一回目 北田氏 後編

エグゼクティブに会おう 北田氏対談2018年6月15日
(後編)

「一生の支えになる濃い3ヶ月間」
山本 なるほど勉強になります。ところで北田さんの経歴の話に戻すと、企画室いって、構造改革みたいなことをしたってことですよね。
北田 そうですね。経営企画的なことを依頼されて、役員から。
山本 完全に出世コースやね。
北田 まあ、そのときは選ばれたんでしょうね、確かに。
山本 いやいや、選ばれるべくして選ばれているでしょう。
北田 まあ、それはそのときの役員が推薦してくれたんでしょう。38歳だったと覚えてますけども、そのときは結構勉強してましたよ。
山本 どうやってですか。
北田 ほかの仕事しなくていいから、それを考えろって3カ月ぐらい。
山本 3カ月?
北田 3カ月ね。
山本 考えろ。
北田 構造改革案を作れと。
山本 すげえな、俺、そんな給料払われへんわ。すんごい。
北田 大きな会社でしたからね。
山本 いやあ。
北田 今でいうと、そういうのは多分ない。今、もし俺がその会社にいたとしたら、今は経営企画部がちゃんとあって、常にそういうのをやってるやつがいるわけですよ。当時、そういうやるやつがいなかったのね、要は。いわゆるそういう経営にかかわる政策論を作る専門部署がなかった。で、たまたま当時の常務だか専務だかに言われて、1人アシスタントの女の子も、ちゃんと組織だから人事異動もしてアシストの女性も1人つけてもらって、構造改革案を作ってくれって話になった。そのとき作った今でも家に持ってますけども、よく考えたなと思いますよ。
山本 主にどこからなんですか。あんまり言えないと思うんですけど、簡単に言うと。さっきの4Pでいうと。
北田 そこっていうよりも組織の在り方とか。
山本 あるいは部長がいて課長がいてみたいなの、まずいってことですか。
北田 そういう意味じゃなくて、営業、企画、生産、広報、そういう改正、会社全体の組織の在り方とか、どうあるべきだ。今後、この部署はもっとこういうことやるべきだとか、あとは新しい職務、職種が必要じゃないかとか。やって、今の組織にはないでしょ?例えばマーケティング室だとか、あと僕が作った言葉でマーチャンダイジングコントローラー。仕入れ担当とは違って、マーチャンダイジングコントローラーっていうのはいそうでいなかったんですよね。
山本 いそうでいない。
北田 仕入れ担当がやるような感じだし、営業がやるような感じだし。要するにモノを仕入れて営業に渡すっていうのは仕入れがやるんだけど、在庫のときからその投入したものがどう動いてて、材料をコントロールする役割がなかった。そしてMCって作って、MDに対してMCっていうのを作って。MDとMCはセットにして。で、出荷業務っていうのは片方でもう一つ、百貨店とかモノを物流センターが集荷しなきゃいけないでしょう、集荷作業とかもあるので、そういうのも誰がやるのかとかそういうやり方論全体の構造改革。そうすると、端的に言うと、この部署はこんだけの人数でできるはずだとかっていうとこも出すわけですよ。
山本 だいぶ突っ込みますね。
北田 もちろん。それはリストラにもつながるわけ。だからこういう人数は要らない。
山本 いい意味のリストラですね。
北田 そう。で、こっちの部署に人数を配置すべきだとか。で、そういう構造改革、全体の構造改革。こうすると会社としての経営効率が上がるんだと。
山本 会社全体何人ぐらいですか。100人ぐらい?
北田 いやいや、もっと1桁多いから、1500。
山本 え!そうか。もうレナウンですか。
北田 当時はダーバンですよ。ダーバン当時、700億ぐらいだったから。
山本 ん!すみませんでした。
北田 700億ぐらいで、正社員が1500ぐらいかな。店頭にはもっといるよね。拠点数が1000以上あるから、合計して3000、4000っているけど、本社はだから東京、大阪支店と二つしかわからないから。あと営業所は名古屋とかいろいろと九州とかあるけど、いわゆる大きな部署は東京と大阪。そういう組織論、じゃあ、出張所は必要なのか必要じゃないのかっていう。
山本 ここの卸先はどこやるべきだとか。
北田 営業担当どうすべきとか、ブランドの配置をどうするべきか。それはもちろん損益分岐点があるので、儲かってるブランド儲かってないブランド。そういう解析もするんだけど、解析までするやつはいっぱいいるんだよね。こうなってます、こうなってますってね。
山本 「どうしろ」やね。
北田 ここまでやるやつ、誰でもいるんですよ。こっから先どうしたらいいかを出せるかどうかがポイント。どうすればこの会社、だからどこに向かいたいかが企業のビジョンが必要なんですよ、要は。何なりを黒字にしたいって話なのか、いや、こういう形の黒字にしたいのか。将来こうするためにこうしているのか。これ、経営ビジョンがない人構造改革作れないんです。それは仮説を立てながらやるんですけども、そういう構造改革全体案を作って。だから3カ月ぐらいかかるわけですよ。あとネーミングだとか考える。
山本 ネーミング超重要。
北田 MCとかいうのは僕が、今、会社で全部使ってるけど、あれは僕が1992年、3年かな。
山本 めっちゃ前や。
北田 その頃に作った僕の構造改革案から生まれた言葉を使いました。まだ残ってる、そういうのね。そういうのいくつかあります。MDっていうのも本来、世界中どこにもない、日本しかにない職業で、それを作ったのはレナウンさんですよね。
山本 じゃあ、北田さん。
北田 私じゃないです。これは私よりだいぶ先輩、当時副社長が作った言葉です。MDっていうのはマーチャンダイザーっていいますけども、ブランドマスターって言い方もあったり、いくつかあるんですよ、企業によって言い方が。要するに、商品企画担当ではないんです、本来は。もうちょっと責任が重くて、ブランド全体のプランニングをする責任を負う人っていう言い方もある、ブランドマネジャーとかっていうのもあるし、いろいろ言い方あるんだけど、MDっていうと今は企画担当に近いんですね。デザイナーとパタンナーと組んでMDを、その商品を作るっていうのがあるけど、MCっていうのは商品コントローラーみたいな仕事を、それは名前でじゃあどんな職務をする人、職務分担の分ける表とかね。出荷するのは、いわゆるディストリビュートするディストリビューターっていうのが一般でもありますけども、その役割だとか。システム投資をしなきゃいけないとか、総合的に考えるからね。要するにこの部門はシステム入ってないとか、当時まだ90年、バブルちょっとあとかな。何でやったかって、バブル崩壊して売り上げがどんどん下がったからですよ、全体が。
山本 で、何かせなあかん、で北田さんが?
北田 そうそう。バブル崩壊がちょうどきた92年にアメリカから僕が91年に戻ってきて、
山本 戻ってこいですか。
北田 戻ってきたのは売り上げがもちろん下がり気味になって戻ってきて、それで経営企画部にその足でなって、考えてほしいって言われましたんで。それは僕はアメリカで経験したことも踏まえて、多分会社は期待したのかもれないけど、何か斬新なアイデアが欲しいわけ。
山本 (笑)
北田 これからどうすべきだと、この会社は。
山本 斬新なね(笑)。
北田 発想を変える。でもそれかなり頑張って作って、いろんな要素を含めて作りましたけども、役員会に僕が答申するわけじゃないから、専務が僕に委託したわけで、専務が役員会でどの部分を使うかが僕にはわからないわけ。
山本 え、北田さんが全部説明するんじゃないんですか。
北田 そうじゃない。
山本 そうなんや。
北田 専務の委託を受けて、その人が考えたわけじゃないけども、僕が原案を作ってるものだ。原案を作ってその人が僕のものを受け入れて、その中の、今思うといいとこ取りされたかなっていう気もしないことないかも。
山本 我慢してください(笑)。
北田 要するに本当にやってほしいとこはやんなかったですよ。本当に手をつけるべきだっていうところは、ちょっとまだ早いみたいな。それはもう経営が判断することで、まだ私38歳、課長ぐらいだからね。
山本 悔しいですね。
北田 うん。でもその資料はずっと今も持ってるし、その後も私は役員になったり、会社の経営にかかわるときには、そういう意識は常にあって。やっぱりそのとき考えたことって、なかなか人間そういう時間ないのよね。
山本 ない。
北田 集中してやるときが。
山本 ない。
北田 だからすごくそれは自分の人生にとっても、アメリカの経験も大事だけど、その3カ月は非常に重要。まあ、実際6カ月ぐらいあったかな。大変重要で、やっぱりいろんなとこ行ったり調べたりして、やっぱりほかの企業も調べるし、いろんなことがあって、今どうやったらこのバブル崩壊したあとで、そのアパレルが刷新していく中で、何が重要?まあアメリカの企業も。意外とそういうのって後々残ってる。そのあとまた俺の関わる仕事が、企画の仕事が営業ってなったら、そんなの知らない。そういう意味では、たまたまぶつかったときは大変な時期だなと思うけど、自分にとっていい経験になって、後々生かせることはありますね。そのあとは営業でまた復活してっていう。
山本 じゃあ企画室から営業に行って、営業部長にみたいな感じになって。
北田 まあ、元は3年ぐらい営業課長やって、営業部長になって、そこから取締役員になって。大阪支店長になったりしてっていう。
山本 僕の会社って中小企業なので、役員ってあんまりいなくて、部長から役員になった瞬間って仕事どう変わるんですか。
北田 責任の重さは変わるんじゃないですか。だって役員っていうのは取締役、僕がやっていたのは取締役のことで、執行役員っていうのと違う役割。会社によって言い方も違って、執行責任と取締役ってのは経営だから。取締役は取締役会のメンバーなわけで、そうしたら社長変えれるわけよ。
山本 え、どういうこと?
北田 取締役が決議すれば社長も解任できるから。
山本 まあ、そらそうですね。
北田 だから取締役っていうのは経営に入る。執行役員だけの場合は、取締役になってない人もいるよね、今の会社では。だから取締役執行役員の人もいるわけ。会社の言い方っていろいろあるんですけど、取締になった瞬間に社員じゃなくなるわけですね。経営が変わるから、全く責任が変わります。取締役の営業部長だったり、営業本部長だったり、それは企画本部長だったり、いろいろ業務は、取締役に何を置くかって、生産、企画、営業、マーケティング、広報宣伝とか、部門別に全員置くか、取締役はもう3人ぐらいしか置かないか、それは企業によって違う、何人置くか。あとはそれがタイトルついて、役付きで常務取締役、専務取締役、副社長、それはいろいろですよ。
山本 仕事の内容は何するんですか。
北田 だから部門、取締役平取の場合は部門担当があるわけ、大体。営業を担当するか、経営企画担当するのもいたりもするけども、財務担当する人もいたりするし、取締役のついてる人でも、それぞれ所管部門って大体ある。何もない取締役っていうのは、たまに会社によってはあるけども、それは社長補佐とかそういう場合もあるけども、大体は所管部門があって、その責任を果たしてる。取締役メンバーとしては経営課題には意見を言えると。
山本 そっちのほうがおもしろかったですか。上に上がっていって経営にかかわるほうが面白いですか、仕事は。
北田 それは面白いよ、権限の範囲が。責任も増えますよ。責任も増えるけど、権限が広がるから、上場企業の中で取締役になるっていうのは本当に少数しかならないから、要するに。それはサラリーマンとしてはいわゆる上がりですよ、ほとんど。なれなくて終わる人がほとんどだから。部長クラスになってもね。いや、課長で終わる人もいるか、課長になれない人もいるぐらいだから。
山本 まあそうですね。
北田 だって何千人もいる会社、何万いる会社でみんなが役員になることないのよ。執行役までいっても取締役なれない人多いから。
山本 取締役は何年やったんですか。
北田 最終的にはダーバンの取締役になって、それからレナウンダーバンホールディングスの役員になって、それからレナウン合併して、通算すると7年、8年かな、それぐらいですね。
山本 おつかれさまでした。
北田 その間はね。で、出ちゃって、アニヤ・ハインドマーチの代表になったから。
山本 それは何で出たんですか。
北田 それは会社のいろいろ事情があって。経営的な課題があって、役員退任するっていうタイミングがあったんですね。それはレナウングループが置かれた環境がなかなか大変だったから。でも、僕はアニヤ・ハインドマーチジャパンっていうイギリスのブランドの会社なんですけど、たまたま出ることになって、そのときは何で俺がこんなちっちゃい会社にいるんだって思ったけど、それまでうちが大きな会社で大きな権限を持ってたし、部下の数もすごく多いでしょ、店頭あるし。で比べて、社長といえどもちっちゃい会社だったから。
山本 そこは誘われたんですか。僕ちょっとコネとかわかんないですけど。
北田 それはレナウンダーバンホールディングスの時代に、契約でまず作った。グループが作った。
山本 もともと?
