「安く・早く・大量に」を特徴とするファストファッションは、大量廃棄や環境負荷といった課題とともに語られるようになりました。

 

こうしたなか、アパレル企業のあいだでは「つくって売る」だけでなく、「つくりすぎない・長く使ってもらう・回収して循環させる」取り組みが広がっています。この記事では、ファストファッションの課題に向き合う企業の取り組みを、具体的な事例とともに紹介します。自社で何から始めるべきかを考えるヒントとして役立てば幸いです。

 

(ファストファッションのメリット・デメリットや規制動向はこちらの記事、環境問題の詳しい仕組みはこちらの記事で解説しています。)

ファストファッション問題に取り組む企業

ファストファッション問題に取り組む企業

ファストファッションの課題に向き合う企業の取り組みは、大きく3つの切り口に分けられます。「そもそも余らせない」「長く使ってもらう」「使い終わった後に循環させる」——循環のどの段階に働きかけるかで、アプローチが異なります。それぞれの代表的な企業の事例を見ていきましょう。

在庫・廃棄を減らす企業の取り組み

ファストファッションの環境負荷の多くは、需要を超えて服をつくる商慣習に根ざしています。そこで重要になるのが、「そもそも余らせない生産の工夫」と、「余ってしまった在庫を捨てずに循環させる仕組み」の両面です。ここでは、その両方に取り組む企業を紹介します。

Shoichi(ショーイチ)

Shoichiは、アパレル企業の売れ残り在庫を回収し、リサイクル原材料として買い取る事業を展開する企業です。これまで費用をかけて廃棄していた在庫を「捨てる」のではなく資源として循環させることで、在庫廃棄そのものを減らします。ブランドタグを1点ずつ手作業でカットするため、二次流通によるブランド毀損の心配がなく、廃棄コストが売上に変わる点も企業にとって大きなメリットです。

参照:Shoichi 公式サイト

FABRIC TOKYO(ファブリック トウキョウ)

オーダーメイドのビジネスウェアを手がけるFABRIC TOKYOは、受注を受けた分だけつくる「無在庫」のビジネスモデルが特徴です。採寸データをもとに一人ひとりに合わせて生産するため売れ残りが生まれにくく、「在庫ロス・廃棄ロスゼロ」を目標に掲げています。

 

お直しサービスや、着なくなった服の回収プログラムも展開し、つくる段階から廃棄を出さない仕組みづくりを進めています。

参照:FABRIC TOKYO 公式サイト

ファクトリエ(Factelier)

「メイドインジャパンの工場直結ブランド」として2012年に創業したファクトリエは、中間流通を省いて国内の工場と直接提携し、高品質な服を適正価格で届けています。

 

トレンドを追って大量につくるのではなく、長く愛用できるベーシックな服を必要な分だけ生産する姿勢が特徴で、つくりすぎによる廃棄を抑えています。工場に適正な利益を還元し、国内のものづくりを支える点も評価されています。

参照:ファクトリエ 公式サイト

長く使うを後押しする取り組み

つくった服をできるだけ長く使ってもらうことも、廃棄を減らす有効な手段です。「所有」から「利用」へ切り替える発想も含め、修理・再販・レンタルを通じて購入後の関係を続ける企業が増えています。

パタゴニア「Worn Wear」

アウトドアブランドのパタゴニアは、修理・お手入れ・中古品の再販・リサイクルを束ねた循環型サービス「Worn Wear」を展開しています。「新品よりもずっといい(Better Than New)」を掲げ、新品をすすめる前にまず修理を提案して長く使うことを促す姿勢が特徴です。

 

日本でも2005年に前身となる回収プログラムを始めており、”売って終わりにしない”取り組みを長く続けています。修理を前提とした丈夫な商品づくりと、自分で直すための情報提供までを一貫して行っている点も、他社の参考になります。

参照:パタゴニア Worn Wear(公式)

メチャカリ(ストライプインターナショナル)

「earth music&ecology」などを展開するストライプインターナショナルは、月額制で新品の服を借りられるサブスクリプション「メチャカリ」を運営しています。借りた服は一定期間の利用後に返却され、メンテナンスを施したうえで中古品として再流通させる仕組みです。

 

自社で企画・生産する製造小売業だからこそ、新品レンタルと二次流通を一体で回せる点が特徴で、「服は買うもの」という前提そのものを問い直す取り組みといえます。

参照:メチャカリ 公式サイト

エアークローゼット(airCloset)

エアークローゼットは、2015年に国内初の普段着のファッションレンタルを始めた企業です。プロがコーディネートした服を月額制で借りられ、返却された服はメンテナンスして次の人へと循環させます。1着あたりの稼働率を高めることで、服を無駄なく生かす発想です。

 

創業当初から「循環型物流のプラットフォーム」を掲げ、レンタルを軸にした循環モデルづくりを進めています。

参照:エアークローゼット 公式サイト

これらの「長く使う」ための選択肢は、国内外のブランドで広がっています。消費者側の具体的な工夫は、「私たち・企業ができること」の記事もあわせてご覧ください。

回収・再流通の基盤づくり

使い終わった服や余った在庫を「捨てる」のではなく、資源として循環させる基盤づくりも重要です。ここでは、実際に取り組みを公表している企業の例を詳しく紹介します。

ユニクロ「RE.UNIQLO」

ユニクロは、全国の店舗に回収ボックスを設置し、不要になった自社商品を回収する「RE.UNIQLO」を進めています。回収した服のうち着用できるものは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)やNGOと連携して難民キャンプや被災地へ届け、着用に適さないものは燃料や防音材・断熱材としてリサイクル。

 

