ファストファッションの普及によって大量生産・大量消費が当たり前になった現代、衣服の廃棄量は世界全体で年間約9,200万トンにのぼると推計されており、地球規模の深刻な環境問題となっています。

日本でも毎年約51万トンの衣類が廃棄されており、そのうち約95%が焼却・埋め立てで処分されているのが現状です(環境省調査)。

この記事では、世界・日本における衣服の廃棄量の現状をデータをもとにわかりやすく解説し、廃棄が増え続ける原因、環境・社会への影響、そしてアパレル企業・個人それぞれにできる解決策までを徹底解説します。

世界全体の衣服廃棄量の現状

世界全体の衣服廃棄量の現状

世界では現在、年間約9,200万トンもの衣類が廃棄されていると推計されています。これはその多くが焼却や埋め立てによって処理されており、繊維として再利用されるケースは全体のわずか1%未満にとどまります。

さらに深刻なのは将来の見通しです。このまま大量生産・大量消費の構造が続けば、廃棄量は現状の約9,200万トンから1億3,400万トンへと45%増加すると試算されています。

世界の衣服廃棄 キーデータ

世界の年間衣類廃棄量 約9,200万トン
世界の衣類リサイクル率 約12%(繊維→繊維は1%未満)
毎秒廃棄される量 トラック1台分相当
将来予測(このまま推移した場合) 約1億3,400万トン(+45%)

参照:Ellen MacArthur Foundation

国連貿易開発会議(UNCTAD)はアパレル・繊維産業を石油産業に次ぐ世界第2位の環境汚染産業と位置づけており、廃棄問題の深刻さは国際的な共通課題となっています。

日本の衣服廃棄量の現状

日本の衣服廃棄量の現状

日本も決して例外ではありません。環境省の調査によると、国内における衣類の新規供給量は年間約81.9万トン。そのうち56万トンが、事業所及び家庭から未利用のまま廃棄されていると推計されています。

日本の衣服廃棄データ(環境省調査

  • 年間新規供給量:約81.9万トン
  • 年間廃棄量(家庭系):約56万トン
  • リサイクル率:約15.6%(繊維→繊維は1%未満)
  • リユース率:約19.6%
  • 焼却・埋立率:可燃ごみとして出された衣類の約95%
  • 1人あたり年間廃棄:約20着(購入は約18枚)

特に問題なのは、まだ着られる状態の衣類がそのまま廃棄されているケースが多い点です。2022年には国内で約1.5万トン・大型トラック1,500台分相当の新品衣服が誰の手にも渡らずに廃棄されたと報告されています。

日本のリサイクル率は衣類の場合わずか約15%にとどまり、ペットボトルや古紙と比べて圧倒的に低い水準です。その大きな理由は、回収された衣服の約65%が2種類以上の繊維を含む混紡素材で作られており、繊維レベルへの分解・再利用が技術的・コスト的に難しいことにあります。

衣服廃棄量が増え続ける4つの原因

衣服廃棄量が増え続ける4つの原因

なぜ世界中で衣服の廃棄量が増え続けているのでしょうか。主要な要因を4つ解説します。

1

ファストファッションの普及最新トレンドを低価格・短サイクルで提供するファストファッションの台頭により、衣服1枚あたりの価格が大幅に下落。日本でも1990年から2019年の間に服の平均価格は約半分以下になりました。「安いから買う、すぐ飽きたら捨てる」という消費サイクルが世界規模で定着し、廃棄量の急増を招いています。

2

アパレル企業の過剰生産・在庫廃棄「欠品は損失」という業界慣習から、アパレル企業は需要を上回る量を生産することが通常でした。売れ残った在庫は値引き販売されますが、それでも売り切れない商品は最終的に廃棄処分されます。ブランド毀損を防ぐために未使用の新品をそのまま廃棄するケースも多く見られます。