北田 もともと法人としては。だからそこに、本店取締役をはずれて、そっちにいったわけよ。それは僕にとってみれば、
山本 勝ちか、負けかというとってことですか。
北田 そのときは一瞬思ったけども、でもそういうのはそのときだけで、行っちゃえば頑張っちゃうほうだから。
山本 かっこいい(笑)。
北田 あっという間に2年で店舗も広げて、売り上げ上げて、クロージングして。
山本 人気ブランドですもんね。
北田 言われたの、当時。何で北田が行ったら売り上げが上がんだよつって。
山本 カッチョイイ(笑)。そりゃうれしいな。
北田 やり方が違うんだよって。そんなん人には言わない話だけど。それはちょっと偉そうに聞こえるけども、受け持った会社は絶対何とかするっていう自負があるから。
山本 いいわあ。
北田 それは大小関係ないというのが、でもいい経験になったの、それが。
山本 それいくつぐらいですか。アニヤに入ったのは55ぐらいですか。
北田 55ぐらいかな。
山本 今おいくつでしたっけ。
北田 64だね。
山本 若いですね。
北田 気持ちは若いよ。
山本 体も若いですね。
北田 体力も若いよ。10歳ぐらいなら負けてないけどね。それは運よく、結果的には運よくなんだよね、僕にとってみれば。そこで勉強したことがたくさんあるから。大企業の組織論の組織の中にぐちゃぐちゃしたほんと駆け引きだ。
山本 めんどくさい。
北田 駆け引きだ、足を引っ張るとかあるわけよ。わかるよね?俺はそういうの大嫌いだから。
山本 とにかくもうけようぜっていう。
北田 いい会社にして、社員の幸せを欲しい、一緒になって利益上げて、社会に還元できりゃいいと、いい格好だけど、それが目標なわけであって、もう社内の足の引っ張り合いとかそういうの大嫌いだけど、リアルじゃないですか。
山本 そのときはアニヤ・ハインドマーチ、何人ぐらいだったんですか。
北田 100人いなかったかな。
山本 お店は何個です?
北田 店舗入れて?
山本 はい。
北田 10店舗ぐらいしかないし、本社も10人ぐらいしかいないし。そりゃギャップ多かったよ。それまでちゃんと秘書もいたり、全部自分でって、これどうやってやんの?みたいな。
山本 (笑)もう5年もやってないですからね。
北田 もう全然(笑)。経費の精算ってどうやってやんの?みたいな。出張になって飛行機の予約、自分でしてくださいって、あ、俺、自分で電話して予約入れるんだ。そういう、そっからだよ。ちょっと若いのにいい気になって役員になってたから、もう大反省だよね。
山本 大反省ですね。僕も反省しよ。
北田 自分のことは自分でできると。

「社長はいつも見られている」
山本 僕、恥ずかしながら、僕あんまりお金使わないタイプなんですけど、売り上げが8億、9億ぐらい超えだすと、グリーン車ぐらい乗ってもいいんじゃないかと思いだしたんですね。で、グリーン車、最近たまに乗るんですけど、たまに3回に一遍ぐらいはちゃんと自由席乗って、やっぱり昔を思い出すっていう行動してまして。
北田 それ微妙だよね。
山本 何でよ(笑)。何で?
北田 俺もアニヤやってからファーストも乗らない、ビジネスも乗らない、飛行機もプレミアムエコノミーぎりぎりみたいな(笑)。
山本 プレミアムエコノミー(笑)。
北田 ギリギリなんだけど、乗るの、飛行機を。グリーンにも乗らなくしてるしいいんだけど、思ったけど、ある程度組織になったら社長っていうのも部下からとってみたら、やっぱり代表だから、儲かってるんだったらちゃんとしたほうがいいと思うんだよね。赤字だったら当然そういうのはね。
山本 いや、キュッとしないといけない。
北田 黒字でちゃんとやったんだったら、社長がグリーンも乗らないのかよっていうよりは、ちゃんとグリーンぐらい乗れよみたいな、ね。夢がなくなるでしょう。
山本 (笑)笑われるもん、みんなに。
北田 夢なくなるでしょう、ただのケチ屋になる。ケチな男に。
山本 (笑)
北田 だから使える余力があるかないかで変わりますけども、あればそうしてあげたほうが、僕らは若いときは大きな会社だったから、課長になったらビジネスになるの、当時ね。
山本 めっちゃ偉い。
北田 そうそう。役員だったらファーストだもん。そういうふうに役ついたら給料増えたらいいんじゃなくて、そういう処遇が変わってくる、どんどん。
山本 だってビジネスで東京大阪だって3万円ぐらいでしょう?もっとか。
北田 いや、東京大阪でビジネスはないけど、ロンドンとかそういう海外ね。ビジネスクラスは。
山本 めっちゃかかるよ、3倍ぐらいでしょう。
北田 一番安いエコノミーの倍が普通のレギュラーエコノミーするじゃない?その倍がビジネス。その倍がファーストだから。今ロサンゼルスなんかだったら、安いチケット、片道5、6万でもあるぐらいだけど、普通のレギュラーでエコノミー買うと、やっぱり20万とか25万するんですよね。で、ビジネスで50万だから。
山本 たっか。
北田 ファースト100万だから。
山本 びっくりするわ(笑)。
北田 1回行くだけで。
山本 びっくりしますね。
北田 ね。僕はファースト乗るまでいってない、バブル崩壊して、その規定変えたけどね。バブル崩壊してボンときて、変えて。でもいいときはそういういい思いもさせてもらってるから、やっぱりちゃんと儲かってるんだったら胸張ってグリーン乗ったらいいと思うよ。
山本 いやあ、でもたまには思い出さないと僕、調子乗るんで、ちょっと思い出すために。
北田 だからそれは自分で律するってのは必要なんですよ。
山本 まあ僕の勝パターンですね、一つの。
北田 それは、俺ももうここ何年もそういうファーストとか乗ってないし、グリーン車も乗らないようにしてますよ。自分で払う、自腹で払うってのもおかしいけどね。マイレージでアップグレードしたりするけども、それは自分の範囲だから。それはまあでも、やっぱりそれはそれで、例えば飛行機で海外よく行ってたから、要するに航空会社が出すマイレージとかあるでしょう。あれは結局個人でもらえるわけじゃん、マイレージって。そうすると、僕らなんかダイヤモンドクラスとかになっちゃうわけ。そうすると、ダイヤモンドとなると待遇も全然違う。で、ラウンジもまた別なのよ、全然。
山本 ダイヤモンドのラウンジ入ったことない。すごいいいでしょう?
北田 ものすごくいいですよ。そうすると、そういうとこにまたそういう役員、社長やってるやつがいるわけよね。会ってそういうとこで、立場がそろうわけよ。そういうのを対外的に見栄じゃないけども、ちゃんとそういうとこで話もできたり。そうすると、そこでまた出会ったりするわけよ。例えば上海のラウンジで高島屋役員に会った、ああ、また何々さんみたいな。どうしたの、ここに何しに来てるんですか、どこどこの商談で、いや、実はこの開発あってみたいなさ。
山本 いい話っすね。
北田 そういうのもある。だから合ったクラスの社長はやっぱり知っといたほうがいいね。で、役員さんは平社員とは違うっていうのは、何かつけといてやったほうがいいですよ。やっぱり気分変わるから。やっぱり取締になったらここだけは上がるんだ、例えばグリーンは乗れるよね。何か平と違う、平の部長と役員は違うってのを処遇で変えといてあげたほうがいいですよね。わかりやすい。だって、なる夢がなくなるじゃない。給料、例えば10万超えました、20万増えましたってなるんだけど、そういう対外的な見栄えがちょっと変わってくるじゃない。
山本 接待費とかでもいいってことですよね。
北田 そうそう、そういう枠とか。よくあったのが、百貨店とかお付き合いしていろんなアパレル同士で、地方なんかで集まりがあるじゃないですか。行くじゃない、会議とか出て、コンペとかあって。で、行き帰り新幹線乗るでしょう、っていうときに、うちだけグリーンじゃないと恥ずかしいじゃない。みんなグリーン乗ってるのにさ(笑)。
山本 (笑)それはきついな。
北田 みんなグリーンでさ(笑)。
山本 それは恥ずかしい。
北田 恥ずかしいでしょう、やっぱり。
山本 やってられへん。
北田 取っちゃえばいいよね。あと自腹で払うみたいな話だ(笑)。
山本 (笑)
北田 そういうかっこ悪い、あんまり見栄っぱりじゃないけど、やっぱりそういうのって。
山本 礼儀というか。
北田 やっぱあの会社赤字なんだとか言われるの嫌じゃない?
