アパレル業界は、環境汚染・大量廃棄・人権問題など、SDGs(持続可能な開発目標)と密接に関わる課題を多く抱えています。近年では消費者の意識も変化し、企業にはより一層の責任ある取り組みが求められるようになりました。

 

本記事では、アパレル業界がSDGsに取り組むべき理由や注目すべき目標、実際の取り組み事例までをわかりやすく解説。環境配慮だけでなく、企業価値やブランド信頼の向上にもつながるアプローチをご紹介します。

目次

アパレル業界がSDGsに取り組むべき理由

「おしゃれ」や「自己表現」の手段として、私たちの暮らしに欠かせないファッション。しかしその裏側では、大量の資源を使ったり、使い捨てが前提になっていたりと、地球環境や社会にさまざまな問題を引き起こしています。

 

アパレル業界が持続可能であるためには、こうした課題に向き合い、SDGs(持続可能な開発目標)に基づいた取り組みを進めていく必要があります。

 

ここでは、なぜアパレル業界がSDGsに真剣に取り組むべきなのか、その主な理由を紹介します。

環境への負荷が大きい

アパレル・ファッション業界は環境汚染の観点から見ると、産業全体の中で2位に位置しています。たとえば、綿(コットン)を1枚のTシャツ分育てるには、約2,700リットルもの水が必要になると言われており、これは人が3日間で飲む水の量の約3年分にも相当します。

 

また、衣類の染色や加工に使われる化学薬品が川や海を汚染し、生態系に悪影響を与える店も深刻な問題です。製造や輸送、焼却処分などに伴うCO₂排出も問題視されており、地球温暖化の一因ともなっています。

 

このように、衣類が私たちの手元に届くまでには、想像以上に多くの資源が使われ、多くの排出が発生しているのです。そのため、環境への責任を果たすという意味でも、アパレル業界にはサステナブルな取り組みが強く求められています。

大量生産・大量廃棄のビジネスモデルが限界にきている

アパレル業界では、トレンドの移り変わりに合わせて新作を次々と投入し、在庫リスクを承知のうえで大量生産する「大量生産・大量販売」モデルが長らく採用されてきました。

 

しかしこのモデルでは、売れ残った商品が大量に値引きされ、最終的に新品のまま廃棄されるケースも少なくありません。その結果、廃棄された衣類が焼却・埋め立て処理されることで、環境にも深刻なダメージを与えています。

 

こうした非効率的で持続性のないビジネス構造に限界が見え始めている今、アパレル業界はサステナブルな仕組みへと抜本的な見直しを迫られているのです。

消費者の価値観が変化している

以前は「安くてトレンド感があること」が服を選ぶ基準でしたが、今では「環境にやさしいか」「長く使えるか」「誰がどのように作ったか」など、より本質的な価値を重視する消費者が増えています。

 

また、SNSや動画などを通じて情報が可視化される時代では、企業の取り組み姿勢も広く知られるようになりました。SDGsへの貢献は、単なるCSR活動ではなく、ブランド信頼・ファン獲得・選ばれる理由にも直結しているのです。

人権・労働問題への関心が高まっている

アパレル製品の多くは、発展途上国の工場などで製造されています。そこでは、低賃金・長時間労働・不衛生な作業環境といった、人権や労働環境に関わる深刻な問題が起きていることがあります。

 

現在では、消費者・投資家・メディアなどから「どこで・誰が・どのように」作っているのかという透明性が強く求められるようになっており、企業も責任ある調達やフェアトレードの姿勢が問われています。

アパレル業界が目指すべきSDGsの目標

SDGs(持続可能な開発目標)は、国連が掲げた17の目標から成り立っています。その中でもアパレル業界と関係が深い目標はいくつかあり、それぞれが環境問題や人権問題と密接につながっています。

 

ここでは、アパレル業界と関連性が深い4つのSDGsの目標について、内容を見ていきましょう。

目標12「つくる責任 つかう責任」|大量生産・大量廃棄からの脱却

「目標12」は、モノを「つくる側」も「つかう側」も、責任を持って行動しようという考え方です。アパレル業界では、大量生産・大量廃棄が大きな課題となっています。

 

