「繊維リサイクルが大切なのはわかっている。でも、なぜなかなか進まないのか」——アパレル業界でサステナビリティを担当する方からよく聞く声です。日本の繊維リサイクル率は先進国の中でも低水準にとどまっており、その背景には単なる「意識の問題」では片づけられない、複数の構造的課題が絡み合っています。

この記事では、繊維リサイクルが日本で普及しにくい根本的な理由を「回収・技術・コスト・制度」の4つの軸で整理し、アパレル企業が今すぐ動ける具体的な突破口を解説します。

日本の繊維リサイクル率はどのくらい低いのか?現状と課題

日本の繊維リサイクル率はどのくらい低いのか?現状と課題

まず、国内外の数字を並べて現状を把握しましょう。

地域・指標 概況
日本の繊維リサイクル率(リサイクルのみ) 約17%(リユース含む場合は約35%。うち繊維to繊維は1%未満)※
日本の年間衣類廃棄量 約51万トン※

※参照:環境省「令和4年度循環型ファッション推進方策に関する調査業務」(2023年)

※参照: 環境省「令和2年度ファッションと環境に関する調査業務」(日本総合研究所、2021年)

日本のリサイクル率が低い背景には、「意識の差」だけでなく、回収インフラ・技術・経済合理性・法規制という4つの構造的な課題が積み重なっています。次のセクションで順に解説します。

なぜ繊維リサイクルは進まないのか?3つの構造的課題

なぜ繊維リサイクルは進まないのか?4つの構造的課題

課題1.  回収インフラが「点在」していて機能していない

繊維リサイクルの第一関門は「いかに衣類を集めるか」です。EUでは2025年から加盟各国に衣類の分別回収の義務化が課されており、回収拠点の整備が国レベルで進んでいます。対して日本では、自治体・企業・NPO・ブランドそれぞれが個別に回収ボックスを設置するにとどまり、回収量・品質ともに安定しません。

日本では年間の衣類購入点数が約35億点(経産省調査)に対し、回収できているのはそのごく一部です。回収された衣類でも、汚れや水濡れ、異物混入があると再資源化できないケースが多く、「集めても使えない」という二重の損失が発生しています。

日本の衣類回収が機能しにくい3つの理由

  1. 回収拠点が少なく分散:消費者が持ち込む手間がかかり、回収率が上がらない
  2. 品質管理の仕組みがない:汚損・濡れた衣類が混入してもチェックする仕組みが乏しい
  3. 情報がバラバラ:素材・産地を記録したデータベースがなく、回収後の素材分類に余分なコストがかかる

課題2.  「混紡素材」がリサイクル技術の壁になっている

現在市場に流通する衣類の大半は、綿×ポリエステルの混紡など複数素材を組み合わせたものです。繊維リサイクルで品質を維持するためには素材の純度が重要で、混紡素材のまま再生すると繊維が短くなり、衣類への再利用ではなく工業用素材にしか使えなくなります。

化学的に素材を分離するケミカルリサイクル技術の開発は世界中で進んでいますが、設備投資コストが高く、日本国内での商業スケール展開はまだ限定的です。現状では、素材を手作業で分類する工程が不可欠で、人手コストが収益を圧迫する構造になっています。

課題3.  「廃棄のほうが安い」という経済構造が変わっていない

繊維リサイクルが進まない最大の実務的障壁は、多くの企業にとって「廃棄コスト<リサイクルコスト」という逆転した経済構造です。焼却・埋め立て処分の費用が安い間は、企業が自発的にリサイクルへ移行するインセンティブが生まれにくいのが実態です。

EUではこの問題を「拡大生産者責任(EPR)」という制度で解決しようとしています。ブランドや製造者が製品の廃棄・リサイクルにかかるコストを負担する義務を法律で定めることで、廃棄コストを意図的に引き上げ、リサイクルとのコスト差を縮める仕組みです。日本ではこの制度が繊維分野に適用されていないため、廃棄コストが外部化されたままとなっています。

Shoichiでは、廃棄予定の在庫をリサイクル原料として買い取る仕組みを提供しています。廃棄コストがかかっていた在庫が売上に転換されるため、「廃棄のほうが安い」という構造を逆転させることが可能です。