山本 嫌、めっちゃ嫌や。
北田 そういうのって、ね。やっぱりちゃんとした会社はちゃんとしてますよ。そこは大事よ。それは社長も。
山本 いやはや、すいません。
北田 もちろんお召しになるスーツとかもパリッとしてるよねって言われたほうが。
山本 そうっすよね、全然いいです。
北田 それは特に御社のような業種の場合は、日常商談的にはスーツ着たりネクタイしてるでしょうけども、日常的なときって自由じゃない、社長って。
山本 自由です。
北田 そのときにやっぱどんなかっこしてるかが大事だね。
山本 何でですか。
北田 そりゃそうやん、社員みんな見てるんだから。
山本 社員ってほんま見てますよね。
北田 見てんだよ。
山本 めっちゃ見ますよね。
北田 ビシッとしないとだめなんだ。
山本 (笑)
北田 普通んときも。
山本 ビシッとしろ。(メモをとる)
北田 そう。そうすると社員はやっぱりうちの社長はかっこいいなと、やっぱりちゃんと稼いでる社長は違うなと。いいの着てるなと。
山本 耳が痛いな。
北田 何か汚いのもし着てたらよ?ね、商談んときはスーツ着てネクタイ締めるけど、普通の時はその辺のおっさんと変わらんな、って困るでしょう、やっぱり。
山本 困る。
北田 それは社員よく見てます。
山本 そうか。
北田 まだ若いんだし、そういうのにもっと興味持って、次、アパレルの商材扱うんだったら、相手の会社なんかも信用度が変わるから。この人ちゃんといいもん着てるなみたいなのわかるから。それ日頃からやってないとだめだね。
山本 日頃から、それも日頃からね。
北田 日頃から。
山本 日頃が大変なんや。
北田 誰も注意する人いなくなるでしょう。
山本 いなくなる。
北田 そう、それが問題なんです。
山本 トップやからね。
北田 絶対。そうなるのはしょうがないんですよ。奥さんと一緒に働いてたら別だけど、言える人いないじゃないですか。
山本 はい、そうです。奥さんからしたらどうでもいいですからね、旦那の服とか。
北田 だから、それはやっぱり会社内で自分を律するしかないよね。特にこれから大きくされていく中では、新しい人も入ってくるし付き合い幅も広がるから。海外は特にそうなんだ。外見ってのは意外と評価になるんですね。今、逆にIT産業なんかでTシャツでもジーパンでもいいって、逆にそういう流れもあるんだけどもね。大成功したスティーブ・ジョブズはいいよ。ああなりゃあもう、子どものTシャツだろうが何だろうがいいんだけど。
山本 顔がもう。
北田 もうそれでいけるからね。でもね、やっぱりそこそこのところまではしっかりちゃんとしてないとだめなんだ。それね、もう会うだけで商談成立しないとかある。何だこいつはってなる、そういうのってね。
山本 これ、僕の業界なんですけど、在庫処分で人様の在庫を安く売っていただいてるやつらが、そんなかっこいいかっこしたらとか嫌じゃないかな、とかあるんですけど、それどう思います?
北田 かっこいいものを求めないのよ。
山本 何、ビシッと?
北田 キチッとしてる。
山本 キチッとね、すみません(笑)。恥ずかしい(笑)。
北田 派手なもんは要らないし、地味でもいいからちゃんといつも紺のスーツ着てるとか、ワイシャツもだけど、いつもちゃんとしてるってことだよ。だからファッション、おしゃれって普通にそうで、目立つとか派手なことをおしゃれとは言わないから。その人の内面が表れるんですよね。
山本 表れますね。
北田 やっぱり雰囲気とかに出てくるから。だからそれは高いものじゃなくてもいいから、そこそこのもんでもいい、ちゃんとしてるっていう。
山本 メンテナンス。
北田 そうそう。しわしわのスーツ着てるとかいうよりは。
山本 むしろ、僕もぱっと見て嫌ですもん。
北田 嫌でしょ?ネクタイもするかしないか。しなくても別に構わないんだけど、しなくてもそれなりにちゃんとしてるかどうかってある。
山本 俺思うんすけど、ネクタイってみんなしてないからこそしたらパリッと見えますね。
北田 今、特にそうなってる。
山本 僕も実際そうでしたけど。すいません(笑)。
北田 最近しないのが増えたからするとシャキッと見える。
山本 シャキッとして見える、得ですね。
北田 そうそう。
山本 (笑)
北田 でも何となく、女性が見てもそう見えるのね。
山本 今、いい感じのことを(笑)。
北田 女性にモテようと思うか思わないかっつうの、個人差あるけど誰だってモテるよりモテないほうがどっちか言ったら決まってるので、場面場面でしっかりちゃんとしたほうがいい。
山本 本当ですか。
北田 ネクタイ締めないでかっこよくって難しいんだよ、結局。
山本 逆にね。
北田 そう、締めないで、ルーズに見えないで、かっこよくやるっていうのはなかなか大変なの。
山本 逆に楽っていうことですね。
北田 ネクタイ締めたほうがわかりやすいわけ。
山本 元ダーバンの人が言うんやから(笑)、それは間違いない。
北田 営業・企画、本部長やってますから。
山本 (笑)間違いないですね。
北田 営業マンに言ってたのは、販売員とかに男は指導、歩き方から言うから。
山本 え?
北田 たとえ5万のスーツでも20万に見える歩き方と、たとえ20万のスーツでも5万にしか見えない歩き方があるから、歩き方変えろってよく指導する。
山本 販売員を?
北田 そう。
山本 営業マンに。
北田 営業マン歩かせるから。だめ!とかってやるから。
山本 すごい。
北田 そう。
山本 だから商品をよく見せる、タダでよく見せられますよね。
北田 見せるというより、本人がよく見えるのよ。だからそのほうが、高く見えるのよ。5万のスーツも20万に見えちゃうから、逆もあるのよ。アルマーニ着てますって、それ本当かよっていう感じなのね。
山本 僕歩き方悪いからあかんわ(笑)。
北田 それは訓練なんですよ、習慣づけ。ちゃんと背筋を伸ばして。で、胸張りすぎないっていうこと。
山本 張りすぎないで?
北田 肩のライン、背筋は伸ばすけど肩のラインは自然にちゃんと落とした感じで真っすぐと、ね。ちゃんと足の歩幅が、足をちゃんとまっすぐ前へ出して、こういう擦らないで歩く。そうするだけで全然高く見えるから、スーツ。
山本 それ、僕、今まで歩き方をちょっと言われたことあるんですけど、ものが高く見えるからっていうのは刺さりますね。
北田 ものも高く見えるし、人物も、もちろん背も高く見えるし、かっこよく見えるよ。それだけで。歩き方は本当大事。女性なんかそれ意識する人多いけども、男性は猫背になりがちなのよね、割と。
山本 そうなんですか。
北田 うん。やや猫背になる。(胸を反らせて)で、こんなやつもいるけど、それは珍しいよね。こうやって歩くやつ、そんなに世の中に、まあ大阪のおっちゃんみたいのは。
山本 それは大阪のおっちゃんですね。
北田 なにわのこんな金融道みたいなこんなやつがこう歩くっていう。こういうのってあんまいないじゃない。
山本 確かに。
北田 大体はこうなってるんだよ。視線をどこに向けるかとかそういうのがあって、ちゃんとする。それが大事。全然変わりますよ。
山本 変われそう。
北田 高いもん着るって言ってんじゃないんだよ。ちゃんとしなさいっていうのはそういうこと。社員から見てもそう見えるし、日頃からそういうふうにやられてると、キチッとしてるな社長は。最近どうしたのかな。
山本 社長が叱っても、ああ、そうかと。
北田 なんだね。風格が出てくる。
山本 風格出したい!
北田 徐々にね、徐々に。
山本 出したいな。風格出ますかね。
北田 ギャーギャー言わない、ね。ポイントをきちんと話をしたり。
山本 ギャーギャー言うんや。
北田 ギャーギャー言わない。
山本 ギャーギャー言ってんな(笑)。ギャーギャー言わない。
北田 感情的に言わない。心がけないとできないことですよ、誰も注意しないから。
山本 社長やしね。
北田 社長注意しないです。私が顧問の社長さんとたまに行って注意するけど。
山本 (笑)すごいめっちゃ言われそうや。
北田 そういう顧問が必要ならお受けしますよ。
山本 (笑)
北田 月1回ぐらい。
山本 ほんまですね。
北田 やっぱり見られるってことは意識しないとだめですね。見られてるっていうのは。
山本 確かにありますね。
北田 僕はメンズの会社にいたんでね。レディースの会社の男子社員って意外とおしゃれじゃないんだ。
山本 何でなんですか。
北田 なぜか。レディースの会社は女の子がみんなおしゃれだし、自社商品着るし。でも男の社員って自社商品がないからだな、言われないんだろうね。何でファッション業界にいるのにかっこ悪いのか、ってのがたまにいるんだ。もしくは極端に意識しすぎのやつ。もうやたら意識しすぎたかっこをしてるやつって。
山本 普通が一番ですね。
北田 普通。普通ちゃんとしてんのは、特に上層部は、経営者はそうでないと、目立ちたがりは別ですよ。そういう派手なのはね。たまにいますけどね、目立ちたがり。
山本 僕の商売は商売なんで、そうならんようにします。
北田 やっぱり誠実な感じとかいうのは、印象的に大事じゃないですか。それはしゃべり方にも出るし、姿勢とかも全部出てくるから、印象として。だって1回しか会わない人って多いでしょう。
山本 多い。
北田 社長になると。僕もそうですけど。
山本 めっちゃ多い。
北田 偉くなればなるだけ、しょっちゅう会わないんですよ。たまにどこそこ、誰かとセットされて会う。そうすると1回勝負なんだよね。そのとき、印象お互い変わるからね。
山本 そう言われたら毎日勝負やな。いきなりいい人紹介されることもありますもんね。
北田 そう、1回。だからそういうわけ。だから来客があるときもやっぱりキチッとしてないと、今日会うつもりじゃなかったからって逃げられない。日頃からちゃんとしてやってるとピシッと会えるわけ。
山本 北田さん、じゃあ夏って半袖着るんですか。
北田 着ないよ。
山本 やっぱり!やっぱりそっか。
北田 半袖ってのは、
山本 許せない?
北田 クローゼットにはない。
山本 僕も実は半袖着ないんですよ。何となく半袖嫌やなと思って着ないんですけど。
北田 まあ、そりゃ合理的に考えれば、今、夏は暑いから半袖でいいっていうのは否定しないですよ。僕は主義として、若いときから着たことない、半袖は。
山本 ジャケットも着るんですか。
北田 ジャケットも着ます。
山本 うわー、それはすごいな!
北田 それはもう習慣。やせ我慢と言われようが習慣。別に半袖も涼しいだろうなっていうのは反対しないですよ。それだけで仕事に行くっていう発想がもうだめだね、そういうのは。
山本 (笑)そうっすね。
北田 端っから働く準備ができてないよね。
山本 これはすごい社長やな。
北田 特に上層部よ。若い社員に強要はしないよ、それは。だって汗水流してやるのに、上着着てろとは言えないから。上層部になったら看板背負っていくやつは、部長クラス以上はもうそうじゃないとだめだよね。ビシッとしてないと。会社のイメージになるから。あそこの会社、誰来てもちゃんとしてるよねとかさ。
山本 いいっすね。誰来てもちゃんとしてるよねと。
北田 うん。そう言われるようになるわけです。顔の形とか背の高さは変えられないけど、そういうのって変えられるから。ちゃんとしてるな、やっぱり会社の教育、社長の教育行き届いてるんだなって感じるし、そうすると言葉遣いも変わってくるし。
山本 めっちゃ耳痛い(笑)。
北田 そういうことなんですよ。変わってくるんですよ。
山本 しかも正論や。くそー。
北田 いや、それはでもちょっと考えれば、意識してればできるよ。
山本 わかるんですけど、続けるってことが大変ですよね。
北田 毎日だからね。
山本 好きにならんとだめですよね、やっぱりそれが。
北田 そんな研究しないといけないことではなくて、特に管理職はそういう意識をさせたほうがいい。そうすると、Shoichiさんっていう会社の雰囲気がだんだん業界の中で、
山本 よくなってくる?あいつらは違うなと。
北田 在庫処分会社なのにちゃんとしてるよね、みたいな。
山本 それ、一言最高ですね。
北田 アパレル行ったら、アパレルの社員よりちゃんとしたやついたらかっこいいじゃない。
山本 そうですね、めっちゃかっこいいですね。
北田 ね。
山本 めっちゃかっこいい。
北田 そういう雰囲気作りを社内でしていくと、将来いいですよ。きっと5年後10年後に。
山本 それいいですね。ちょっと頑張ります。僕、一応、死ぬまでやるっていうのは、僕の(笑)、
北田 死ぬまで?仕事?この会社?