これを改善するために、企業は生産数を見直し、過剰在庫を出さない仕組みづくりや在庫のリサイクルを進める必要があります。

目標13「気候変動に具体的な対策を」|CO₂排出・水資源使用の見直し

衣類の製造は、CO₂の排出や水の大量使用といった環境負荷が非常に大きい産業です。特に、綿の栽培や染色工程での水使用、工場でのエネルギー消費などが問題視されています。

 

この「目標13」は、気候変動への対策を求めるものです。アパレル企業は、CO₂排出の少ない素材の選定、再生可能エネルギーの利用、省エネ型の生産設備の導入などを進めていく必要があります。

目標11「住み続けられるまちづくりを」|地域と連携した古着回収・再販売モデルなど

「目標11」は、環境や人にやさしいまちづくりを目指す内容です。アパレル業界も、地域社会と協力しながら持続可能な循環型社会をつくる取り組みを進めることができます。

 

その一つが、地域と連携した衣類の回収・リユース・再販売です。たとえば、自治体や地域のショッピングモールなどと連携して古着の回収拠点を設置し、回収された衣類を再販売したり、資源としてリサイクルする活動が各地で行われています。

目標8「働きがいも経済成長も」|労働環境の改善とフェアトレード

SDGs(持続可能な開発目標)は、環境問題への対策だけでなく、貧困・人権・労働といった社会課題の解決も目指しています。

 

アパレル製品の多くは、海外の工場や農場で生産されていますが、その現場では低賃金・長時間労働・児童労働などの問題が指摘されています。SDGsの「目標8」は、すべての人が安全に、やりがいを持って働ける環境づくりを目指すものです。

 

企業には、生産の透明性を高めることや、フェアトレード(公正な取引)による原材料調達、適切な報酬の支払いが求められます。

アパレル業界ができるSDGsへの取り組み

SDGsへの取り組みは、特別なことを始めなければならないわけではありません。アパレル企業が日々の業務の中で「環境への配慮」や「ムダの削減」「社会との共生」を意識することが、持続可能な未来につながります。

 

ここでは、アパレル業界が今すぐ取り組める具体的な行動を4つご紹介します。

売れ残りを出さないための生産・販売の工夫

売れ残りが発生すると、在庫処分や廃棄などで環境にも経営にも悪影響を及ぼします。そのため、必要な分だけを作るという考え方が重要です。たとえば、予約販売や受注生産、AIを使った需要予測などを活用すれば、生産量をコントロールしやすくなります。

 

また、シーズンごとに商品を切り替えるのではなく、長く販売できる「定番アイテム」を増やすことも、在庫リスクを減らす方法のひとつです。

環境に配慮した素材や加工方法の導入

服を作る素材や、その加工方法も、地球環境に大きな影響を与えます。そこで注目されているのが、オーガニックコットンやリサイクルポリエステル、植物由来の素材など、環境負荷の少ない生地です。

 

また、染色や洗浄の工程で使う水や化学薬品を減らしたり、エネルギー効率のよい設備を導入したりすることも、環境への配慮につながります。

余剰在庫のリサイクル

どうしても売れ残ってしまった在庫は「廃棄」ではなく「リサイクル」という形で再活用することが大切です。

 

たとえば、再販売やアウトレットでの販売、他業種とのコラボによるリメイク、または繊維として再資源化するなど、さまざまな方法があります。最近では、在庫の再活用を専門にサポートする企業も登場しており、環境への配慮とビジネスを両立させる動きが広がっています。

アパレル業界でSDGsの取り組みが進まない原因・理由

SDGsの重要性が広く知られるようになった今でも、アパレル業界では十分な取り組みが進んでいない企業も少なくありません。その背景には「やらなければいけない」とわかっていても、現実的にすぐには取り組みにくい事情が存在しています。

 

ここでは、取り組みが進みにくい主な理由を3つ紹介します。

短期的な利益優先で環境投資が後回しになりやすい

アパレル業界では、毎シーズン新しい商品を作って売るスピードが早く、売上や在庫回転率などの「目先の数字」がどうしても優先されがちです。

 

そのため、SDGsにつながるような環境配慮の取り組み、たとえば、再生素材の導入やリサイクル工程の確立などは「コストがかかる」「すぐに利益につながらない」という理由で後回しになってしまうケースが多く見られます。