さらにダウン商品では、回収したダウン・フェザーを使って新しいダウンウェアをつくる「服から服へのリサイクル」にも取り組んでいます。同社は、これまでにグローバルで累計約6億点の衣類を回収したと公表しており、大手ならではの規模で循環を回している点が特徴です。

参照:RE.UNIQLO(ユニクロ公式)

無印良品「ReMUJI」

良品計画は2015年から、店頭で回収した自社の衣料品に手を加えて再販する「ReMUJI」を展開しています(2025年3月からは、資源循環の取り組み全体の総称としても使われています)。回収した服を右から左へ売るのではなく、一点ずつ検品したうえで、藍や黒に染め直した「染めなおした服」、傷んだ部分以外を活用して縫い合わせた「つながる服」、洗いをかけて古着として並べる「洗いなおした服」など、状態に応じた”ひと手間”を加える点が特徴です。

 

近年は、リユースできない素材について、繊維メーカーと協業してポリエステルのケミカルリサイクルにも取り組んでいます。

参照:ReMUJI(無印良品公式)

H&Mの古着回収

H&Mは2013年から、ブランドや状態を問わず不要な衣類を店頭で回収するサービスを世界的に展開しています。日本でも回収を行い、メンバー登録者にはデジタルクーポンを付与。集めた衣類はパートナー企業が仕分けし、まだ着られるものは古着として再販、傷んだものは別の製品や繊維へとリユース・リサイクルされます。「誰でも気軽に持ち込める回収モデル」を早くから定着させ、ファストファッションブランドが循環に取り組む先駆けとなりました。

 

近年は国内のリサイクル企業とも提携し、輸送に伴う環境負荷を抑える工夫も進めています。

参照:H&M 公式サイト

オンワード「グリーン・キャンペーン」

オンワード樫山は、「衣料品メーカーの責任」として自社製品を回収する「オンワード・グリーン・キャンペーン」を2009年から続けています。店頭に加えて2023年からはオンラインでの引き取りも開始。

 

集めた衣料品は、状態の良いものをクリーニングしてチャリティー価格で販売する「オンワード・リユースパーク」で再流通させ、リユースできないものはリサイクル毛布や軍手に再生し、日本赤十字社の協力のもと被災地・開発途上国支援に活用しています。長年にわたり累計数百万点規模を回収してきた、国内メーカーによる循環の代表例です。

参照:オンワード・グリーン・キャンペーン(公式)

JEPLAN(日本環境設計)「BRING」

「服から服をつくる」をコンセプトに掲げるJEPLAN(旧・日本環境設計)は、回収基盤そのものを担う専門企業です。多くのブランドや企業と提携して店頭などで衣類を回収し、独自の技術でポリエステルを分解して再生ポリエステル原料に戻す「ケミカルリサイクル」を実現しています。

 

再生した素材から自社ブランド「BRING」の製品をつくって販売するところまで手がけており、回収から再生・販売までを一つの循環としてつないでいるのが特徴です。ブランド側は、この基盤に参加することで自社だけでは難しい繊維リサイクルに取り組めます。

参照:JEPLAN 公式サイト

在庫の循環はShoichiにご相談ください

Shoichiサスティナブル概要

ここまで紹介した取り組みに共通するのは、循環の仕組みを「一社ですべて抱え込まない」ことです。とくにアパレル企業にとって切実な、売れ残った在庫をどう循環させるかという課題は、専門のパートナーと組むことで無理なく始められます。

 

冒頭の「在庫・廃棄を減らす」でも紹介したShoichiは、「リサイクルで世界中の衣類廃棄をゼロに。」を掲げ、アパレル企業の余剰在庫を回収・リサイクルする専門企業です。最大の特徴は、これまで費用をかけて廃棄していた在庫をリサイクル原材料として買い取る仕組み。廃棄コストが売上に変わるうえ、ブランドタグを1点ずつ手作業でカットすることで、二次流通によるブランド毀損リスクも排除します。回収した衣類は反毛(繊維に戻す)などを経て、再生素材として循環させます。

「回収・再流通の基盤づくり」は、自社だけで完結させる必要はありません。Shoichiは在庫側の受け皿として、企業の循環の一歩を支えます。

在庫の「廃棄」を「循環」へ
Shoichiが一貫サポート

▶余剰在庫をリサイクル原料として買い取り、廃棄コストを売上に転換

▶ブランドタグを1点ずつ手作業でカットし、二次流通・ブランド毀損を防止

▶大阪・奈良・三重に延べ9,600㎡の自社倉庫、年間600トン以上の処理能力

▶リサイクル証明書を発行し、透明性のある処理プロセスを保証

「在庫の循環を始めたいが、何から手をつければよいかわからない」
そんなお悩みをお持ちのアパレル企業様は、まずはお気軽にご相談ください。

無料でお問い合わせはこちら

まとめ

ファストファッションの課題に向き合う企業の取り組みは、「在庫・廃棄を減らす」「長く使うを後押しする」「回収・再流通の基盤をつくる」の3つに整理できます。FABRIC TOKYOやファクトリエのような「つくりすぎない」ブランドから、ユニクロ・無印良品・オンワード・H&M・パタゴニア・エアークローゼット・JEPLANといった循環の取り組みまで、業界は少しずつ「安く早く消費する」から「大切に長く使い、再び循環させる」方向へと舵を切りつつあります。

 

とはいえ、すべてを自社で抱え込む必要はありません。とくに売れ残った在庫の循環は、専門パートナーと組むことで無理なく始められます。Shoichiは在庫の買取・リサイクルを通じて、その第一歩を支えます。自社の在庫の扱いを見直したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

Shoichiへのお問い合わせはこちら