山本 死ぬまでバッタ(在庫処分の業界用語)やるっていうのは僕のあれなんで。
北田 それは何歳まで生きるかは人生わからないけど、そのぐらいのつもりでないと、オーナーは大変だと思います。そういうのを意識して、ニ、三、テーマを持ってやられると、毎年テーマを持ってやると、社員さんもリフレッシュできていいんじゃないですか。やっぱり慣れてくると惰性になってくるから、だんだんどうしても。新しいテーマを持つようにしていくと意識するから、言われたら。社長自らそうやって、よし、いっちょ俺もやってみようとか思うかもしれないし。それを評価するとか何か、叱るとかいうほどでもないけども、要するにお互いに注意し合ったり。いいの着てるなとか褒めてやればいいじゃないですか。
山本 それはめっちゃ喜ぶでしょうね、向こうも。
北田 ね。ちゃんとしてるよね、ね。
山本 北田さん、アメリカ人ですね。
北田 アメリカ人って(笑)、どういうイメージだよ。
山本 だって、日本人ぽくないですね、やっぱり話してる感じが。いい意味でって、上からですけど。
北田 基本ポジティブですよね。ネガティブなんてあんまり考えない。失敗はあるけど忘れてるね。
山本 (笑)
北田 根に持たない。
山本 それ重要ですね。
北田 成功させたほうが楽しいんだから。わかるでしょう、株主だろうがファンドだろうが、結局業績上がったからみんな言えることでしょう。そっち考えればいいわけあって、こうしたらだめになる、ああしたらこれがだめとかネガティブばっかり考える人いるじゃない。
山本 いますね。
北田 このブランドだめ、あれ出したらだめって。
山本 アパレルの場合。
北田 そういう人、長生きしないほうがいい。
山本 (笑)
北田 世の中のためにならない。人の足引っ張ってみたり、悪いことばっかり探してきてさ。それ、楽しくないやろ、人生ね。
山本 いいところを伸ばさないと。
北田 うん、いいところを伸ばしてかないと。学校と会社の違いって、よく昔から僕は言うんですけども、学校は学生なり親が金払って行ってんでしょう。金払ってんのは親とか本人だから、学びを提供するわけです、学校ではね。でも会社っていうのは会社が金払ってるんだ。真逆なわけですよ。教えてもらおうなんて、もうそれあっておかしいってなもんです。
山本 最近それ多いですよね。
北田 ね。本人の、だから努力が必要になるわけです。会社にお金いただくんだから。そしたら会社がどう考えるべきかと、学校だったらこの子の欠点を直そうとするんです。こういうとこだめだから、こういうとこ直そうと。会社は欠点直すの待たない、いいとこ伸ばすわけ。欠点を直す必要全くないんです。いいとこだけ伸ばせばいい。これは学校と会社の真逆のところなんだ。
山本 強みですもんね。
北田 そう。その人を選んだのは会社だから、その人のいいところを選んでるわけでしょう。100点の人間なんていないわけだから、
山本 絶対おらん。
北田 100点を求めちゃいけないんですよ。いいところを見つけたらから採用したんだったら、そのいいところを伸ばしてやればいいんですよ。学校はできないことをちゃんと成績が上がるように教えなきゃならない。これ、全然違うから、生徒と社員とは全く真逆。それは会社側も判断を変えたほうがいいよね。だから、評価でもだめなとこ探す評価はあんまり意味がなくて、そいつのいいところは何だろうか。そうすると、適材適所も考えていくわけですよ。

「赤字企業を黒字化した手法」
山本 北田さんは、また偉いさんやったあとに、アニヤ・ハインドマーチいって一番最初にやったことって何なんですか。これを取り組まなあかんなと思ったというのは。
北田 それはね、一時赤字だったでしょう。大きな会社じゃないから、店舗数も10店舗、12、3店舗しかないし、契約の問題があったんで、
山本 あれって2年ごとですか。
北田 いや、5年契約なんだけど。
山本 結構長いな。
北田 海外の場合、大体5年か10年ぐらいやるんですよ。で、もう3年経ってたの。ちょうどいいね。で、3年間赤字なわけですよ。会社、グループとしては、契約を更新するかしないかっていう判断しなきゃいけない、1年ぐらい前には。交渉は1年ぐらい前に始まるから。だからどっちかいうと、もうネガティブだったわけです。話としては。
山本 赤字やしね。
北田 だから、俺が行くってどういうことだと。要するに判断してくれっていうわけ。要するにやめたほうがいいのか、続けたほうがいいのか、判断してほしいっていう要望があったわけですよ。かといって5年契約残ってるから、とりあえず。で、赤字のまんま嫌じゃない、会社としても。それで行ってみて、じゃあ、そこで何を最初にするかっていったらヒアリングが要るんですけども、
山本 スタッフ?
北田 スタッフのヒアリングも要るんだけど、外、得意先のヒアリング。
山本 すごい、かしこ。
北田 これが一番いいの。
山本 めっちゃ賢いですね。
北田 社内のやつに聞いても、自分を守ろうとした発言しか出てこないんだよ。私これやってます、あれやったの私です、って自己防衛に走るだけですよ。みんなちゃんとやってたら、赤字になってないだろうと俺は思うわけよ、要は。
山本 今の一言すばらしいね。
北田 そうすると外で聞くの。それ百貨店とか行って、バイヤーさんとかに会いに行って、今度、僕が社長になったって来て、このブランドどうですかって。そうすると、それはいろいろ評価言うじゃない、初めて会うから、言いやすいわけね。商品いいです、悪いですって。でも、そのときに商品とってもいいんですよって言われたの。販売員どうですかって。いや、優秀だって言うわけ。
山本 いいやん、めっちゃ売れるやん。
北田 そういった店が1店舗じゃなくてみんなそう言うの。商品もいいって言われるし、販売員も優秀だって言うし。
山本 値段もそんな高いしね。
北田 うん、何で売れてないんだと思って。そこで原因がわかるわけ。それやり方がおかしいの。何がやり方おかしいかっていったら商品仕入れだとか、発注だとか、運営だとかいくつか中にあるんだけど、基本的な評価、販売員がもうだめですよって言われたり、商品これだめですよって言われたら、もう手の打ちようがないわけよ。
山本 そらそうやわ、手の打ちようがない(笑)。
北田 こら無理だと。一から販売員全部変えて、商品、だってロンドンで決めてるんだから、
山本 商品は無理やな、それ。
北田 ロンドンを根本的に変えられない、こっちは。
山本 いい商品やから売ってもらってるわけで。
北田 ライセンスだから勝手に変えられないから。両方、商品がよくて販売員いいんだったら、これはいけるかもしれないと思ったの。そっから分析をすぐ始めて、俺は3カ月で分析をするわけよ。店舗別に分析だと売り上げだとか何やらだとか。仕入れ、個数、もう一つ基本的にはああいうライセンス契約は契約書、すごい何百ページもある英語の契約書なんだけど、それをまず俺は確認するわけ。どういう契約書になってるか。見てみると契約書で問題もあったりするわけね。これはちょっと問題があるかなって、そういうのわかる、俺はそういうのやってたから。海外もやってるし。だから、今の課題はこういうことでもうちょっとこういうことだっていうのちゃんと整理して、そのとき思ったのは、これはうまくいくぞと思ったの。だから、こういうふうに変えたらうまくいきますよっていう案を出して、
山本 それはすばらしな。
北田 それをグループ役員会に通して、1年見てくれと。1年の間にこれを改革できれば、契約継続しようと。でも、うまくいかなければ、もう契約やめにしたほうがいいと。お金どんどん突っ込んでその赤字を吸い入れてもしょうがないから。でも5年はやんなきゃいけないけどね。途中解約したらもっと問題が増えるし。で、そういうので自分なりに分析したものを資料、英文で全部作って、で、ロンドンへ飛んで、時間ないから直接交渉へ行くわけ。新しくなった人間で。社長今までいなかったの、その会社ってね。本社の社長が兼務したわけで、いわゆる部長クラスが担当責任者なわけ。要するに、実際のそのぶんの会社だけを責任を持ってやってる人いなかったみたいなもんだから。俺は、社長っていう立場になって分析もし、改革案も作って、日本の役員会で承認されたあとにロンドンに直接交渉へ行って、それで向こうのCEOとデザイナー、トップと会って3日間ぐらい交渉したわけ。その資料っていうのは自分なりに完璧なものを作っていったから、そしたら向こうが感激したわけよ。
山本 わかったと。
北田 こんだけの内容見たこと、報告聞いたことなかったと。日本がこんだけ苦しんでるとは知らなかったと。要するに、正しい情報を与えてないわけよ。
山本 涙出る、それ。
北田 うまくやってますみたいな。
山本 よくあるね。
北田 向こうで本音でちゃんと話すと向こうもいい人なんで、本当に日本は頑張っていつも毎年、バイイングって買うわけよ。ミニマムバイイングって契約上あるから何万ポンドとかあって、店舗数何店舗出して、デベロッピングプランを出さないといけない。いろいろ契約上、足ガッて固められてるから。日本はやってんだけど、やり方が下手なもんだから、約束守ってるけどロンドンこそ約束ちゃんと守ってくれてる。バイイングも買ってるし、店も出店してるじゃない。でも売り上げちゃんと予定どおり上がってないから恥なんですよ。投資を先行して。ところが全部を各3年間のBSとPLを全部持ってって日本側は。見たことないって言われるの、今までね。公表する義務もないから、会社は関係ないから。全部裸で、これじゃあ、あなた経営できると思うかと突きつけたの。これじゃあできませんよね、って向こうが怖がったって。じゃあ何をすればいいですかっていうのが、こことここを変えてくれみたいな。契約書はこうなってるけど、ここを変えて、ここ修正、ここ修正って、契約上の修正させてくれれば自信あるって。そしたら、もうすぐ直すって。そしたら翌年、売り上げがガーッと上がったの、やっぱり。2年目で店舗数も20店舗に増やして一気に黒字化して、売り上げも上がってマーケットの評判になったの。
山本 そうですよね。
北田 どんどん出店の話がくるし。今度はいいとこ自分で選べるし、場所も。出てくれと、出たいとで大きな違いだから。
山本 わかります。
北田 いい場所を押さえられるし、条件もよくなるし、いや、もう70以下は受けませんって。
山本 むっちゃいい。
北田 じゃ、出てほしいみたいな。好転すれば一気に変わるわけ。それまでは売れなくてどうなってんですか、ってクレーム言ってたやつがみんな展示会も来るようになるし。で、やり方も変えてね。そっからまた契約延長を1年前にした。で、合意した。
山本 みんな、にこにこですね。
北田 そうそう。
山本 すげえな。
北田 そういうのがやり方の原点で、
山本 商売ってわかり始めたら早いですもんね。
北田 そうそう。この流れを作ってあげれば、あとは自分がやろうがやるまいが一気にいくわけ。でもチェックするポイントはちゃんとあるんだけどね。もちろん、見てないとだめ。やっぱり在庫の問題とか品ぞろえっていうのはやっぱりMDうんぬんとかも大事なのね。販売員ってモチベーション上がってくるからどんどんできてくる。もういいほうに回るわけやん。そうするとお給料も上げてあげられるし、どんどん上がっていくパターン。

「在庫は90%以上売り切る」
山本 僕、ちょっと個人的に聞きたいんですけど、アニヤ・ハインドマーチみたいな会社やったら、キャリーの在庫ってどうやって、やっぱ入れそうですか。
北田 アウトレット。
山本 アウトレット。ほんで全契約?