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アパレル企業が今すぐ動ける3つの突破口

アパレル企業が今すぐ動ける3つの突破口

構造的課題があるからこそ、先に動いた企業が差別化できます。課題のうち、企業単体が今すぐ対処できる突破口を3つ紹介します。

突破口① 「新品在庫のリサイクル委託」からスタートする

消費者からの回収インフラが未整備でも、企業が自社で抱える余剰在庫・廃棄予定品を繊維リサイクル業者に委託することは今すぐ着手できます。新品在庫は状態が一定しているため品質管理がしやすく、リサイクル業者にとっても処理しやすい原料です。

委託先が買い取り対応をしている場合、廃棄コストが削減されるだけでなく収益にも転換できます。また、処理後にリサイクル証明書を受け取ることで、ESG報告書やサステナビリティレポートに定量実績として記載できます。

突破口② 製品設計の段階から「リサイクルしやすさ」を組み込む

混紡素材問題を根本から解決するためには、商品企画・素材調達の段階でリサイクル適性を設計条件に加えることが有効です。単一素材(100%コットン、100%ポリエステル等)や分離しやすい構造の製品は、将来的に高品質なリサイクル原料になりやすく、素材の市場価値も維持できます。

  • 素材の単一化・簡素化:製品コンセプトを変えずに混紡比率を下げる工夫をする
  • 解体しやすい構造:異素材パーツ(裏地・芯地など)を縫い付けでなく取り外し可能にする
  • 素材情報の記録:原産地・素材比率を商品マスターデータに登録し、回収後の分類コストを下げる

突破口③ 在庫をリサイクル素材として買い取ってくれる業者に依頼する

リサイクル業者の多くは「処理費用をもらって廃棄品を引き取る」形式ですが、なかには廃棄予定の在庫をリサイクル原料として買い取ってくれる業者も存在します。この違いは大きく、買い取り対応の業者に依頼することで、これまで費用のかかるだけだった廃棄が売上に変わります。

「コストがかかるから社内で承認が取りにくい」という方は、まず買い取り対応の業者を探すことが突破口になります。加えて、処理後にリサイクル証明書を発行してもらえれば、「何トンをリサイクルに回したか」「CO₂をどれだけ削減できたか」を数字で示せるため、上司や取引先への説明にもそのまま使えます。

買い取り対応業者に依頼するときの確認ポイント

  • ブランドタグはどう処理するか:タグがついたまま市場に出回るとブランドの信頼に関わるため、カット方法を必ず確認する
  • 秘密保持の契約があるか:商品情報が外部に漏れないよう、NDA(守秘義務契約)を締結できるか確認する
  • どのくらいの量を受け入れられるか:大量の在庫を一度に依頼できるか、処理能力を事前に確認する
  • リサイクル証明書を発行してもらえるか:処理実績を証明書として受け取れると、社内報告や取引先への説明に活用できる

取引先や行政から「環境への取り組みを見せてほしい」と求められる場面が増えている今、実績をデータで示せることは大きな強みになります。

繊維リサイクルの推進はShoichiにご相談ください

Shoichiは「リサイクルで世界中の衣類廃棄をゼロに。」を掲げ、アパレル企業の繊維リサイクルを一貫してサポートしている会社です。本記事で解説した「廃棄コスト構造の逆転」「ブランド毀損リスクの排除」「リサイクル実績の可視化」という3つの課題に、具体的な仕組みで応えています。

繊維リサイクルの構造的課題を
Shoichiが実務レベルで解決します

  1. 廃棄予定の在庫をリサイクル原料として買い取り——廃棄コストが売上に転換
  2. ブランドタグを1点ずつ手作業でカットし、二次流通・ブランド毀損リスクをゼロに
  3. 守秘義務契約の徹底と社内セキュリティ管理の強化
  4. 大阪・奈良・三重に延べ9,600㎡の自社倉庫と年間600トン以上の処理能力
  5. リサイクル証明書を発行

「社内でリサイクル推進の承認を取りたい」
「まず余剰在庫の処理コストを下げるところから始めたい」
そんなお悩みをお持ちのアパレル企業様は、まずはお気軽にご相談ください。

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