回収ボックスやリサイクル業者に出した服は、その後いったい何になっているのでしょうか。「リサイクルに出せば、また服に生まれ変わる」と思われがちですが、実際の行き先はもっと多様で、服から服へ戻る割合はごくわずかです。

 

この記事では、環境省が公表している最新のデータをもとに、手放された服のうちリサイクル・リユースされる比率と、回収された服が実際に何になっているのかをわかりやすく解説します。あわせて、アパレル企業が売れ残り在庫を「捨てずに活かす」ためのポイントも紹介します。

服のリサイクル・リユースの比率は?最新データで見る現状

服のリサイクル・リユースの比率は?最新データで見る現状

まずは、日本で手放された服のうち、どれくらいがリサイクル・リユースされているのかを見ていきましょう。ここでは、環境省が毎年度作成している「衣類のマテリアルフロー(服の流れを量で示した図)」の数値を使います。

手放された服の約64%は廃棄、リサイクル・リユースは合わせて約35%

環境省の推計によると、2022年に国内で新しく供給された服は79.8万トン。そのうち家庭や事業所から手放された服は73.1万トンでした。その内訳は次のとおりです。

手放された服の行き先の比率
2022年(手放された服 73.1万トン)
廃棄 64.3%
17.4%
18.1%
廃棄 47.0万トン / リサイクル 12.7万トン / リユース 13.3万トン
2020年(手放された服 78.7万トン)
廃棄 64.8%
15.6%
19.6%
廃棄 51.0万トン / リサイクル 12.3万トン / リユース 15.4万トン

2020年から2022年にかけて、リサイクルの比率は15.6%→17.4%と少し伸びましたが、リユースは19.6%→18.1%と下がっています。廃棄の比率はほぼ横ばいで、手放された服の3着に2着近くが、資源として使われないまま処理されている状況は大きく変わっていません。

家庭と事業所で比率は大きく違う

同じ2022年のデータを、家庭から出た服と、事業所(アパレル企業の売れ残りなど)から出た服に分けると、比率に大きな差があります。

家庭から手放された服(69.6万トン)
廃棄:約66%(45.8万トン)
リユース:約19%(13.0万トン)
リサイクル:約15%(10.8万トン)
事業所から手放された服(3.5万トン)
廃棄:約35%(1.2万トン)
リユース:約9%(0.3万トン)
リサイクル:約55%(1.9万トン)
出典:環境省「衣類のマテリアルフロー(2022)」をもとに作成

事業所から出る服はリサイクルの比率が高い一方、リユースはわずか約9%です。

 

アパレル企業の在庫は、ブランド価値を守るために「そのまま再販売(リユース)はしにくい」という事情があり、リサイクルか廃棄かの二択になりやすいことが数字にも表れています。

服はリサイクル・リユースされると何になる?5つの行き先

では、回収された服は実際に何になっているのでしょうか。環境省が古着や古布を扱う事業者(故繊維事業者)101社に行った調査では、選別したあとの服の行き先は次のような割合でした。

回収された服は選別後に何になる?(取扱量の割合)
中古衣料(海外向け)
42%
ウエス(工業用雑巾)
22%
反毛(わた状の再生繊維)
15%
サーマルリカバリー(燃料など)
9%
中古衣料(国内向け)
7%
焼却
5%
ポリエステル再生原料
0%
出典:環境省「サステナブルファッション及び衣類回収を巡る状況について」(2026年7月)。2023年10〜11月実施の故繊維事業者アンケート(回収数101社)より。その他・未選別を除く

中古衣料として使われるものが約5割と最も多く、次いでウエス・反毛などの素材としてのリサイクルが約4割。一方で、約1〜2割はリユースもリサイクルもされずに燃料化・焼却されています。ここからは、それぞれの行き先をくわしく見ていきます。

1. 中古衣料として国内外で再販売される(リユース)

状態のよい服は、そのまま中古衣料として再び販売されます。上の調査では、国内向けが7%、海外向けが42%と、多くが海外へ輸出されているのが特徴です。主な輸出先は東南アジアやアフリカなどで、現地の古着市場で販売されます。

 

ただし、輸出先で売れ残った服が大量に捨てられ、環境問題になっている地域もあります。輸出すれば終わりではなく、最終的にどこで、どう使われるのかまで目を向ける必要があります。くわしくは衣類の墓場とは何か?アタカマ砂漠の実態と日本のアパレル業界にできることでも解説しています。