北田 うん、ほぼ契約。
山本 すごいっすね。
北田 逆に買い方をうまくやっていくと、プロパー段階で、それ足らなくなっちゃうから。だから、それを足らなくならないようにしないとだめだから。セール前に在庫がないようになっちゃうと、セール時期に百貨店なんか、セールは全商品やらない、40%ぐらいやらないんだけど6割ぐらいシーズン商品だけやるわけ。
山本 これは付き合い?
北田 それは付き合いもあるしイベントだから、ある意味で。その周りが全部そうやってくる。1月とか7月とかバーンと客も入るから百貨店って。お客さん期待してるから。だから、シーズンで売り切ったほうがいい商品があるわけよ。定番商品はしないけど。だからそういうのって、やっぱり一定量ないとお客さんの満足上がらないし、そうすると買い方、要するに消化率設定を変えるの。だから衣料品と消化率はちょっと違うのよ、ハンドバックとかはまた。最終的には90%以上100%近く消化し、まあ100%はないけども。
山本 すげえな、すげえ。
北田 9割ぐらいまで、でも1年でそのシーズンではできないよ。アウトレットの最終も考えてしなきゃだめだよ。アウトレットもアウトレットのタマ、うちは作らせなかったから。ほかはほとんど7割は今、ブランドはもうアウトレットでもう作ってるから。うちは作ってないの。だから本当残ったものしかないから、アウトレットのタマを用意しないと、アウトレットに困るわけよ。だから、そこまで持ってって最終消化だから。そこで計量するわけ。
山本 読み切ってやる?
北田 そう、プロパー消化で何%ぐらいかちょうどいいのか、セールやってどこまでやらせてアウトレット持ってって。それを組み立てる、これがMCっていうの。マーチャンダイザーコントローラーの仕事。これは経営と同じ、近い、もう経営に近いの。これができるやつがいるかいないかで会社は変わるんですよ。それが、10店舗、20店舗、20億、30億ぐらいの規模だったら比較的まだしやすいわけです、スケールが。これが50、100ってなってきたときに量が増えてくるから。
山本 むっちゃ増えますね。
北田 そらそうだ。だから、それがどうしても当たりはずれもあるんで、それを安定させるのにどうしたらいいかっていうのがポイント。それが一番ちっちゃい段階からやり方を教えておく必要があるわけ、担当責任者に。社長が全部できないよ、大きくなったとき、そんなのいちいち。だからやり方を教えるってことですよ。
山本 北田さん、じゃあ、教えたんですか。
北田 教えるよ、もちろん。教えて、いわゆるMCコントローラーとか教えて、バイイングもそいつがするから。俺が別にバイイングするんじゃないから。バイイングの仕方、バイイングの予算枠とかは承認はもちろんするし、考え方も要するに、僕は承認するかたちだから、考えさせて指導してるから。プランはこう変えたほうがいいとかはやるけど。あとは現地に一緒に行って、現場を見るけど、俺は。見て、でもやるのはそいつがやるわけ。やらないとつまんないでしょ、権限ないから。そうやって繰り返しやってるうちに鍛えていくわけ。そしたらだんだん合ってくるのよ。あと価格政策とか大変重要で、特に海外ものは円高円安によって仕入れコストが変わるから。だから為替予約っていうのもあるんですけども、いくらで仕入れるか、どんどん変わっていく。同じ商品でも同じじゃないから、値段が。だから、いくら値段つけるかって、毎シーズン毎シーズン簡単に変えられないわけよ、そういうのって。型が変わった、色が変わったりした段階で変えていいんだけど、同じ商品だとなかなか変えれない。でも時々インターナショナルなブランドは値上げしました、値下げしましたやるでしょ。でも値上げは簡単にするけど、値下げなんかするやつ少ないんだけどさ。
山本 見たことない。
北田 どんどん上がってって売れなくなって1回下げんの、ボーンと。パターンなの。売れてないとこなんかみんなそうなの。僕は、為替方式っていうのは、プラス理論っていうのを自分で持ってるんで、インターナショナルなブランドでロンドンでも売ってる、ヨーロッパでも売ってる、日本でもアメリカでも売ってるわけね。それで、世界共通価格って何かって考えたら。
山本 面白い。
北田 ロンドンで500ポンドだったら、為替で単純計算して日本でいくらって出てくるでしょ。そうすると輸入経費とか関税かかるから原価は違うんですよね、それぞれ。みんな、そういう税金も含めたやつを原価として大体マークアップっていうけども、いくら利益を取るかっていうのを決めるんだけど、これマークアップ方式だけでやると、これ動くんですよね。これと、こっちの値段を比べると日本は2割高いとか、要するにお客さんから見れば単純に為替計算をするだけだからロンドン行ったほうが安いもん。日本は2割高い、なぜ高いかっていったら輸送費だとか税金とか。プラス日本の利益の取り方によって変わるんですね。これを、じゃあ、アメリカでいくらになるか。ポンドと円とドルでいくらか決めようと。もう為替ヘッジ方式っていって、北田プライス理論ってあんだよ。
山本 めっちゃ面白い(笑)。ありそう。
北田 単純に言うと、お客さん目線なわけよ。要するに、プライスっていうのは生産者側、アパレル側、ブランド側が決めるんじゃなくてマーケットが決めるっていう理論なの。これはマーケットに評価されなけりゃ売れ残るんだよ。いくら高い値段つけても売れなかったら結局は一緒なの。
山本 終わり。
北田 マークアップなんてのは仮想だから。売れてなんぼなんだよね。だから、この商品は日本でいくらで売れるっていう妥当なラインっていうのを、販売員とかの目線でほかのブランドと比べて、この値段っていうのはいくらだっていうのを作っていくのが大変。マーケットプライス理論なんです。
山本 会社がね。
北田 安くてもだめなの、高くてもだめなの。
山本 安くでもだめ?
北田 だめ。ブランド化して、お客さんのそのブランドに対する思い入れとかあると。
山本 難しいな。
北田 だから最初行ったときやったことの一つは、マーケット聞いて回ったのと同時に価格ラインについては全販売員に投票させたの。展示会やって、それまでの過去のやつをプライス案を見ながら、販売員に、あなたならこの商品いくらだったら売れると思いますかって書かせたの。販売員に価格決めさせようと思ったの。決めるのは早くから決めるけど、
山本 効果はどうなんですか。
北田 ただ、少しこれを下げてほしいっていう商品があれば、少し上げてくれって商品があったんですね。
山本 上げもあったんや。
北田 もちろんある。そんな原価から考えてるわけじゃないから。この商品がいくらで売れるかだから。コストを考えてないから。そうすると、消費税がその当時5%だったけど、今8%だけども、消費税込みでお客さんは見るのか、女性のお客様のプライスポイントの10万円を超えるか超えないかっていうラインで、消費税込みで9万9000円っていうのと、消費税込みで10万5000円だったら、やっぱり明らかに9万9000円のほうが売れるわけね。その販売員さんの感覚が強いわけ、要は。そういう境目っていう人は10万円があるんだけど、高額品だから逆にね。でも20万と18万だったらもう関係ないかもしんないけど。
山本 どんぶりしてますね。
北田 買う人は買うんだよ、もう。でも10万単位って結構OLでも手が届くとこだし、ギリギリなわけよ。あとじゃあ、7万、5万、3万でどうなの?っていうのもある。そういうのはやっぱり一つプライスセットの方式があるんですけども、リサーチをして販売員の声聞いて、一番最初やったのは販売員の声を70%、80%全部聞いてあげたの。商品によってはコストがボーンと上がってしまうし、それあるんだけど、これ気にせず全部変えたのプライスを。統計出たものをみんなに説明して、個人の意見は聞いてないよ。30人とかいう意見を聞いて、こういうアンケートの結果こうでしたってちゃんと開示したうえで、したがってこの価格にしますってした。そしたら、みんな店頭はすごく平等感が出たわけ。これで売れるって。
山本 それ初年度ですか。
北田 そう。最初のシーズンでやったよ。そうすると、最初のコスト設定はコスト率何%とかって言えないけど、それ25でも30でもいいんだけど、計画上そうなってるけど、それがいきなり35になっても別に構わないわけよ。プロパーで売れたら結局。
山本 何とかなる。
北田 だから、頭固いと最初、設計ばっかりこだわっちゃうんだよ。そんな値段下げたらコストが悪くなる。売ってもいないのにだよ。結果それで売れ残らない、どんどん販売員は意欲的に売っていく、最後商品なくなっちゃった。どっちでいく?あなただったら。
山本 まさしく後者ですね。
北田 それを甘くしすぎてももちろんだめなんですけども、やっぱり消化率との兼ね合いって、これ裏表だから。プロパーでいくら消化できるかっていうのが鍵になるんですね。だから、それは価格設定と綿密な関係があるの。いくら価格を下げても上げても売れないものは売れないんだ。そういうのがあるんですよ。そういうのはABC分析でいうとこの、C商品の一部っていうのがある。もうどうやったって売れないやつがあるんだよ。これはしょうがない。これはでも全部じゃないんだよ、こんなのね。大半は、何か価格とかバランスとかいろいろ表現あるんでいつか売れるんだよ、ちゃんと。で、アウトレットが確実に売れるのはそれもあるんですよね。やっぱり5割引きとかアウトレットでなってたら明らかに価格で売れてるし、でも5割引きにしても売れないものがあるにはあるんだ。でもそれはもう、最後はうちなんかは本当に社内、ファミリーにいわゆるB品とかも含めて、
山本 まあまあ安くなる。
北田 もう原価は割ってもいいから、
山本 なくせと。
北田 もうなくすっていうのは社内ではありますけどね。それはもう表にはしない。アウトレットも限度があるから、下げすぎてもいけないんだよ。それは、アニヤならアニヤで衣料品とは違う面白さっていうのはある。MD要素って、商品を構成する要素ってどんなのか聞いたことあります?例えば、デザインとか色とか素材とかあるじゃないですか、そういうの。
山本 何だろ。
北田 MDを構成する要素っていうのは普通五つなんですよね。ハンドバックは六つあるんですよ。
山本 何ですか。
北田 これは分析手法なんだけど、売れてる商品、売れてない商品あるじゃないですか。これ、こっちよりこっち売れてませんって何で見てるか。それ分析するときに、どういう視点で分析するか。
山本 さっき言った4P、5Pじゃなくて。
北田 4P、5P、その4Pのうちの一つのプロダクト。プロダクトの分析するときにどういう要素で分析すると思う?
山本 わからへん、デザイン、色、サイズ、6個もあんの?あとは何やろ。……ジャンル、ワンピースとか。
北田 ジャンル、まあデザイン、カテゴリーか。
山本 カテゴリー、カテゴリーじゃないですもんね。何やろう、わかんないです。
北田 商品そのものっていったら、まずデザインがありますね。デザインがあって、素材、どんな商品でも素材、で、カラー、プライスでしょ。デザインがあって、素材があって、カラーがあって、プライスがあって、サイズがある。これで五つですよ。普通はこれごとに分析されるわけですよ。この商品はなぜ置いてるのか。いや、デザイン性がタフで売れてるのか。
山本 最後のわかりました、季節?
北田 違う。ハンドバックだからもう一個あるんです。
山本 何や、容量?
北田 ちょっと近い、ちょっと違うな。
山本 何やろう、オケージョン?
