき10の企業です。リサイクルやリユースの推進、サステナブルな製品の開発など、環境に対してポジティブな影響を与える活動を行っています。

1. Shoichi

Shoichiは「リサイクルで日本の廃棄をゼロに。」を掲げ、衣類のリサイクル事業を展開している会社です。アパレル企業が費用処理する廃棄衣料をすべてリサイクル原料として買取り、リサイクルで甦らせる取り組みを行なっています。

shoichiのリサイクル事業の特徴・メリットは、主に以下のとおりです。

  • 【安全性】リサイクル工程はShoichiが一元管理で行うためブランド毀損の危険性がない
  • 【コストパフォーマンス】これまで費用をかけてた廃棄が売上に変わる
  • 【キャパシティ】大量の依頼にも対応可能
  • 【柔軟性】スピード感を持って臨機応変にお客様の依頼に対応

「ブランド毀損」「リサイクル費用」が懸念材料となり、在庫のリサイクルが進まないブランド・メーカーはshoichiを利用することで問題解決ができるでしょう。

さらにshoichiではアパレル廃棄ロス問題を解決すべく、100%リサイクル素材にこだわったニットの製造・販売も行なっています。環境に配慮して商品でありながら、普段使いできる価格帯、デザインへのこだわりが特徴です。

その他、社会的・環境的な取り組みの一貫として「CO2削減プロジェクト」「TASUKEAI 0 PROJECT」など、多くの取り組みも注目されています。

2. ユニクロ(UNIQLO)

ユニクロでは、全国の各店舗に設置された回収ボックスで「ユニクロ・ジーユー・プラステ」全商品の回収を行っています。回収された衣類は、リユースでそのまま活用する商品とリサイクルを行う商品に仕分けられ、難民への衣料支援やCO2 削減に貢献する代替燃料に加工される仕組みです。

さらに「服が、服に生まれ変わる時代への挑戦」として、ユニクロダウン商品の回収、そして最新のアイテムに生まれ変わらせる取り組みを行っています。消費者は着なくなったユニクロ商品を捨てるのではなく、店頭の回収ボックスに入れるだけで取り組みへの参加が可能です。

3. GU(ジーユー)

ユニクロと同じく、GUでも全国の各店舗で「ユニクロ・ジーユー・プラステ」全商品の回収を行っています。回収された衣類は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や世界中のNGO・NPOとともに、難民キャンプや被災地への緊急災害支援など、衣類を必要としている方のもとに提供する活動です。リユースできない服は燃料や防音材などに加工しリサイクルされています。

こちらも消費者は回収ボックスに衣類を入れるだけで活動への貢献ができるため、ぜひ活用してみましょう。

4. H&M

H&Mでは、2013年から古着回収サービスを行っています。H&M古着回収サービスの特徴は、ブランドや状態を問わず不要な衣類や布地を店舗に持ち込むことができること。古着ボックスに回収された衣類は、以下の3つのカテゴリーへリサイクル・リメイクされます。

  • まだ着用できる衣類は古着として世界で販売
  • 着用できなくなった衣類はリメイクや清掃用品などに再利用
  • 織物繊維に細断され、断熱材の製造などに使用

2020年には、H&Mの古着回収サービスを通じて、18,800トンもの衣類が回収されました。古着回収サービスに衣類を持ち込んだ方には、次回のお買い物時に使えるデジタルクーポンがもらえるため、消費者にとってもメリットがあります。

5. UNITED ARROWS

UNITED ARROWSでは2009年から衣類回収を行なっています。同社が行う衣類回収は、店頭に常時回収ボックスをおくのではなく、期間限定のキャンペーンとして衣類回収を実施。

期間中レジカウンターへ衣料品を引き渡すことで、全国の店やオンラインストアで使えるクーポンがもらえる仕組みです。直近では2023年8/17(木)~8/31(木)で実施され、1回の持ち込みにつき「2,000円OFF スペシャルクーポン」が配布されました。

回収された衣類は、再利用もしくは素材やパーツごとに分類され、新たな原料として再生されます。

6. ZARA

ZARAでは社会的、環境的な取り組みの一環として、古着回収プログラムを展開しています。ZARAの古着回収では、不要になった衣類だけでなく、家庭用布製品や靴、アクセサリーなど、あらゆる商品の回収が可能。ZARAで販売されていた商品でなくても問題ありません。

回収された衣類は非営利団体の支援チャンネルを通じて販売され、ソーシャルプロジェクトの資金にあてられたり、布巾や新しい繊維、自動車向けの素材などに変換されたりします。

7. 無印良品

無印良品では「リデュース」「リユース」「リプレイスメント」「リサイクル」を進め、廃棄物の発生を減らす活動を行っています。具体的には、2030年までに包材や資材の脱プラスチック100%、リサイクルを前提とした製品設計100%を目標に掲げた取り組みです。

店頭では無印良品の衣類以外も含め、繊維製品の回収も行っています。回収した衣類は服やその他の原料として再生。まだ着られる服に関しては「染め直した服」「つながる服(服と服とリメイクしたもの」として再生し、一部の店舗限定で販売を行っています。

8. カラーループ

カラーループは、素材の分別が難しい廃棄繊維を色で分けてアップサイクルを行っている企業です。

衣類を構成する繊維素材は、複雑に混紡・混織されたものが多く、素材ごとに分別するのは困難な問題があります。そこでカラーループでは、素材の分別が難しい廃棄素材を色で分けてリサイクルを行う “Colour Recycle System” (カラーリサイクルシステム)を考案しました。

素材ではなく、色で分けてリサイクルするからこそ出来上がる魅力的な素材を使い、ブックカバーや筆箱、フラワーポットなど、さまざまな製品を開発しています。

9. BRING

BRINGは「服から服を作る」をコンセプトに掲げ、不要な衣類の回収から新たな服の再生までを一貫して行っている企業です。200以上のブランドと連携を行い、衣類の回収〜ケミカルリサイクルを実施し、Tシャツやパーカー、靴下などを作り出しています。

BRINGは特にポリエステル素材のリサイクルに優れている企業としても有名です。古着に含まれるポリエステルを使い、もう一度ポリエステル樹脂を製造する技術の開発も行いました。リサイクルによって製造された樹脂を原料に、新たなポリエステル製品の製造のみならず、再生素材を他ブランドに提供する取り組みも注目されています。

10.tennen

tennenは「ゴミを出さない、生まない、服づくり」を目標に掲げ、リサイクルを前提とした服づくりを行っている企業です。

洋服のリサイクルが進まない要因として、混紡の生地やボタン、ファスナーなど、分別が難しいことがことが挙げられます。そこでtennenでは、まずはコットン素材から、縫い糸を含めた単一素材での服づくりに挑戦。天然素材での衣類づくり、リサイクルの循環を推し進め、洋服の製造にさらなる多様性が生まれることを目指しています。

環境のために企業・個人双方の取り組みが必要

本記事では、衣類のリサイクル事業に注力する10の企業と、アパレル・ファッション業界が環境のためにできる様々なアクションについて解説しました。世界第2位の環境汚染産業であるアパレル業界が直面する問題は決して小さくありませんが、Shoichi, ユニクロなどの企業が示しているように、積極的なリサイクル事業とサステナブルな製品開発を通じて、大きな変化を起こすことが可能です。

「リサイクルへの取り組み」「余剰在庫の処理方法」などにお困りのブランド・メーカー様は、お気軽にShoichiまでお問い合わせください。


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投稿日: 2023年9月30日

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