2. ウエス(工業用の雑巾)になる

中古衣料として使えない服は、四角くカットされてウエスになります。ウエスとは、工場や整備工場などで機械の油汚れをふき取るために使う布のことです。特に綿のTシャツなど、水や油をよく吸う素材が向いています。

3. 反毛(はんもう)してフェルト・断熱材・再生糸になる

反毛とは、服を機械で細かくほぐし、わたのような状態の繊維に戻すことです。反毛した繊維は、次のような製品の原料になります。

✓フェルト:自動車の内装材や防音材、クッション材など
✓断熱材・吸音材:住宅や建物向けの建材など
✓軍手・作業用手袋:反毛した繊維を紡ぎ直した糸を使用
✓再生ウールなどの糸:ウール製品を反毛し、もう一度糸にしてニットなどに使用

反毛は、服を「素材」として次の製品に活かせる代表的な方法です。特にウールは反毛後も繊維の質を保ちやすく、再び服の原料として使えるケースもあります。

4. 再び服に生まれ変わる(繊維to繊維リサイクル)

「リサイクル=また服になる」というイメージを持つ方も多いですが、実際に服から服へ戻る割合はごくわずかです。上の調査でも、ポリエステルの再生原料になった割合は0%でした。

 

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の資料では、国内の正確なデータはないものの、服を新しい繊維製品へリサイクルする割合は世界全体でも1%に満たないとされています。綿とポリエステルが混ざった素材など、分けるのが難しい服が多いことが大きな理由です。国や企業による技術開発は進んでいますが、本格的な普及はまだこれからの段階です。

出典:NEDO 技術戦略研究センター「繊維製品のリサイクル」分野の技術戦略策定に向けて

5. 燃料や熱として回収される(サーマルリカバリー)

リユースにもリサイクルにも向かない服は、固形燃料にしたり、燃やしたときの熱をエネルギーとして使ったりする「サーマルリカバリー(熱回収)」に回されます。ただし、服そのものは燃えてなくなるため、素材として繰り返し使うリサイクルとは区別して考えるのが一般的です。

アパレル企業の在庫リサイクルが進まない4つの理由

リサイクルの必要性はわかっていても、「結局、廃棄を選んでしまう」という企業は少なくありません。よく挙がる理由は次の4つです。

1. 二次流通によるブランド毀損のリスク

リサイクルに出したはずの商品が、そのまま安く転売されてしまう——アパレル企業にとって最も避けたい事態です。ブランドがコントロールできない場所で商品が出回ると、ブランドのイメージや定価で買ってくれたお客様の信頼が損なわれかねません。そのため、「確実に流出しない」という理由で廃棄が選ばれやすいのが現状です。

2. リサイクルの工程が見えない

業者に引き渡したあと、どこで、どのように処理されたのかがわからないケースもあります。工程が見えないと、社内で説明しにくく、サステナビリティの取り組みとして発信することもできません。

3. 廃棄よりも費用や手間がかかると思われている

リサイクルには、仕分けやタグの取り外し、運搬などの手間がかかります。「廃棄のほうが安くて早い」と考えられがちなことも、リサイクルが進まない理由のひとつです。

4. 大量の在庫に対応できる業者が少ない

シーズン終わりや決算前など、まとまった量の在庫を一度に処理したい場面も多くあります。しかし、大量の在庫を短期間で引き取り、管理できる体制を持つ業者は限られています。

その在庫、廃棄する前にご相談ください
ブランド毀損・工程の不透明さ・費用・量。この4つの悩みは、Shoichiのリサイクルサービスでまとめて解決できます。他社との相見積もりも歓迎しています。お問い合わせはこちら

Shoichiなら、アパレル在庫が「何になるか」まで見える化できます

Shoichiは「リサイクルで世界中の衣類廃棄をゼロに。」を掲げ、アパレルブランド・メーカーの余剰在庫のリサイクルを行っている会社です。回収から報告まですべての工程を自社で一元管理しているため、「在庫が最終的に何になったのか」を確認できます。

