ファストファッションは「安く・早く・たくさん買える」便利さがある一方で、大量生産・大量廃棄や環境負荷、労働環境などの課題も指摘されています。とはいえ、いきなり業態そのものを変えるのは簡単ではなく、現実的にはできるところから一歩ずつ進めることが大切です。

 

この記事では、今日から実践しやすい【使う側】消費者にできることと、【作る側】アパレル企業にできることを整理して解説します。

 

さらに、両者が取り組みを理解して連携する重要性や、企業が取り組みを進める上でのハードルと、その乗り越え方もわかりやすく紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

目次

【使う側】消費者にできること

【使う側】消費者にできること

ファストファッションの課題は「買わない」ことだけが正解ではありません。買い方・使い方・手放し方を少し整えるだけでも、ムダな生産や廃棄を減らす方向に寄与できます。まずは、日常で取り入れやすい行動から始めてみましょう。

 

  • 長く着られる前提で選ぶ(縫製・生地感・着回しやすさをチェック)
  • 「本当に必要か」一呼吸置いてから買う(衝動買いを減らす)
  • 購入回数を減らし、1着あたりの着用回数を増やす(結果的にコスパも上がりやすい)
  • お手入れで寿命を延ばす(洗濯表示を守る/乾燥機を避ける/毛玉取りなど)
  • 修理・リペアを活用する(ほつれ直し、ボタン付け、裾上げなど)
  • セカンドハンド・リユースを取り入れる(古着店、フリマ、リユースEC)
  • レンタル・シェアで“必要な時だけ”使う(イベント服、フォーマルなど)
  • 不要な服は可燃ごみにせず、回収・寄付・リサイクルへ(店頭回収や自治体回収も確認)
  • 取り組みを公開しているブランドを選ぶ(回収制度、素材の情報、サプライチェーン開示など)


最後のポイントは特に効きます。環境に配慮しているブランド、環境への取り組みをおこなっているブランドを選ぶことも、立派な取り組みの一つです。

【作る側】アパレル企業にできること

【作る側】アパレル企業にできること

企業ができることは幅広いですが、最初から全部を変える必要はありません。現実的には、在庫を増やさない工夫と、余剰在庫の出口づくりから着手すると進めやすいです。

 

  • 需要予測の精度を上げ、生産数を最適化する(作りすぎを減らす)
  • 小ロット・追加生産型の運用を取り入れる(売れ行きを見て補充)
  • 販売計画を改善し、値引き頼みの在庫処分を減らす(予約販売、定番化など)
  • 余剰在庫をリユース・リサイクルし、廃棄を減らす(出口を複数持つ)
  • 回収プログラムを整備し、消費者が参加しやすい導線を作る
  • 素材・製法を見直し、環境負荷を下げる(再生素材、省資源加工など)
  • サプライチェーンの透明性を高める(労働・人権・環境の管理)
  • 取り組みと成果を伝わる形で発信する(数字・事例・第三者情報の活用)


企業の場合、「リサイクルはコストが高い」「ブランド毀損が怖い」「何から始めればいいかわからない」と止まりやすいのが本音です。

 

だからこそ、まずは廃棄コスト・保管コスト・値引き損まで含めて現状を見える化し、社内で合意しやすいところから改善していくのが近道になります。

消費者・アパレル企業それぞれが取り組みを理解し連携することが重要

消費者・アパレル企業それぞれが取り組みを理解し連携することが重要

ファストファッション問題は、どちらか一方だけが頑張っても解決しにくいテーマです。「作る側(企業)」と「使う側(消費者)」がつながって初めて、大量生産→大量廃棄の流れを変えられます。

 

企業側が在庫を減らす工夫や回収・リサイクルの仕組みを整えても、消費者が「手放すときは可燃ごみでいいや」となってしまうと、回収量が集まらず循環が回りません。

 

逆に、消費者が「捨てずに回収に出そう」と思っても、企業や社会側の回収ルートが少なければ、結局は処分に流れてしまいます。

 

だからこそ大切なのは、役割分担をはっきりさせることです。企業は、作りすぎない設計と、どうしても出てしまう余剰在庫の安全な出口(リユース・リサイクル)を用意する。消費者は、長く使うことと、不要になった服を正しく手放すことを習慣にする。この2つがかみ合うことで、「売って終わり」「買って捨てる」で止まらない循環が生まれます。

 