北田 重さなんですよ。バッグは、女は必ず重さを見るの。
山本 確かに、あいつら見てますね。
北田 必ずこうやって重さを見るんです。
山本 女の子って。
北田 こうやって持つでしょ、大体。だから、軽い、日本人は特にそうなの。外国人は重さ気にしないの。
山本 あんまり物入れないから?
北田 そう、あと車社会だから、割と。日本は本当に持って歩くのが長いわけよ。通勤で使うとか、必ずこうやって重さ見るんだよね(笑)。
山本 だから、軽いバックって何か値打ちないような気がせんでもないですけどね、そこ男だけですかね?
北田 いや、いいもので軽く作る方法あるわけよ。そういうのは、ロンドンと話し合いながら、裏を違う素材にしてもらったり、変えたりね。そういうの日本向けはそういうの多いですよ。日本のブランドは。だからそういう6大要素ばっかなの、これ。衣料品なら5大要素っていうんだけど、MD分析の基本なんですよね。それで、マーチャンダイジングコントローラーには、売れた売れないの分析をさせるわけ。でないと、なぜ残ったかわかんなくなっちゃうの。傾向としてこういうものがやっぱり売れてるな、こういうのが売れてないねって出てくるわけ。そうすると、オーダー的にカラーバランスとかカラーオーダーっていったら、白、黒のバランスがとか、青とか緑とか、大体グループあるんですよね。シーズンによってブルーでもちょっとこっち側寄ったブルーとか、濃いとか、いろいろ微妙にあるけども、やっぱりモノトーンが黒なら売れる比率は何%ぐらい売れるだとかあるわけね。冬だと黒ベースのもの、ネイビーベースのもの、ブルー。そういうのやっとくと発注の仕方も変わるわけ。あとサイズとかも。サイズ感も何センチ以上だとやっぱり売りにくいとか。
山本 重さか。
北田 A4が入るサイズじゃないとだめだとか、重さも軽さ、そういうのよ。だから、そういうのも含めて今の話で言うと、MDっていうのは感性と科学の融合なんですよ。科学っていうのはサイエンスだからね。
山本 重さもそうですよね。
北田 うん。だから、感性っていうのはデザインだとか色みだとか、そういうデザイナーしかわからないですよね。それを売れるかたちにするのは科学ですよ。これやるのがMDなんです。余計な話かもしれないけど。
山本 いや、めっちゃ深いですね。
北田 だから、そういうのをちゃんと教えられてるかどうかなんだよ。大体勘でとか実績だけでデータ語るとか。
山本 勘多い(笑)。
北田 この品番売れてますね、この品番、何で売れてるかって俺は聞くわけ。
山本 ほんまそうですね。
北田 何でこれ売れてんだよ。だからね、売れてない話、売れない店の議論は多いんだけど、売れてる店、売れてる商品の議論をする会社は少ないの。
山本 多そうですけどね、逆に。少ないんですか。
北田 自社のはね。他社のは売れてんだけど。他社の売れてる商品は買ってきたりして参考にするわけよ。
山本 でも何かそれ感覚わかる。
北田 例えば隣合ってる、うちは売れないのにあっちは売れるみたいな。何が違うんだよみたいなのやるけども、自社商品でやっぱ売れてないもの同士が多いんだよね、どっちかっていうと。売れてる分析ってさらっと。何か定番が売れてるし、いつも売れているしみたいな。これ何で定番で毎年売れてんだよって、でもずっと売れなくなるときあるよって、必ず。経営も同じで成長、成熟期、必ず迎えるんだけど、いいときに次の計画をしないと下がり始めてからやったらだめなんだよ。
山本 それ。それなんですよね。
北田 いいときに悪くなる想定ができないわけ、人間ってのは。
山本 あれ何なんでしょうね。僕もそうですよ(笑)。
北田 おんなじなの。さっきの商品分析と同じで、上り調子のうちにだめになる、成熟したあとに衰退コースに入るだろうって想定しなきゃならない。
山本 それは難しいな。
北田 そこで次の想定を打っとくとブランドが長生きする。会社も長生きする。30年で終わんないわけよ。30年説昔からあるけど、大体30年、今だともっと短いのかな。前は30年説って言ってたのね。大体、経済環境変わってバブル崩壊で倒れたのいっぱいあるけども、いいこと続いてるブランドがどっかで風にぶち当たるでしょ。だから、当たってからやると打つ手がネガティブになるのよ。いいときは余力があるじゃん。
山本 ある。その余力で遊んじゃわずに。
北田 そのときに悪くなる想定をしなきゃだめ。もし下がったらどうすんのよ。それはネガティブでなくて、それはポジティブな発想なのね。いいときにできると。
山本 そうですね。僕、今、この企画も何かこう暴れてる感じですからね。
北田 うん、何かやってみようとかだね。
山本 何かやってみようからきましたからね。
北田 そういうことが大事ですよ。たまたま、こうやってご縁があってお話してますけども、なかなかそういうの社長自ら思わないとできないことだから。
山本 できない、やんないです。
北田 だから、それは僕はすばらしいと思うね。
山本 いえいえ。
北田 何人かの方にお会いしたり、継続したりやっていくと何かヒントがいっぱいあるかもしれないし。
山本 今日も素敵なヒントがいっぱいありました。まず、ビシッとしようと思い(笑)。
北田 (笑)
山本 ビシッとしろって大変やからな。
北田 ギャーギャー言うなって?
山本 ギャーギャー言わない(笑)。
北田 わかりやすいな。

「良いものを体験することが良い会社経営につながる」
山本 ちょっとプライベートも聞きたいんですけど、プライベートって何か聞いていいんかあれなんですけど。ライトなとこまでいくとプライベートでお金の使い方ってどうしてます?お小遣いとか、何かそんな感じなのかな、やっぱり。家庭的に言うと。
北田 年代によって子どもが成長期だとか、ちょっと違う。
山本 若いときどうでした?
北田 若いときは結婚してからは小遣い制ですよね。
山本 やっぱ嫁に任せる感じですか。
北田 最初は俺が全部仕切ってたんだけどさ、途中で取られたね(笑)。
山本 (笑)
北田 権限ねえもん。
山本 何かあったんすか。
北田 それは、いろいろ事情があって。
山本 いろいろ事情があって(笑)。
北田 そういう時期もあるさって。
山本 権限を取られた、権限なくやりなさいいうこと?
北田 そうそう。だからずっと最後まで自分が、だんなが権限持ってやってる人もいるよ。奥さんにいくら渡すってね。
山本 大概、でも渡しますよね。
北田 全体を見せないやついるよね。毎月、何十万か生活費渡して、あとは当時、家のローンも全部自分が払うし、教育費も払うから、要するに大きなお金全部自分がやると、だから生活費だけ奥さんに渡してやってもらうっていう家もいるよね。
山本 うちはそうですね、まだそうですね。
北田 最初はやってたけど、それはだんだんまずいなっていうことになったわけ。やはり、ばれてしまうっていうかさ、その使い道が何か怪しいと思われて。で、逆転されたの(笑)。
山本 女子はやっぱりそういうとこ強いからな。
北田 敏感だからね。
山本 めっちゃ敏感ですよね。今までで一番ちょっと散財しちゃったなって何かあります?
北田 散財?家庭にかかわるもので買ったものより、個人で?
山本 個人ですね。
北田 散財、人から見たらどう見えるかってことだね、それは。
山本 でも、趣味で買った思い出の買い物とかでもいいですよ。
北田 買い物?
山本 僕、結構あるんですよ。僕、パネライを僕の好きな当時の税理士さんがしてて、ちょっと重そうだったんですね。で、これめっちゃかっこいいですねって言ったら、山本君、似合うから売ったるわって言われて、くれりゃいいのにとか(笑)、さすがにくれへんかった。
北田 本人買ったときよりは安く?
山本 何か60万ぐらいですね、あれ。で、山本君、ずっとつけてくれそうやし40万やったらいいよって言われて、ちょっと考えますって1日考えて、欲しいなと思って、で、買いましたね。それを僕、さらにそのまた違う人に、とある僕の先輩に会ったときにパテックフィリップ持ってたんですね。これもかっこいいなと思って、売ってもらったんですね。そしたら、やっぱりパネライをつけなくなったんですよ、こっちのほうが気に入っちゃったから。そのパネライは副社長に僕があげたんですね、頑張ってくれてるからって。その副社長ずっとつけてくれてるから、すごく僕の中では結構、思い出の買い物ですね。
北田 時計の人多いよね。一定の金持つといい時計買いたがるやつ多いよね。
山本 何かかっこよくないですか。
北田 僕はそんなに気にしないんだね。友達がロレックスとか、商売やっとうまくいったからロレックス買うぞとか、パネライもそうだし、いろんなのありますよ。貴金属ってやっぱり買いたい人。僕は若いときからそんなに気にしないほう、時計はね。だから、散財っていうほどはないね。
山本 こっちは思い出の買い物の中ですわ。
北田 ゴルフ関連は結局たくさん買ってるかもしれないけどね。だから一発で何かこう、車とか家とかは除いて、自分の個人だけのためにっていうのは、そういった道楽品ってのはゴルフ用品ぐらいですね、僕は。
山本 ゴルフどれぐらい買うんですか。
北田 年間でやっぱり結構買ってるほうかもしれないよね。
山本 50万、100万とかですか。もっと?
北田 毎年、50万、100万、まあ50万ぐらい買うかな、結局な。何やかんやだね。いや、わかんない、そのときで。合計しないと。でも最近売るの覚えたからさ。
山本 収支があるわけですね(笑)。
北田 そう、売ると半分ぐらいで売れちゃうからさ。だから、合わないと売るっていうのが多いだろう。
山本 そうですね、売らないですね。僕もだってパネライも使わないからもう、これだったらっていうことで。
北田 昔は売るっていう発想なかったけどね。
山本 そうなんですか。
北田 今は、だって引き取ってくれるとこがあるわけだから。そんなにだから散財してない系統の金は使ってきたな、使ってるな(笑)。
山本 (笑)どんな、今簡単に言うたけど、あとでチェックしますんで、例えばどんなんですか。
北田 まあ、そういうブランデーが好きだったりするし。
山本 ブランデー?