リサイクルの費用が高い

売れ残った衣類を廃棄する代わりに、リユースやリサイクルをしようと考える企業も増えていますが、そこには想像以上のコストがかかります。たとえば、回収・選別・再資源化といった工程には手間とお金がかかり、素材や状態によってはリサイクルできない場合もあります。

 

特に中小規模のブランドにとっては「環境には良くても、経営としては厳しい」と感じてしまい、積極的に動けないというのが現実です。

リサイクル依頼時のブランド毀損のリスクが心配

余剰在庫を外部にリサイクルや再販を委託する際、「安く売られてブランド価値が下がってしまうのでは?」と不安に思う企業も少なくありません。特に高価格帯のブランドでは、商品がアウトレットや海外市場で低価格で出回ることで、「安売りブランド」というイメージがついてしまうのを避けたいという意識があります。

 

このように、ブランドイメージを守ることと、在庫を有効活用することのバランスをどう取るかが、SDGsへの一歩を踏み出す障壁となっているのです。

Shoichiはアパレル企業のSDGs取り組みをサポートします!

Shoichiは「リサイクルで日本の廃棄をゼロに。」を掲げ、アパレル業界の持続可能な未来づくりに貢献する会社です。環境負荷の軽減、資源の有効活用、ブランド保護の両立など、SDGsに取り組むアパレル企業の課題に対応できる体制を整えています。

 

  • 余剰在庫を廃棄ではなく原料として買い取り、リサイクルを促進
  • ブランドタグを1点ずつ手作業で除去し、二次流通を徹底防止
  • 守秘義務契約と万全のセキュリティで機密情報を保護
  • 年間600トンの処理能力と広大な自社倉庫で、大規模リサイクルにも対応
  • リサイクル証明書を発行し、SDGs活動としての透明性も確保

 

「SDGsへの取り組みを始めたいが方法が分からない」 「廃棄せずに資源として循環させたい」そういった課題を抱えるアパレル企業の皆様は、ぜひShoichiにご相談ください。

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【コスト削減】リサイクルが「コスト」から「価値」に変わる仕組み

多くのアパレル企業が、SDGsへの関心を持ちながらも「リサイクルにはお金がかかる」「在庫の処分にコストをかけられない」といった理由で、実際の取り組みに踏み切れていません。Shoichiは、そんな悩みに応える“買取型”のリサイクルスキームを提供しています。

 

Shoichiでは、不要になった在庫や廃棄予定の商品を「資源」として捉え、リサイクル可能な衣類を原材料として買い取ります。これにより、企業側は処分費用を支払うどころか、在庫から収益を得ることが可能です。

 

「廃棄=コスト」の常識を覆し、「循環=価値」に変えることで、サステナブル経営の実現と経済的メリットの両立をサポート。SDGsの目標達成に向けた、現実的かつ継続可能なアプローチです。

【安全性】ブランド価値を守る徹底管理体制

アパレル企業にとって、ブランドイメージの保護は極めて重要です。リサイクルに取り組みたいと考えても、「処分した商品が市場に出回ってしまうのでは?」という不安が、行動の妨げになることも少なくありません。

 

Shoichiでは、在庫の引き取りから仕分け・解体・再資源化に至るまで、すべての工程を自社で厳密に管理しています。特にブランドタグや洗濯表示は、1点ずつ手作業で確実に切除し、二次流通のリスクをゼロに近づけます。

 

大切なブランドの信頼や顧客との関係性を損なうことなく、安心してリサイクルを実施いただけます。

【対応力】少量から大規模リサイクルまで柔軟に対応

Shoichiは、大阪・奈良・三重にまたがる総面積5,000㎡以上の自社倉庫を保有し、年間600トン規模の処理能力を有しています。このため、展示品やサンプル品などの小ロットから、シーズンごとの余剰在庫、閉店時の一括処理など大規模な案件まで幅広く対応可能です。

 

「小ロットでもお願いできる?」「早急に処理したい」など、実務的なニーズにもスピーディーに対応できる体制を整えており、アパレル企業が抱えるさまざまな在庫問題を、現場目線でサポートします。

 

SDGsをビジネスに落とし込む上で、柔軟な対応力は大きなアドバンテージとなります。Shoichiなら、状況に合わせた無理のないリサイクル導入が可能です。

アパレル企業のSDGsへの取り組み、まずはお気軽にご相談ください

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