日本では毎年、膨大な量の衣類が廃棄されています。環境省の調査によると、2024年の国内供給量は約82万トン。そのうち約7割にあたる56万トンが家庭や事業所から手放され、その多くが未使用のまま処分されているのが実情です。

 

この記事では、日本における衣類廃棄のデータをもとに、その背景や課題、そして私たち個人や企業ができる取り組みについてわかりやすく解説します。

【データで見る】日本における年間の衣類廃棄量はどのくらい?

【データで見る】日本における年間の衣類廃棄量はどのくらい?

日本では、まだ着られる衣類が大量に廃棄されています。環境省の調査によると、2024年の国内における衣類供給量は約82万トン。そのうち、なんと約7割にあたる56万トンが、事業所や家庭から手放されていることが分かっています。

 

参照:令和6年度循環型ファッションの推進方策に関する調査業務

 

さらに注目すべきは、その多くが 未使用のまま廃棄されている という点です。つまり、まだ十分に利用可能な衣服が新品同然の状態で焼却・埋め立て処分されているケースが非常に多いのです。

 

この数字は、日本全体の消費スタイルが「大量生産・大量消費・大量廃棄」に依存していることを示しており、資源のムダづかいや環境負荷の増大につながっています。

 

衣類の廃棄は単なるゴミ処理の問題にとどまらず、地球温暖化や水質汚染、資源枯渇といった環境問題全体に直結する大きな課題です。こうした実態を知ることが、サステナブルファッションの第一歩になるといえるでしょう。

衣類の大量廃棄はなぜ起きるのか

衣類の大量廃棄はなぜ起きるのか

毎年、日本では大量の衣類が作られ、消費され、その多くが使い切られる前に廃棄されています。その背景にはいくつかの要因があり、ファッション業界や消費者の行動、さらには企業の事情が複雑に絡み合っています。

ファストファッションによる大量生産・大量消費

ファストファッションは「安く・早く・大量に」商品を供給するビジネスモデルです。短い期間で次々と新商品が登場するため、企業は常に多くの衣服を生産します。その結果、売れ残りが出やすくなり、廃棄につながってしまうのです。

流行の短期化と在庫ロスの増加

SNSやインフルエンサーの影響もあり、流行のサイクルはどんどん短くなっています。シーズンごとどころか、数週間でトレンドが変わることもあります。このスピードに合わせて大量の衣類を仕入れても、流行が過ぎると一気に売れ残り、在庫ロスが発生します。

消費者の「安くてすぐ買い替える」意識

安価に購入できる服が増えたことで、「気軽に買って、飽きたらすぐ捨てる」という消費スタイルが広がっています。以前は1着を長く着るのが当たり前でしたが、いまは短期間での買い替えが一般的になり、廃棄量を押し上げています。

リユース・リサイクル率の低さ

リユースやリサイクルの仕組みは徐々に整ってきていますが、まだ普及率は十分ではありません。消費者が不要な衣類を「ゴミ」として処分してしまうケースが多く、回収や再利用に回る割合は低いのが現状です。

在庫処分コストとブランド毀損リスク

アパレル企業にとって、売れ残った在庫の処分は大きな課題です。リサイクルや値下げ販売をしても、ブランド価値が下がるのではないかと懸念する企業も少なくありません。そのため、コストをかけて廃棄する道を選んでしまう場合もあり、結果的に大量廃棄が続いているのです。

衣類の廃棄量を減らすためにできること

衣類の廃棄量を減らすためにできること

衣類の廃棄は、環境に大きな影響を与える問題です。ただし、私たち一人ひとりやアパレル企業が少しずつ行動を変えることで、廃棄量を減らすことは可能です。ここでは「個人」と「企業」それぞれの視点からできることを整理してみましょう。

個人ができること

衣類の廃棄を減らすには、私たち一人ひとりの選択が大きなカギになります。ちょっとした心がけでも、積み重なれば大きな成果につながります。

 

  • ・長く着られるデザイン・品質の服を選ぶ
  • ・着なくなった服はリユースショップや寄付に回す
  • ・修理やリメイクで服の寿命を延ばす
  • ・衝動買いを避け、「本当に必要か」を考えて購入する

 

こうした行動を意識するだけで、廃棄される服を大幅に減らすことができます。結果として環境負荷も軽減され、持続可能な消費につながるのです。

アパレル企業ができること

一方で、企業側の取り組みも重要です。生産や販売の仕組みを見直すことで、大量廃棄の問題に実効性のある対策を講じることができます。

 

  • ・需要予測を強化し、適正な生産量で在庫を抑える
  • ・余剰在庫を廃棄せず、リサイクルやリユースに回す
  • ・オーガニック素材やリサイクル繊維など、環境配慮型素材を活用する
  • ・店舗回収ボックスやポイント還元など、消費者参加型の仕組みを導入する
  • ・SDGsやサステナブルへの姿勢を積極的に発信する

 

とはいえ、企業には「リサイクルにかかるコスト」や「ブランド毀損リスク」といった悩みもあります。Shoichiのような専門企業を活用すれば、その課題を解決しながらリサイクルを実現できる点も大きなメリットです。

アパレル製品・服の廃棄でお困りの企業はShoichiにお任せください

Shoichiイメージ

アパレル企業にとって、余剰在庫や返品品の処分は避けられない課題です。

 

「リサイクルの費用が高い」「ブランド価値が傷つくのではないか」といった懸念から、なかなか一歩を踏み出せない企業も少なくありません。

 

Shoichiは、そうした不安を解消しながらリサイクルを実現できる体制を整えています。

コストの課題に対応

Shoichiでは、不要になった衣類を「リサイクル原料」として買い取る仕組みを導入。これまで廃棄費用として負担していたコストを抑えながら、環境にやさしい処理を進められます。

 

「リサイクルはコストが重い」と悩んでいた企業にも、経済的メリットを提供できる仕組みです。

ブランド毀損リスクを防止

リサイクルの過程で、ブランドタグや洗濯表示を1点ずつ丁寧に除去。さらに、守秘義務契約やセキュリティ体制を徹底することで、二次流通によるブランド価値の低下を防ぎます。

 

ブランドを守りながら廃棄を減らせるのはShoichiならではの強みです。

透明性のあるプロセス

リサイクルが完了すると「リサイクル証明書」を発行。衣類がどのように資源化されたのかを明確に確認できるため、企業として外部に透明性ある情報を発信することが可能です。

 

SDGsやサステナブル経営を進めたい企業にとっても大きな武器になります。

小ロットから大規模まで柔軟に対応

Shoichiは年間600トン規模の処理能力を持ち、5,000㎡の自社倉庫を完備。少量のサンプル品からシーズンごとの大量在庫まで幅広く対応できます。

 

急な処分や定期的な依頼も安心してお任せいただけます。

衣類廃棄の現状を知ることが第一歩

今回ご紹介したように、日本では毎年 約82万トン の衣類が供給され、そのうち 約56万トン が手放されています。この数字は、私たちがいかに多くの衣類を生産・消費し、そして廃棄しているかを物語っています。

 

ファッションを楽しむ一方で、廃棄による環境負荷や資源の無駄づかいは深刻な課題です。しかし、個人は「長く着る」「リサイクルに出す」、企業は「在庫管理の徹底」「余剰在庫のリサイクル化」といった一歩を踏み出すことで、廃棄量を減らすことができます。

 

衣類廃棄を減らすために、まずはデータから現状を知り、できることから行動につなげていきましょう。