近年、食品ロスや衣類の大量廃棄が社会問題として取り上げられる中で、「大量生産・大量消費」という言葉を目にする機会が増えています。

 

安く・早く・たくさん作ることで私たちの生活は便利になりましたが、その裏側では 資源の浪費、CO₂排出の増加、余剰在庫の廃棄 など、多くの課題があるのも見逃せません。

 

本記事では、特にファッション業における大量生産・大量消費の意味、なぜ生まれたのか、どんな問題を引き起こしているのか、そして私たちが今からできることを解説します。

 

大量生産・大量消費とは?

大量生産・大量消費とは?

大量生産・大量消費とは「商品を大量につくり、安く販売し、すぐに消費されてまた買い替えられる」という経済の仕組みを指します。

 

同じ製品を大量にまとめて作れば、1つあたりのコストは大幅に下がり、企業は安価で商品を提供でき、消費者も手頃な価格で手に取れるようになります。一見メリットが多いように見えますが、その裏側では 廃棄物の増加、環境負荷の上昇、資源の急速な消費といった問題もあるのが現状です。

 

こうした構造は、衣類だけでなく食品・家電・日用品など、多くの産業に広がっています。

なぜ大量生産・大量消費が生まれたのか

なぜ大量生産・大量消費が生まれたのか

大量生産・大量消費は、自然に生まれたわけではありません。背景には 技術革新・国際競争・マーケティングの進化・ファストファッションの登場といった、さまざまな要因が重なっています。

 

ここでは、その代表的な4つの理由をわかりやすく解説します。

技術革新・自動化による大量生産が可能になった

まず、技術の進化が大量生産を後押ししました。

 

工場の機械化・自動化が進んだことで「短い時間で同じ品質の商品を大量に生産できる」ようになったのが大きな要素です。

 

かつては手作業で作られていた衣類や家電も、ライン生産方式の導入によって一気に生産効率が向上。この「大量につくればコストが下がる」仕組みが大量消費につながる土台となりました。

国際競争による「低価格化」の流れ

次に、グローバル化による価格競争が拍車をかけました。

 

生産拠点が海外に移り「人件費が安い国で作れる」「輸送コストも下がった」ことで、企業はさらに安く作って安く売ることができるように。

 

すると消費者は「安い商品」を選ぶようになり、企業はますますコストを下げる方向へ向かいます。こうして、世界規模の「低価格競争」が大量生産・大量消費の流れを強めていきました。

マーケティング・広告による“消費拡大”戦略

大量生産した商品を売り切るためには、大量の消費が必要です。

 

そこで企業は、テレビCMやSNSマーケティングを通じて、消費者に次々と新しい需要を作り出します。

 

「今シーズンのトレンドはこれ!」「古いスマホより最新モデルの方が生活が変わる!」といった情報により、消費者の購買意欲が刺激され、結果として買い替えサイクルはどんどん短くなりました。

ファストファッションの台頭による短サイクル消費

そして現代を象徴するのが、ファストファッションの存在です。

 

  • 低価格
  • 短期間で新作を大量投入
  • 流行の即時反映


といった特徴により、消費者は「安いからまた買おう」「今季の流行をすぐ楽しめる」と頻繁に買い替えるようになりました。

 

トレンドのサイクルが極端に短くなったことで 使い捨てのように服を買う・捨てるという習慣が社会全体に広がったのです。

大量生産・大量消費がもたらす問題

大量生産・大量消費がもたらす問題

大量生産・大量消費は、商品が安く手に入り生活を豊かにしてくれる一方で、環境や社会に大きな影響を与えています。

 

ここでは、特に問題視されているポイントを解説します。

資源の枯渇

大量生産の仕組みでは、食品・衣類・家電など、あらゆる産業で原材料が大量に消費されます。農作物を作るための水や肥料、衣類に使われる綿や石油、電子部品で使うレアメタルなど、限りある資源に負荷がかかり続けているのです。

 

こうした「大量生産を前提とした供給」は、資源を持続的に使用するという観点から限界を迎えつつあります。

CO₂排出の増加

「工場で大量に生産し、国内外へ運び、余ったものを処分する」この一連の流れで膨大なエネルギーが使われ、CO₂が排出されます。

 

業界に限らず生産→輸送→廃棄の過程で多くのCO₂が排出されます。大量生産・大量廃棄のビジネスモデルは、気候変動の加速と強く結びついているのです。

劣悪な労働環境・人権問題

大量生産の裏側では「安く、早く、たくさん作る」ための圧力が働き、生産現場の労働環境が悪化しやすくなります。

 

