「循環型ファッション(サーキュラーファッション)」とは、服を使い捨てずに回収・再利用・再資源化し、資源を循環させる仕組みのことです。大量生産・大量廃棄が当たり前になっているアパレル業界では、環境への負荷や在庫廃棄の問題が深刻化しています。本記事では、循環型ファッションの基本的な考え方、メリットや課題、企業や消費者ができる取り組みについてわかりやすく解説します。

 

循環型ファッション(サーキュラーファッション)とは?

循環型ファッション

循環型ファッション(サーキュラーファッション)とは、服を「作って、使って、捨てる」という一方通行の流れではなく、使い終わった服を回収して再利用・再資源化し、何度も循環させる仕組みのことです。

 

この考え方は、環境にかかる負担を減らし、限られた資源を大切に使い続けるために生まれました。たとえば、古着としてもう一度販売したり、服をほかのアイテムに作り変えたり、繊維や素材に戻して新しい服を作るといった方法があります。

 

こうした循環を広げることで、廃棄物を減らし、持続可能なファッション産業を目指すことができます。

「リユース・リメイク・リサイクル」の違い

循環型ファッションでよく出てくる言葉がリユース・リメイク・リサイクルです。それぞれの意味は次の通りです。

  • リユース(Reuse)
     まだ着られる服をそのまま再利用すること。
     例:古着として販売、フリマアプリや寄付で再び誰かに着てもらう。
  • リメイク(Remake)
     不要になった服を作り変えて、新しいデザインや用途のものにすること。
     例:デニムをバッグに作り変える、シャツをクッションカバーにする。
  • リサイクル(Recycle)
     服を繊維や原料に戻し、新しい服や製品を作ること。
     例:ポリエステル素材を再生して新しい生地を作る。

3つの方法をうまく組み合わせることで、服の寿命を延ばし、廃棄を最小限に抑えることができます。

循環型ファッションのメリット

循環型ファッションのメリット

循環型ファッションは「環境によい取り組み」というだけでなく、企業経営やブランド戦略においても大きな価値をもたらします。ここでは、具体的な4つのメリットを詳しく見ていきましょう。

ブランド価値や企業イメージの向上

消費者の間で「環境に配慮しているブランドを選びたい」という意識が高まっています。企業が循環型ファッションに取り組むことは、単なる環境保護活動にとどまらず、「持続可能な企業」というポジティブなブランドイメージを築くことにも直結するでしょう。

 

さらに、環境活動の実績をCSR報告書や広告で発信することで、投資家やパートナー企業からの信頼も強まり、ビジネス面での好循環を生み出せます。

消費者との長期的な信頼関係の構築

商品購入後も、リサイクルや回収サービスを通じて顧客と継続的に関わることができます。例えば、「着なくなった服を持ち込めば割引クーポンと交換」というような施策は、リピート来店を促しながら環境活動にもつながるでしょう。

 

消費者に「このブランドと長く付き合いたい」という気持ちを生み、価格競争に左右されにくい強固な関係づくりが築けます。

廃棄コストの削減と利益率の改善

アパレル業界では、売れ残りや季節外れの商品を廃棄する際に処分費用が発生します。さらに、焼却や埋め立ては環境負荷も大きく、企業のCSR(社会的責任)にも影響します。

 

循環型ファッションの仕組みを取り入れることで、これらの在庫をリユース販売やリサイクルに回せば、廃棄コストを抑えられるだけでなく、再販による追加利益も得られる場合もあるでしょう。特に、リメイク品や限定再販商品は付加価値が高く、利益率の向上にもつながります。

循環型ファッションが必要とされるファッション業界の現状

循環型ファッションが必要とされるファッション業界の現状

ファッション業界は華やかで流行の移り変わりが早い一方、その裏側では深刻な環境問題や資源の浪費が進んでいます。大量生産・大量廃棄の仕組みや短期間で変わるトレンド、低価格化の影響などが、地球環境に大きな負荷を与えているのです。

 

ここでは、循環型ファッションの必要性を理解するために、業界が直面している主な課題を4つ紹介します。

アパレル業界の大量生産・大量廃棄の実態

近年のアパレル産業は、効率的な大量生産によって低価格で多様な商品を提供できるようになりました。しかし、その一方で「売れ残り」や「在庫過剰」が慢性化しており、日本国内だけでも年間数億点もの衣服が廃棄されていると言われています。

 

廃棄方法の多くは焼却や埋め立てで、温室効果ガスの排出や土壌汚染といった環境問題を引き起こしています。

トレンドの短期化による在庫ロス問題

SNSやファストファッションの影響で、流行は数ヶ月単位で変化するようになりました。その結果、まだ十分に着られる服でも「時代遅れ」とされ、販売機会を失うケースが増えています。

 

シーズンごとに新商品を投入し続ける体制は、在庫ロスを拡大させる要因となっており、廃棄量の増加や資源の無駄遣いを助長しています。

ファストファッションが与える環境への影響

ファストファッションは「安く、早く、たくさん」の特徴で世界中に広がりましたが、その代償として環境への負担が深刻化しています。大量生産による水やエネルギーの消費、合成繊維から発生するマイクロプラスチック、廃棄時の温室効果ガス排出など、あらゆる段階で環境に影響を与えています。

 