企業の行動が消費者の選択を変え、消費者の行動が企業の挑戦を後押しする──この相互作用こそが、現実的に問題を前進させる鍵になります。

なぜ企業はファストファッション問題に踏み出せないのか

なぜ企業はファストファッション問題に踏み出せないのか

ただ、実際にはファストファッション問題に対して「取り組むべき」と感じていても、実際に動き出せない企業は少なくありません。

 

背景には、意思がないというよりも、現場や経営の目線で見ると踏み出しにくい理由がいくつも重なっていることがあります。ここでは、企業側がつまずきやすいポイントを整理します。

何から手を付ければいいのかわからない

環境配慮といっても、原料・染色・縫製・輸送・販売・回収など関わる範囲が広く、「結局どこから変えるべき?」と迷いやすいのが実情です。

 

また、社内でも部署ごとに課題が違います。生産は納期、販売は売上、物流はコスト…と優先順位が分かれやすく、旗振り役がいないと計画がまとまりません。結果として、検討が続くだけで実行に移せない状態になりがちです。

コスト増加への不安が先に立ってしまう

サステナブル素材の採用、回収・再資源化の仕組みづくり、外部パートナーの活用などは、短期的には費用が増えるケースがあります。

 

特に価格競争が激しい領域では、「理想はわかるけど、利益が削られるのが怖い」という判断になりやすいものです。さらに、現場側は新しい運用による手間も増えるため、コストだけでなく工数面の負担も壁になります。

ブランドイメージを損なうリスクが怖い

余剰在庫や回収品を扱う際、企業が最も気にするのが「二次流通によるブランド毀損」です。

 

例えば、タグ付きの未使用品が意図しないルートで販売されれば、正規価格の信頼が揺らぎ、取引先との関係にも影響が出ます。

 

環境配慮のつもりで動いたのに、ブランド価値を落とす結果になっては本末転倒なので、慎重にならざるを得ません。

数字で効果を説明しづらい

売上のように分かりやすい指標と違い、環境対策は成果が見えにくいことがあります。

 

「どれだけCO₂を減らせたのか」「廃棄をどの程度抑えられたのか」を測ろうとしても、データ収集や算定の方法が整っていない企業は多いです。

 

結果として、社内稟議や予算確保の場面で説得材料が弱くなり、後回しになってしまいます。

業態そのものを変える必要があると思い込んでいる

「ファストファッション問題に向き合う=ビジネスモデルを根本から変えなければいけない」と捉えると、ハードルが一気に上がります。

 

もちろん長期的には構造改革が必要な領域もありますが、最初から完璧を目指す必要はありません。

 

まずは、在庫管理の精度を上げる、回収ルートを整える、余剰在庫の安全な処理方法を確保するなど、今ある課題から着手できることも多いのに、難しく考えすぎて止まってしまうケースがあります。

「在庫」から始めるファストファッション問題への第一歩

「在庫」から始めるファストファッション問題への第一歩

ファストファッション問題に向き合ううえで、「いきなり業態を変えるのは難しい」と感じる企業は多いはずです。そこで現実的な入口になるのが、いま目の前にある在庫です。

 

余剰在庫はコストにも環境にも直結するため、ここから手を付けるだけでも、改善のインパクトが出やすくなります。

まずは「在庫=見えにくい損失」を可視化する

売れ残り在庫は、作った時点で原材料・エネルギー・人件費がすでに投入されています。さらに、保管費や管理工数もかかり続けるため、売れない期間が長いほど損失が膨らみやすいのが特徴です。

 

まずは、在庫の量・保管期間・発生理由(需要予測のズレ、返品、仕様変更など)を整理し、「何がどれくらい余っているのか」を見える化することが第一歩になります。

「売り切る努力」と「無理に売らない判断」を分ける

在庫対策というと値引き販売が先に浮かびがちですが、やり方次第ではブランド価値を傷つけることもあります。そこでおすすめなのは、次のように目的別に整理する考え方です。

 

  • 売り切る(販売):値引き、セット販売、販路変更(アウトレット・EC)など
  • 持ち越す(保管):ベーシック品など、翌期でも価値が落ちにくいもの
  • 循環させる(回収・再資源化):販売が難しい在庫を“資源”として扱う


「何でも売る」ではなく、在庫の性質に合わせて出口を分けると、過剰な値引きに頼りすぎずに済みます。

在庫を廃棄ではなく循環に回すと、環境対策が進めやすい

環境配慮の取り組みは、素材変更やサプライチェーン改革など時間がかかるものも多い一方、在庫の出口を整える施策は比較的着手しやすいのがメリットです。

 