  • 値下げ競争による工場への過剰なコスト削減要求
  • 長時間労働・低賃金
  • 安全対策の不十分な製造現場
  • 児童労働や人権侵害のリスク


アパレルだけではなく、食品加工・電子機器組み立てなど、グローバルサプライチェーン全体で同じ問題が指摘されています。

 

「安価で便利な商品」の背景に、こうしたリスクが潜んでいる点は見逃せません。

企業の経済損失(在庫処分)

大量生産は売れ残り前提といっても過言ではありません。需要を読み違えれば、その分の商品は値下げや廃棄で損失につながります。

 

  • セールによる利益率の低下
  • 在庫保管費の増加
  • 廃棄処分費用
  • ブランドイメージの毀損


これはアパレルだけでなく、食品、日用品、家電、雑貨などあらゆる業界が抱える共通課題です。そのため最近では、「作りすぎない」「在庫を再活用する」など、生産方法そのものを見直す企業が増えています。

ファッション業界における大量生産・大量消費の実態

ファッション業界における大量生産・大量消費の実態

ファッション産業は、私たちの生活を豊かにしてくれる一方で「大量生産・大量消費」を前提としたビジネスモデルによって、多くの環境問題を生み出しています。

 

ここでは、日本の供給量・廃棄量のデータや、ファストファッション特有の短命サイクル、さらに見えにくい「過剰在庫・返品の焼却」問題について、わかりやすく解説します。

供給量・廃棄量のデータ(環境省)

環境省の資料によると、2024年の日本国内の衣類供給量は約82万トンにのぼります。しかし驚くべきはその後の行方で、その約7割にあたる56万トンが、家庭や事業所から手放されているという点です。


※参照:
令和6年度循環型ファッションの推進方策に関する調査業務

 

このうち実際にリユースやリサイクルされる量はまだ限定的で、焼却・埋立に回されている料も多いです。「買う量」と「手放す量」がほぼ同じペースで増えていることから、ファッション消費の循環が追いついていない現状が読み取れます。

ファストファッションの短命サイクル

ファストファッションは「早く・安く・大量に」トレンド商品を供給できる点が魅力ですが、この仕組みが大量消費を生む原因にもなっています。

 

  • トレンドの移り変わりが早い
  • 毎週のように新作が投入される
  • 低価格ゆえに買い替え前提の消費行動が促進される

さらに、多くのアイテムは長期使用を想定した耐久性がないため、使用期間が短く、結果として処分される量が増えていきます。

 

環境省のデータでも、平均的な衣類の使用年数が短縮していることが明らかになっており使い捨てに近いサイクルが加速していることが問題視されています。

過剰在庫・返品商品の焼却処分問題

大量生産体制の裏側で深刻なのが、「売れ残り」や「返品品」の扱いです。

 

  • ECの普及で返品率が増加
  • 店頭ではトレンド終了と同時に売れ残りが発生
  • セールでも売れない商品は倉庫保管→処分へ


アパレル企業の多くが倉庫スペースや保管コストの問題を抱えており、やむを得ず
焼却処分や廃棄に踏み切るケースが続いています。

 

海外では、ブランド価値を守るために新品を焼却した事例が問題になったこともあり、社会的な批判が高まりました。日本でも同じ構造があり、「ブランド毀損のリスク」や「処分コスト」が企業に重くのしかかっています。

ファッション業界における大量生産・大量消費を見直す動き

ファッション業界における大量生産・大量消費を見直す動き

ファッション業界では、これまで安く大量に作り、短期間で売り切り、売れ残ったら捨てるというビジネスモデルが中心でした。

 

しかし、環境負荷の大きさや在庫ロスの深刻化が明らかになるにつれ、この仕組みを見直そうとする動きが世界的に広まっています。

サステナブル・エシカルファッション

環境や人権に配慮したファッションを目指すサステナブル・エシカルファッションは、業界の代表的な取り組みです。オーガニック素材の採用、化学薬品の削減、公正な労働環境の整備など人にも地球にもやさしいものづくりを基盤にしたブランドが増えています。

 

一部の高価格帯ブランドだけでなく、国内外の大手企業も環境配慮型のラインを拡大しており、選択肢は年々充実しています。

リユース(古着)・リメイク・リサイクル

「捨てるのではなく循環させる」という考え方も定着しつつあります。古着として再販売するリユース、デザインし直して新たな価値を生むリメイク、素材として再生するリサイクルなど、多様な方法で衣類の寿命を延ばす取り組みが多いでしょう。

 