また、低価格競争は品質低下を招き、衣服の寿命を短くする傾向もあります。

国際的な規制・サステナブル基準の動き

欧州連合(EU)では「サーキュラー・エコノミー・アクションプラン」に基づき、繊維製品の耐久性やリサイクル性を高める法律が進められています。フランスでは売れ残り衣料の廃棄禁止法が施行され、企業は在庫を寄付やリサイクルに回すことが義務付けられました。

 

こうした国際的な規制や基準の動きは、日本のアパレル業界にも少しずつ波及しており、今後は循環型ファッションの導入が避けられない状況となっています。

循環型ファッションをすすめるためのポイント

循環型ファッションをすすめるためのポイント

循環型ファッションを実現するには、「作る」「使う」「回収する」それぞれの段階で工夫が必要です。ここでは、企業やブランドが取り組むべき4つの重要なポイントを紹介します。

製品設計段階からリサイクルを前提にする

衣服を作る段階から「いずれリサイクルする」ことを想定した設計を行うことが大切です。例えば、同じ種類の素材で作れば分別がしやすくなり、リサイクル効率も向上します。

 

また、金具や装飾を取り外しやすくしたり、縫製をシンプルにしたりすることで、解体・再加工がスムーズになります。こうした設計は、廃棄時のコスト削減にもつながります。

リユース・リサイクルの回収ルートを確立する

服の回収ルートが整っていないと、どれだけ良い製品を作っても循環は生まれません。店舗での回収ボックス設置や宅配便での回収サービスなど、消費者が手軽に利用できる仕組みを作ることが重要です。

 

さらに、回収後の衣類をどこでどのように再利用・再資源化するのかまでを明確にしておくことで、回収活動の信頼性が高まります。

消費者への啓発活動やインセンティブ提供

循環型ファッションを広げるためには、消費者の理解と参加が欠かせません。SNSや店頭イベントを通じて、リユースやリサイクルの重要性をわかりやすく伝えることが大切です。

 

また、回収に協力した人へポイント付与や割引クーポンを提供すると、参加率が高まりやすくなります。

他業種や専門企業とのパートナーシップ活用

自社だけで循環型ファッションを進めるのは難しいため、リサイクル技術を持つ企業や物流業者、NPOなどと協力することが効果的です。

 

例えば、素材メーカーと連携してリサイクルしやすい新素材を開発したり、古着を海外で再販売する事業者と協業したりすることで、より持続的で効率的な循環が実現します。

循環型ファッションへ取り組みたい企業はShoichiがサポートいたします!

Shoichiサスティナブル概要

循環型ファッションの必要性は理解していても「実際に何から始めればいいかわからない」「在庫をどう処理すればよいかわからない」と悩む企業は少なくありません。そんな時こそ、Shoichiのサポートがお役に立ちます。

 

Shoichiは「リサイクルで日本の廃棄をゼロに。」を掲げ、アパレル業界の余剰在庫や廃棄問題を解決する仕組みを提供しています。

 

弊社が提供するリサイクル事業についての特徴を紹介しますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

余剰在庫はリサイクル原料として買い取り

在庫をリサイクルしたいけれど、処分コストが重く、環境対策に踏み切れない企業も少なくありません。Shoichiでは、不要になった在庫を「買い取り」という形で受け入れているため、企業様は廃棄コストを抑えつつ環境配慮の取り組みを実現できます。

 

「処分コストが重くてリサイクルに踏み出せなかった」という企業様にも、経済的・社会的なメリットを提供できます。

回収からリサイクルまで一貫対応でブランド既存のリスクがない

Shoichiは、全国のアパレル企業から余剰在庫や展示品などを回収し、自社工場で仕分け・再資源化まで一貫して対応しています。

 

ブランドタグやネームは1点ずつ手作業で除去し、二次流通によるブランド毀損を未然に防止。リサイクル完了後には証明書を発行し、透明性のある運用を行っています。

少量から大規模まで柔軟に対応

Shoichiは、5,000㎡の自社倉庫と年間600トン超の処理能力を備え、企業の在庫規模や処理の緊急度に応じて柔軟に対応可能です。突発的な大量在庫や、定期的なサステナブル処分のご相談も歓迎しています。

結果はリサイクル証明書を発行してお伝え

Shoichiでは、回収された衣類の解体処理や資源化処理の完了を証明する「リサイクル証明書」を発行しています。

 

これにより「どのようにリサイクルされたのか」が明確に確認でき、企業としても安心して環境配慮型の取り組みを進められる体制が整っています。

 

また、リサイクルの結果を可視化することで、消費者や取引先に向けた透明性ある情報発信にも活用可能。SDGsやサステナブル経営への信頼性を高めるアピールポイントにもつながります。

在庫リサイクルから始める循環型ファッションへの第一歩

Shoichiリサイクルの流れ

循環型ファッションを業界全体で一気に進めるのは難しいかもしれません。しかし、まずは「余剰在庫をリサイクルする」という小さな一歩から始めることで、現実的に取り組みを進めることができます。Shoichiは、そんな第一歩を全力でサポートします。

 

余った在庫を環境にやさしく処理したい」「循環型ファッションに貢献したいが、方法がわからない」そんなお悩みを抱える企業様は、ぜひ一度Shoichiにご相談ください。
資源を循環させるファッションの未来を、私たちと一緒に築いていきましょう。

 

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