特に、販売が難しい余剰在庫をリサイクル・再資源化できる体制を作ると、「廃棄を減らす」という分かりやすい成果につながり、社内での説明もしやすくなります。

ファストファッションの問題解決には外部パートナーを活用するという選択肢

Shoichiリサイクルの流れ

ファストファッション問題に向き合う必要性は感じていても、「どこから手を付けるべきか」「社内だけで回し切れるのか」と悩む企業は少なくありません。生産計画の見直し、素材転換、回収導線の設計など、取り組みは多岐にわたり、現場負担も大きくなりがちです。

 

だからこそ現実的な選択肢として、外部パートナーを活用してできるところから前に進めるという進め方があります。

自社だけで抱え込むと止まりやすいポイント

特に、余剰在庫の扱いは社内で判断・運用しようとすると壁が出やすい領域です。

 

  • 処理方法の選択肢が多く、正解が見えにくい(売る/持ち越す/再資源化など)
  • 分別・タグ管理・物流など実務が重い
  • コストが読めず、社内稟議が通りにくい
  • 二次流通によるブランド毀損が怖い
  • 取り組み成果を説明する材料(証明・レポート)が不足しがち


外部パートナーを活用すれば、こうした「止まりやすい部分」を仕組みで補い、社内は意思決定に集中しやすくなります。

Shoichiなら在庫から始める循環の一歩を支援できます

Shoichiサスティナブル概要

Shoichiは「リサイクルで日本の廃棄費用をゼロに。」を掲げ、アパレルの余剰在庫を廃棄ではなく資源へつなげるリサイクル事業を展開しています。

 

企業が抱えやすい 「コスト負担」「ブランド保護」「透明性(トレーサビリティ)」 といった課題に対応できる体制を整えているのが特徴です。

 

Shoichiへのお問い合わせはこちら

1. 余剰在庫をリサイクル原料として買い取る仕組みで、コスト不安を軽くする

「リサイクルは必要だと思うが、処理費用が重くて進められない」——これは多くの企業が抱える本音です。

 

Shoichiでは、不要になった在庫をリサイクル原料として買い取る仕組みを用意しているため、これまで廃棄費用として出ていっていたコストを抑えながら、循環の取り組みを進めやすくなります。

 

まずは在庫から、無理なく環境配慮を始めたい企業にとって、現実的な選択肢になります。

2. タグを1点ずつ手作業で除去し、二次流通を防いでブランドを守る

余剰在庫のリユース・リサイクルで最も怖いのが、意図しない流通によるブランド毀損です。

 

Shoichiでは、ブランドタグやネーム類を1点ずつ手作業で確実にカットし、二次流通のリスクを抑える運用を徹底。

 

守秘義務契約や情報管理体制も整え、安心して依頼できる環境を作っています。

3. 回収から再資源化まで一貫管理し、「どのようにリサイクルされたか」確認できる

外部パートナーを活用するメリットは、任せられるだけではありません。

 

Shoichiでは回収〜仕分け・解体〜再資源化までを一元的に管理し、工程完了後にはリサイクル証明書を発行します。これにより、回収した衣類がどのようにリサイクルされたのかを確認できる体制が整います。

 

この「見える化」は、社内の説明材料になるだけでなく、取引先や消費者に向けた発信にも活用しやすく、取り組みの信頼性を高めやすい点もポイントです。

4. 小ロットから大規模在庫まで、状況に合わせて相談できる

「まずは一部の在庫だけ試したい」「急に大量の在庫が発生した」など、在庫の悩みは企業ごとに異なります。

 

Shoichiは処理体制を整え、規模やタイミングに合わせた柔軟な対応を目指しています。はじめの一歩を小さく始めて、継続できる形にしていく。その支援も含めて相談しやすいのが特徴です。

 

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ファストファッション問題を解決するために消費者・企業それぞれができることを

ファストファッションのビジネスモデル上、いきなり全体を変えるのは簡単ではありません。だからこそ、まずは 「在庫」 という目の前の課題から循環の仕組みを作り、できる範囲で環境負荷を減らしていくことが大切です。

 

「余った在庫を無理なく環境にやさしい形で処理したい」
「SDGsに取り組みたいが、何から始めればいいかわからない」

 

そんなお悩みをお持ちのアパレル企業様は、Shoichiの活用も選択肢として検討してみてください。ブランド価値を守りながら、廃棄を減らす仕組みづくりを一緒に進めていけます。