北田 レミーマルタンはもう20年ぐらい飲み続けてるし。
山本 ちょっと僕わかんないんですけど高いんですか、やっぱり。
北田 それはそれで。
山本 1本で2万とかそんなんですか。
北田 ものによるけどね。まあ1万円前後のもんだ。それは高いと思うか安いと思うかは本人の問題。
山本 僕は、食べ物なんですよ。絶対ハラミは、特上ハラミにしようって(笑)。
北田 それはお金に余裕があるとみんなそうやってしたいんじゃないの?みんな、そんな下のほう食べようと思ってるやついないよ。高くてもいい、買えるようになる年齢とか収入があったらなればいいんだ。
山本 何かを我慢しなければいけない、僕も。女遊びがあるじゃないですか。キャバクラ行ったりとか。
北田 それはなるかもしれないな、いずれ(笑)。
山本 (笑)
北田 いずれはなるかもしれない。
山本 食べ物だけですね、僕はもう本当に。
北田 おいしいものを食べるのは会社経営にとってもいいと思いますよ。やっぱりいいものを見たほうがいいでしょ、絵でもそうだし。
山本 流行もね。
北田 流行のものは、自分でその仕事をしてなくても環境がそうなってくるから。絶対、いい絵を見るとか、いい本、本はハイエンドとは言わないけど、やっぱり身につけるもの。できれば、やっぱり成金趣味的にならないように、やっぱりいいものに挑戦していく、試していく。食べるものでもいい。
山本 ちょっとずつね。
北田 試していって、知ってるか知らないかの違いだから。本当のおいしいお肉ってって言われるときに、自慢話じゃないけど食べたことあるかないかで違うでしょ。
山本 もう全然違う。
北田 それいつも食べてますって、それはちょっと嫌みっぽいけどさ。
山本 体験が重要ですね。
北田 体験は大事ですよ、魚でも。
山本 北田さん、人生、僕より先輩じゃないですか。これに金使っといたほうがいいよって何かあります?体験でもいいですよ、だから旅行で体験しとけとか、何かそれ何個か欲しいんですけど、僕。それと自分のプライベートを絡めたいなっていうのがあって。行ったことがあるんやったら、旅行やったら、嫁と行けたらそれは自分の成長にもつながるし、嫁もにこにこするし(笑)、二度いいじゃないですか。嫁うるさいから。ハハッ。
北田 海外は、僕はたまたま住んだこともあるし、仕事でもアジアもほとんどの国行ってるし、海外事業部長もやってたからもちろんロンドンも50回以上行ってるけど。
山本 どこの国でもいいんですか。
北田 うん、いろんな国行ってるけど、どの国行っても何か学ぶ点とか気づく点があるから、海外はできるだけ行ったほうがいいね。
山本 行くっていうのは単に行くだけじゃなくて、観光じゃないですよね、どうせ。
北田 まず遊びでもいいさ。何でも仕事にしなくてもいいわけで、そっから何か気付くかもしれないし。だから市場調査的な意味合いでもいいし。
山本 行動パターンあります?スーパーマーケット絶対行くとか。僕は結構スーパーマーケット行くんですけど。
北田 僕は逆に遊びであんまり行ったケースがなくて、ほとんど仕事で行ってるから。もうちょっと遊びで行きたいなって思ってますよ。
山本 ゴルフをして。
北田 そう。そういうのないから、行ったら仕事で行ってるから大体ね。僕は、流通系、小売系を大体かかわってるから、あとは生産関係でしょ。行くのは工場とか百貨店とか、ショッピングセンターとか、そういうとこ行く時間を割いてるから、観光地ほとんど行ってないんだけど。たまに遊びでタイでゴルフしに行ったりはするけどね。だから、あんまり無目的のいわゆる観光っていうのはやったことがないから。でも、どんな理由でもいいから行くのはいろんな国行ってみたいって今でも思うもん。まだ行ってないとこたくさんあるしね。
山本 そらそうでしょうね。そらそうですよ。行き尽くせないですよね。
北田 そう。でも海外行くと、何か文化が違うと学ぶことはあるんですよね。
山本 むちゃむちゃありますね。
北田 できれば住んだほうがいいんだよね。
山本 数カ月ぐらい?
北田 そう、住むのがいいの。だから、旅行って結局1泊、2泊、3泊ですから、同じ車使って移動したりなんかして。リゾートだったら2週間はずっと同じとこいるとか、そういうのもいいし。3カ月、4カ月なかなか仕事やってて休めないから、だから休みを決めたら同じとこにずっといるっていうのがいいですよ。あんまり動かない。だって住むとこだって同じ街にずっといるわけだから。別に2日でそこを離れる必要ないわけで。そこに2週間いたら何か気づくことやるんですよ。普通、旅行会社頼むとそんなことしないんだけど、リゾート地とか南の海のほう行ったらそういうのあるけど。普通のどこ行ったって、こういうスケジュールがあって。
山本 名所見て。
北田 うん、なっちゃうけどね。
山本 行くときは、誰と行くんですか、そういうときは。
北田 もうほとんど仕事の人としか行かない。遊びで行くのは、ゴルフはゴルフ友達で。あと家族で行く場合は子連れで行きましたね。
山本 よかった国あります?都市。
北田 好きな場所はいっぱいあるよ。
山本 やっぱりヨーロッパとかですか。
北田 僕は西海岸が好きだから自分がいたのもあるんで。
山本 なるほど。
北田 ロサンゼルスからサンディエゴに向かう南側の小さい街とかは好きですね、割と。
山本 かっこいいなあ。かっこいい。
北田 西海岸はあったかいしね。そういう感じかな。そういうとこは好き。
山本 旅行以外何かあります。あと、着るものは(笑)?
北田 着るものもちゃんと。着るものは靴も含めてね。ファッションは靴から始まるというから。靴がちゃんとしてると、すごい靴見るからね、何しろ。
山本 まじですか。今日、別にそんな気にしてない。
北田 足見るから。だから靴に金かけたほうがいい。最低5万。そう思って買ったらいいです、靴は。
山本 わかりました。
北田 とにかく5万円以下のやつは買わないと思ったほうがいいね。
山本 5万以下の靴は買うな(笑)。
北田 で、1回2足。同じものをね。
山本 どういうこと?
北田 こう履き替えていくの。
山本 1回ってどういうことですか。
北田 同じものを2個買うんです。
山本 ほんま?
北田 うん、気に入ったのを。
山本 で、おんなじものをずっと履くんですか。
北田 履かないよ、何足か買って取り替えて履いていくんですけど、結局、多くとも1週間ぐらいにして替えていくから。
山本 北田さん、何足ぐらい持ってはるんですか。20足ぐらい?
北田 数えたことないけど。
山本 どういうこと、いっぱいあるってこと?
北田 いっぱいあるよ、それは。
山本 いっぱいありそう。
北田 靴は仕事で毎日履く。日本人は毎日履く人が多いのよ。男性は毎日履く、同じの履く人多い。
山本 はい、僕も。
北田 大体履きつぶしていくのね。
山本 それがそういうもんかなと思ってました。
北田 だから、最初2足買わなくてもいいから、だったら5足とか買って、で、毎日替える。
山本 靴を替える?
北田 とにかく同じ靴を履かない、毎日。黒なら黒でもいいから替える。で、茶の日もあれば他もあるでしょ?
山本 わかってくるん?そしたら。
北田 うん、靴がわかってくる。だから、まとめて最初30万ぐらい買えばいい。5万ぐらいの靴を。5万円の靴を買って。大事にするから、そしたら。
山本 そうですね。
北田 絶対。靴のお手入れも覚えるし。塊ですよ、そのぐらいになったら。
山本 そうですよね。売り場ですよね(笑)。
北田 売り場っていうか、大事な時計も30万、50万と同じだから。
山本 そうです。
北田 大事にするでしょ、やっぱり。
山本 確かに大事にします。
北田 適当に置いてけないじゃないですか。
山本 置いてけない。
北田 雨の日はこれ履くとか、やっぱり少し考えて。買ったら最初の処理が大変なんで、買ってすぐ履かないから。革底買うか、革底じゃないかってそこの手入れが違うから。履く前の処理が必要なの。
山本 メンテナンスが?僕はそこが違うんですね、実は。
北田 長持ちするようにするためにはなんだかんだあるんですね。僕はもうめんどくさがり屋だから、今、新しく使うと必ず持ってくのが羽田空港の靴磨き屋さん。これはすばらしいのよ。
山本 (笑)だいぶかかる。
北田 磨き方が。
山本 最初に磨くんですか。
北田 そうよ、買ったらね。
山本 ちょっと教えてください。わかってないです、僕。
北田 靴買うとそのまま履いたらだめなのよ。
山本 僕すいません、裏だけ打ちましたよ。
北田 何の処理もされてないよ。買ったら履いちゃだめなのよ。革底だったら革底の処理もしなきゃいけないし、革底でなければ裏はさわんないけども表を、僕はもう羽田空港の靴屋に持っていくの。ここはもう完璧にやってくれるから。
山本 どう完璧なんですか。
北田 丁寧にそのクリームから入れて、靴墨入れて、きれいに丁寧にやってくれるから。それを、たまにやっとけばOK。
山本 羽田空港なんですか。
北田 羽田空港なの。
山本 何で羽田空港なんですか。
北田 この磨き屋がいいのよ、すばらしいのよ。伊丹(空港)じゃない。
山本 伊丹(笑)。
北田 違うの、経営が。職人も違うしね。羽田空港の職人はすばらしいのよ。
山本 5000円とかそんなんですか。
北田 いや、1足720円とかだもん。飛行機乗る前にちょっと早く行って、両サイドにあるから。ANAもJALもどっち側にもあるから。
山本 どっちもおんなじ経営なんですか。
北田 同じ経営で。はやってるからね。
山本 めっちゃ面白い(笑)。
北田 そこは絶対だよ。
山本 そうですか。はずれなし?
北田 その辺の靴屋の磨き屋とは全く違うからね。
山本 むっちゃ面白い。
北田 必ず。新しい靴買ったら持ってったらいいって。もしくは履いて持ってったらいい。でね、朝履いてって、飛行機乗る前に磨いてもらうっていう。そういうふうにして、やっぱり最初の履く前の準備が大事で長持ちするし、汚れないし。あとは家で軽く拭くだけでも大丈夫だから。家で墨入れてバーッてやるのなかなか難しいんだよね、テクニックがあるから。なかなかちゃんとできないんだよ、家でやると。やる人いますけどね。そんなのは専門家にやってもらうの。たったそれ700円でそこでやってくれんだから。
山本 初回だけですか。1年に一遍持っていくんですか。
北田 いやいや、月1回ぐらいでやるの。
山本 ほんまっすか。
北田 うん、月1回ぐらい。
山本 すげえなあ。
北田 そうすると、月1回目で同じ靴をそこでちゃんと磨いてもらうと、その間は靴墨入れなくてもいいわけ。いわゆるブラッシング代だけで済むよね。
山本 確かに、自分で、僕もたまにやるんですけど光りますもんね、ピカーッて。確かに光る。
北田 それはもう、丁寧にやってくれるから。
山本 違うわけですね。
北田 全然違う。おすすめね。あと、十分に俺ができたとは言えないけど、やっぱり本を読む時間を今、なかなかないんだよね。俺もインターネット見たり、パソコンとかで空いてる時間見るから、本読む時間どんどん減っちゃって。これは自分の反省っていうか、やっぱり活字、今要らなくなってきてるけど、それはiPadで本は読めるけども。
山本 わかります、本ちゃいますよね。何かiPadで読む本よりも、こっちのほうが値打ちあるように感じますね。
北田 やっぱり読書量ってあったほうが人間の深さが出てくるんじゃないのかな。
山本 圧倒的にね。そう、読まなあかんねんな。
北田 これは俺も、今できてないからあんまり偉そうに言えないんだな。
山本 いや、もう30代中盤から全然読まなくなって、何やろう。
北田 俺も、ビジネス書とかそういう必要なもの以外は最近読まなくなってしまって。
山本 わかります。
北田 そういうのって、自分の知識の引き出しがある程度あるけども、そういう経験も含めてね。新しいものを補充しなきゃいけないよね、やっぱり刺激として。これは永遠なんだよね、きっとね。
山本 もう死ぬまでね。
北田 死ぬまで。僕は今、若い世代があなたぐらい、ちょうど40歳前後の社長が結構つき合い増えてるから、結構それがうれしくてすごい刺激的なんですよね。同世代がもう終わってるからほとんどが。
山本 卒業してる(笑)。
北田 それはそれでゴルフ仲間で面白いんだけど、会えば年金と介護と病気と、もう話題決まってるから。
山本 (笑)
北田 あと自慢話と。それしかないから。だから将来がないの、そういうのでは。あなたたちの世代はこれからの人生だから、これから20年、30年どうやってバリバリやっていくかっていうことが勉強になるんです、僕は。
山本 だから、どういうふうに金使うかっていうのがめっちゃ聞きたいですね。
北田 金の使い道は、自分への投資という意味ではさっきの食べ物もそうだし、着る物もそうだし、自分へ投資したらいいと思いますよ。それはまだ若いから体力あるだろうし、体のメンテナンスがそれほど要らないかもしれないけども、やっぱりちゃんとメンテナンスをするのにお金かけないと、人間ドックとか。だから、そういう金が大事よね、自分へ投資。要するに車でもそうだし、やっぱり点検とかそういうのちきっとやってくとか。
山本 メンテナンス重要。

「経営より難しいこと」
北田 自分と奥さんへ投資だな。
山本 奥さんにしたプレゼントで喜ばれたものって何かあります?あんまりちょっと言っていいのかわからんけど。やっぱり奥さんを効率よく喜ばせるのが僕は結構、人生で重要かなと思ってるんですよ。効率。
北田 そら重要よ。
山本 めっちゃ重要やと思ってるんですよね、これ。
北田 なかなか難しい課題やな。
山本 めっちゃ難しいですよ。
北田 経営以上に難しい。
山本 女喜ばせるのん、ほんま難しいですね。文句よう言うからな、あいつら。
北田 だから、難しいんだよね。高いもん買ったら、どこでどんなどうしてそんな物。
山本 (笑)
北田 金の出どころはどこだ?とかっていう(笑)。そんなに持ってんのみたいにね。高い物あげると何か誤解するし、何か悪いことしてるのって言われるよね(笑)。実に難しいね。
山本 何か2個ぐらい成功パターン教えてくださいよ。
北田 旅行に行くのは大事だね、一緒に。これは、うちは犬2匹いるから、犬と子どもたちと、結婚して奥さんとか、家族旅行とかそういうのは。あと犬のために旅行は行ったりする。愛情注ぐのは犬。
山本 犬連れていくんですか。
北田 そう、もちろん犬連れていく。犬2匹連れていくの。
山本 どんな犬ですか。
北田 ゴールデンレトリバーと、
山本 でかいやん。
北田 もう1匹はミックスだけども中型犬と。
山本 車ですか。
北田 もちろん。今は、女性はなかなか難しいけど、うちだったらもう子育て終わってるからさ。愛情の注ぎ先が犬だから。犬が喜ぶことは女房も喜ぶ。
山本 (笑)
北田 子どもが喜ぶことは奥さんも喜ぶわ。旦那1人の行動って恨まれるね。ずっと恨まれる。何で休みにゴルフ行ってるみたいなこととかそれはあるけど(笑)、一緒に行動しないと奥さん喜ばない。
山本 ものより時間ってことですね?