3

リサイクルコストの高さ・技術的課題衣服に使われる混紡素材はリサイクルが難しく、コストも高いため、「廃棄するほうが安い」という現実があります。回収された衣類が繊維として再利用される割合は世界全体でわずか1%未満にとどまり、経済的なインセンティブが働かないことがリサイクル率の低迷につながっています。

4

トレンドサイクルの加速とブランド価値の問題SNSの普及でファッションのトレンドサイクルはかつてない速さで更新されるようになりました。昨シーズンの商品は「古い」とみなされ、まだ使える状態でも廃棄される傾向があります。また、ハイブランドが希少性を保つために在庫を意図的に廃棄するケースもあり、業界全体として廃棄を容認する構造が根付いています。

大量廃棄が引き起こす環境・社会への影響

大量廃棄が引き起こす環境・社会への影響

衣服の大量廃棄は、単なる「もったいない」という問題にとどまらず、地球環境や社会に深刻な影響をもたらしています。

CO₂排出・気候変動への影響

ファッション・繊維業界全体の温室効果ガス排出量は年間約12億トンのCO₂相当とされ、国際航空業界と海運業界を合わせた量を上回ります(UNEP)。衣服を焼却する際に発生するCO₂・有害ガスに加え、埋め立て時の繊維分解でも強力な温室効果ガスであるメタンが発生します。

海洋汚染・マイクロプラスチック問題

ポリエステル等の合成繊維を洗濯する際、年間約50万トンものマイクロファイバーが海洋へ流出しています。海に流入するマイクロプラスチックの約9%が衣類由来とされており(UNEP)、生態系や食の安全にも影響を及ぼす深刻な問題です。

途上国への廃棄の「輸出」問題

先進国から「古着」として輸出された衣服が、現地で市場価値がないと判断されてそのまま廃棄されるケースが増えています。ガーナでは輸入される古着の3分の1以上が廃棄され、砂漠や海岸に衣服の山が積み上げられています。廃棄の問題が先進国から途上国へ”転嫁”されている構造は、国際的な公平性の観点からも大きな問題です。

廃棄量削減に向けた取り組み・解決策

廃棄量削減に向けた取り組み・解決策

こうした問題を解決するために、世界各国・各企業でさまざまな取り組みが始まっています。

法規制による廃棄禁止・リサイクル義務化

  • フランス:2022年に世界初の衣服廃棄禁止令を施行。売れ残り新品の廃棄に罰金を課す
  • EU:2025年から繊維の分別回収を義務化。2030年にはエコデザイン規則で再生繊維含有率の向上を義務付け予定
  • 各国の拡大生産者責任(EPR):製造企業に回収・再資源化の実効性を証明する仕組みの構築を義務づける動きが拡大

アパレル企業ができる廃棄削減の具体策

  • 需要予測・小ロット生産:データ活用で過剰生産を抑制し、在庫ロスを根本から削減する
  • 在庫のリサイクル業者への委託:廃棄予定の在庫を繊維リサイクル専門業者に引き渡し、再資源化する
  • サステナブル素材への転換:リサイクル素材・オーガニック素材を採用し、製品ライフサイクル全体の環境負荷を低減する
  • リサイクル証明書の活用:廃棄・リサイクルの透明性を示すことで消費者・取引先からの信頼を獲得する

Shoichiは「リサイクルで日本の廃棄をゼロに。」を掲げ、衣類のリサイクル事業を展開しています。廃棄予定の在庫をリサイクル原材料として買い取る仕組みにより、廃棄コストが売上に転換。年間600トン以上の処理能力で大量依頼にも対応します。

アパレル企業の廃棄問題はShoichiにご相談ください

世界・日本の衣服廃棄問題は深刻ですが、一社一社の取り組みの積み重ねが確実に状況を変えていきます。Shoichiは衣類リサイクルを通じて、アパレル企業の廃棄ゼロ実現を支援します。

廃棄コストを売上に変える
Shoichiの衣類リサイクルサービス

ブランドタグを1点ずつ手作業でカットし、二次流通・ブランド毀損を完全防止
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