引き取りから報告まで、4つのステップで一元管理

1

アパレル在庫のお引き取り事前に商品や量をうかがい、Shoichiがトラックと人員を手配して引き取ります。引き取った商品はブランドごとにエリアを分けて管理します。

2

自社工場での解体・タグのカットシャツ・パンツ・アウターなどに分けて解体し、「商品タグ」「ブランドタグ」「洗濯表示タグ」を1点ずつ手作業で切り取ります。

3

協力会社で再生ウール・フェルトなどに加工タグをすべて外したあと、素材ごとに協力会社で加工します。加工の工程もShoichiが管理しています。

4

リサイクル結果のご報告・証明書の発行全工程の完了後に結果をご報告し、解体処理と資源化処理の完了を証明する「リサイクル証明書」を発行します。

タグをすべて切り取ってから加工に回すため、リサイクルに出した商品が二次流通してブランドが毀損される心配はありません。また、リサイクル証明書があることで、社内への説明やサステナビリティレポートでの情報発信にも活用できます。

廃棄費用を「売上」に変える買い取りの仕組み

アパレルの余剰在庫は、産業廃棄物として費用を払って処分するのが一般的です。Shoichiでは、これまで費用をかけて廃棄していた商品や資材をリサイクル原材料として買い取るため、廃棄コストを売上に変えることができます。

 

実際にShoichiのサービスを導入した企業では、次のような成果が出ています。

A社(アパレル業/従業員850名/東京)
廃棄量 年12トン削減
廃棄コスト 約100万円減(約50%減)
ブランド価値を守るために廃棄が多く、年200万円以上かかっていたコストが100万円以下に。廃棄もゼロになりました。
B社(アパレル業/従業員300名/大阪)
廃棄量 年12トン削減
廃棄コスト 約170万円減(約60%減)
委託後の工程が見えないことが課題でしたが、一元管理と報告の仕組みで解決し、リサイクルに踏み出せました。

大量の在庫にもスピーディーに対応

Shoichiは大阪・奈良・三重に延べ5,000㎡の自社倉庫を持ち、年間約600トンのリサイクル処理能力があります。お問い合わせには24時間以内に返答し、在庫の回収は20万枚以内なら10日以内、20万枚以上でも2〜3週間を目安に対応しています。「倉庫の契約期限が迫っている」「決算日までに在庫を減らしたい」といったご相談にもお応えします。

廃棄されるはずの服から、新しい服をつくる取り組みも

Shoichiでは、廃棄予定だったウール製品を回収して糸に戻し、編み直したリサイクルウールのニットも製造しています。リサイクルウール80%・リサイクルナイロン20%の混率で、洗濯ラベルやミシン糸までリサイクル由来の素材を使っています。在庫の「出口」をつくるだけでなく、服から服への循環にも取り組んでいます。

また、回収した服の仕分けや解体作業は、就労継続支援事業所の皆さまと協力して行っています。在庫のリサイクルが、障がいのある方の働く場づくりにもつながっています。

服のリサイクル・リユースに関するよくある質問

Q.服のリサイクル率・リユース率はどれくらいですか?
A.環境省の2022年の推計では、手放された服73.1万トンのうち、リサイクルは約17.4%、リユースは約18.1%、廃棄は約64.3%です。リサイクルとリユースを合わせても約35%にとどまります。
Q.リサイクルに出した服は、また服になりますか?
A.服から服に戻るケースはごくわずかで、世界全体でも1%未満とされています。多くは中古衣料として再販売されるか、ウエス・フェルト・断熱材などの素材として使われます。
Q.アパレル企業の売れ残り在庫は、リサイクルできますか?
A.できます。ブランドタグを外してから素材として加工すれば、ブランドを守りながらリサイクルできます。Shoichiでは買い取りによるリサイクルを行っており、廃棄よりもコストを抑えられます。

アパレル在庫のリサイクルはShoichiにご相談ください

手放された服の約6割以上が、資源として使われないまま処理されているのが日本の現状です。アパレル企業の在庫も、出し先を変えるだけで「廃棄物」から「資源」に変えることができます。

余剰在庫を、捨てずに活かす。
Shoichiのアパレル在庫リサイクル
▶タグを1点ずつ手作業でカットし、二次流通によるブランド毀損を防止
▶引き取りから報告まで一元管理、リサイクル証明書を発行
▶リサイクル原材料として買い取り、廃棄コストを売上に
▶延べ5,000㎡の自社倉庫・年間約600トンの処理能力
▶自社工場での解体作業の見学も受付中
「在庫が最終的に何になるのか知りたい」「廃棄コストを減らしたい」
そんなアパレルブランド・メーカー様は、まずはお気軽にご相談ください。

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