中古市場の盛り上がりや、古着をアップサイクルするブランドの増加は、消費者の行動変化を後押ししています。

余剰在庫のリサイクル

アパレル企業にとって大きな課題の一つが「売れ残りの在庫問題」です。そのまま廃棄してしまえばコストがかかり、ブランドイメージも傷つきかねません。そこで、在庫を廃棄ではなく資源として価値に戻す動きが加速しています。

 

近年ではブランド毀損のリスクを避けながら在庫を循環を依頼できる企業も増えており、衣類のリサイクルが多くの企業にとって身近な存在となってきました。

企業のサプライチェーン改善

大量生産・大量消費の根本的な見直しとして、サプライチェーン全体を改善する企業も増えています。

 

たとえば、AIを使った需要予測で作りすぎを防いだり、製造工程でのエネルギー使用量を最適化する動きが代表的です。環境負荷の見える化が進むことで、企業は自社の弱点を把握しやすくなり、改善が加速しています。

 

どれだけ売れるかだけではなく、どれだけ無駄を出さないかという観点が重視されるようになってきました。

消費者の意識変化(長く使う文化)

企業の取り組みに加えて、消費者側の価値観も変わりつつあります。「とりあえず安い服」より、「長く愛用できる服」を選ぶ人が増え、修理サービスや古着購入の利用も一般化してきました。

 

特に若い世代では、環境に配慮した選択をしたいという気持ちが強く、ファッションの買い方そのものに変化が起きています。こうした消費者の行動変化は企業にも影響を与え、業界全体が循環型社会に向けて動き出すきっかけになるでしょう。

Shoichiがサポートする「循環型ファッション」への第一歩

Shoichiサスティナブル概要

循環型ファッションを進めたいと考えていても、

 

「在庫処分のコストが高い…」
「ブランド毀損が怖くてリサイクルに踏み切れない…」
「社内にリサイクルの仕組みがない…」

 

そんな理由から、最初の一歩を踏み出せないアパレル企業は少なくありません。

 

Shoichiは、その最初のハードルを取り除き、環境にも企業にもメリットのある循環の仕組みづくりをサポートしています。ここでは、その具体的な取り組みをご紹介します。

 

Shoichiへのお問い合わせはこちら

余剰在庫の回収→タグ除去→解体→再資源化まで一貫管理

Shoichiでは、余剰在庫や展示品などの衣類を回収し、仕分け → タグ・ブランドネームの除去 → 解体 → 再資源化までをすべて自社で一貫対応しています。

 

外部委託が複雑に絡まないため、スムーズで安全な処理が可能。大量在庫でも、小ロットでも、同じ品質基準で対応できるのが強みです。

リサイクル証明書で透明性を担保

リサイクル処理が完了すると、Shoichiは 「リサイクル証明書」 を発行します。

 

  • どのように解体されたのか
  • 再資源化の工程がどう行われたのか


を明確に示す書類で、
企業にとっては透明性の高いエビデンスになります。

 

CSR報告、IR資料、サステナビリティレポートなどにも活用でき、社外に対し「責任ある循環型の取り組み」を発信しやすくなります。

ブランド毀損リスクゼロの仕組み

衣類のリサイクルで最も心配されるのが、タグを外さずに二次流通してしまうことでブランド価値が損なわれるリスク

 

Shoichiでは、ブランドタグ・ネーム・プリントなどを専門スタッフが1点ずつ手作業で完全除去しているため、二次流通のリスクはありません

 

リサイクル工程で意図せず流通してしまう可能性を根本から断ち、ブランドイメージを守りながら循環を実現します。

廃棄コスト削減+環境貢献を同時に実現

在庫処分には、焼却・埋立による費用がついて回ります。Shoichiは、回収した衣類を 「原料として買い取る」仕組み を持っているため、企業側の処分コストを大幅に減らすことが可能です。

 

  • 廃棄コストの削減
  • 在庫の循環による環境負荷の軽減
  • サステナブルな企業姿勢のアピール


全部まとめて実現できるということです。

小ロット〜大規模在庫まで柔軟に対応

Shoichiは5,000㎡の自社倉庫と、年間600トン以上の処理体制を備えており、

 

  • 小さなブランドの数十点
  • 大手企業の突発的な数万点規模の在庫


など、さまざまなケースに対応できます。

 

「少量だけど相談したい」「急ぎの在庫を処理したい」といった依頼も歓迎しており、循環型ファッションへの導入ハードルを最小限にします。

循環型ファッションへの取り組みをスタートしたい企業様へ

Shoichiリサイクルの流れ

Shoichiは「まずはできるところから始めたい」という企業の循環型ファッションへの一歩を全力でサポートします。

 

余剰在庫に悩む企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ブランド価値を守りながら、廃棄ゼロへ向けて一緒に歩んでいきましょう。

 

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