北田 そう。共有する時間とか、そういうのがやっぱり女性喜ぶんじゃないの?そりゃ、おいしいもん食べても、毎日要らないしさ。物欲って、ある人とない人いるけどね、女性でも。うちのやつ、そんな物欲ないんだよね。だから、そういった家族とか、まあ、犬も家族みたいなもんだから、そういうのといる時間が長いほうが喜ぶね。毎日家にいたら嫌がるだろうけど、一緒にいりゃいいもんじゃなくて、適度な距離感も大事だな(笑)。そこはちょっと微妙です。
山本 (笑)。僕はホワイトデーとか誕生日とか、一応そういうのはやるようにしてるんですけど、それはやって当たり前よねっていう感じなんで(笑)。
北田 習慣みたいなもんだよね、もうね。
山本 そうですね。
北田 うちは家族、息子3人だけど、ちっちゃいときから全員の誕生日はみんな必ず集まるの、その年ごとに。大人になっても今も集まる。ずっとその食事会をしたりするのは続けて、割と仲いいんですね、兄弟3人も。だから、家族仲いいっていうのは、大変ありがたいことで。
山本 息子さん、もう二十、
北田 上が32。
山本 あ、すごい。
北田 長男はね。
山本 じゃあ家族だけで集まるんですか。
北田 いや、奥さんもいるから。もう長男、次男は結婚してるから奥さんも。だから、今は盆と正月別だけども、お誕生日とかゴールデンウィークも旅行一緒に行ったりとかいって。その費用は親が持つんだけど、持ってあげるけども。ただ、結婚した相手さんも親がいらっしゃるんだけど、こっちはこっちで一応集まって。だから、そういうのは割とやるし、みんな嫌がらないで参加するから。
山本 でも、確かに盆と正月よりも誕生日とかのほうがいいかもしれないですね。
北田 それは集まるとかね。あと、時間が空いたときに、みんなが同時に休むのはなかなか大変だけども、一緒に海外旅行行くとか。
山本 年に1回?
北田 そうそう。そういうのいいと思うよ。
山本 俺もやりたいな。
北田 そういうのにお金使えばいいんじゃないの?
山本 そうですね。確かに(笑)。
北田 そういうの、お金の使い道として一番、
山本 妥当ですね。
北田 円満な解決法だよ。
山本 (笑)
北田 そこで100万使ったって惜しくないみたいな話で。
山本 確かに。ていうか、思い出に残りますしね。
北田 後々、効果は抜群じゃない。
山本 (笑)
北田 高い時計買っても本人喜ぶだけで、別に家族誰も喜ばない。
山本 喜ばないですからね。旅行は国内だとどこがいいんですか。やっぱ温泉ですか。
北田 まあ、どうでしょう。いろんなとこ、いいとこはいっぱいあるよ、それは。
山本 家族で行って過ごしやすかったとこあります?
北田 今年のゴールデンウィークは軽井沢に行ってきたけど。ドッグランつきの、ドッグランって犬が遊べる敷地つきの別荘を借りて、それはよかったよ。
山本 それはいいでしょう(笑)。で、バーベキューしたでしょう?
北田 そうそう。
山本 で、犬も駆け回れて。
北田 300坪ぐらいある。
山本 すげえ。
北田 別荘を、それは仮もんだけど借りて。自分の別荘持つより全然楽だから。もうメンテ全部してあるから。高いけども。で、8人ぐらい泊まれるしね。部屋数もおっきいから。で、ドッグランが200坪ぐらいあるんですよ、走り回れる。
山本 ドッグランめっちゃでかいな(笑)。
北田 (笑)。それはよかったよ。そういうのとか。だから、軽井沢のよさっていうよりも、そういう場面だよね。遠いのもなかなか大変だから。
山本 大変ですね。
北田 行ける距離で集まれるところにね。うちは今、関東にみんないるんで。
山本 何か奥さんを選んだあれってあるんですか。
北田 かみさん?
山本 うん。
北田 選んだ?
山本 え?かみさん、結婚するときにあるじゃないですか。僕もあるんですけど。

北田 それはスイッチあるよ。ただ付き合ってる女と違うよね。結婚っするってスイッチ要るよね。
山本 何が決め手だったんですか。
北田 僕はね、うちのかみさんは尊敬できる人だね。
山本 え?どういうところが。
北田 人として尊敬できるかどうかっていうのは、結婚の決め手。
山本 それは、すばらしいですね。
北田 互いにできれば尊敬し合えたら一番いいですね。相手も自分に対して尊敬の念を持ってくれる。まあ他人だから、所詮。要は、お互いに尊敬できるっていう部分を感じないと、一緒に長く暮らせないと思うんだよね。ただ好きとかっていうだけじゃ飽きちゃうし、みんな。
山本 尊敬ね。
北田 人間として尊敬し合えるかって、子育ての仕方もそうだし考え方もそうだし。
山本 一番尊敬できるのって何ですか。これ多分、書いといたら嫁さんが喜びますよ。
北田 それはどこって言われるのも難しいけども、当時、仕事同じ会社にいたから、仕事ぶりも見てたけども。
山本 それはいいですね。
北田 たまたま昔は付き合う範囲も、仕事ばっかしてるわけだから、もう自分の会社、社内しかなかなかいないんだよね。そういうのって。社内結婚、昔多かったの。今はみんな学生時代からとか、いろいろあるけど。で、どっか飲み屋で知り合ったとか、要は友達の紹介とかって、そういうのあるんだけど、社内だったから相手も僕の仕事を見てるし。だから、そういう意味では理解するっていうか、お互いに理解力が。だから、残業も多くて休まなくても、そういうもんだって知ってるからさ。ほかの人だったら、何でこんなに休まないとかって多分言われちゃう。そういうのない。もうしょうがないと思ってるから。それを理解してくれたしね。そういうのはありがたかったね。もう毎晩帰ってこないから、ほとんど深夜まで。で、土日も出てくんだよ。
山本 何をやってるんですか。
北田 いついるの?みたいな(笑)。
山本 (笑)
北田 そういう意味では、よく耐えて頑張ってくれるしね。
山本 それは感謝ですね。
北田 で、勉強熱心な女性なんで、いろんな新しいこと挑戦したり。だから、50子育て終わってからもやってるよ。
山本 結婚したらダーバン辞めました?
北田 うん。もう昔は辞めるんだよね。
山本 やっぱり?
北田 何となく今だったら置いときゃよかったと思うけどさ。
山本 (笑)
北田 そんなの全然気にしなくてよかったのにと今だったら思うけど、昔は辞めさせるんだよね。もったいない。でも、結婚して1年半後ぐらいに子どもができちゃったから、もうどっちにしてもね。で、2人、3人と順番にできていったし、預けて仕事させるっていうのは、もうちょっと難しいなっていうのはもともとあったので。もう完全に下、3番目ぐらいが中学、高校ぐらいになってから、また働き出したいという意欲が出てきて。それで自分でちゃんと勉強して国家試験も通って仕事を始めてね、今は役所にいるんだけど。
山本 堅いですね。
北田 堅い。
山本 堅くていい。
北田 もともとも勉強好きな人なんでね。
山本 北田さんみたいな優秀な経営者って、
北田 いや、優秀とは限らない。
山本 いやいや。やっぱいろんなことを改善すると思ってるんですけど、僕も結婚2回したんですね。2回目したんですけど、うまくいかないときってあるじゃないですか、仕事も家庭も。で、仕事と家庭の両立で、何か工夫したことってあります?
北田 それぞれ家庭環境が違うから、何とも言えないけど。僕は、だからよく仕事を取るか家庭を取るかみたいな話あるじゃないですか。
山本 ある(笑)。
北田 あるけども、仕事を一生懸命やると家庭をおそろかになるのは僕もそうだったけども、それがトラブルになっちゃうかどうかは別なんだよね。だから、若いときは仕事をするから、当然休みも少ないし、家庭に時間割いてないよ。でも、トラブルにはならないように持っていく。
山本 どうやるんですか。
北田 これ、家庭を大事に一応してるわけよ。
山本 どうやって。
北田 そりゃキーポイントのときは、家庭に時間を費やすんだよ。大事なタイミングを逃さないわけだよ。
山本 (笑)商売みたいやな。
北田 そうそうそう。だから、けんかしたことないですよ、女房と1回も。
山本 ほんま?すげえ。
北田 もう35年ぐらい。
山本 かっこいいっすね。
北田 いや、かっこいいって、そりゃ俺がよく見えるけど、女房がうまいんだと思うけど。
山本 (笑)
北田 要するに、大体、問題起こすのは俺のほうであって、女房じゃないから。
山本 (笑)
北田 素直に謝るというのはあるけど、けんかにならない。
山本 じゃあ、まず素直に謝りゃいいんですね、男が。
北田 そう。そうすると、けんかにならないから。ああだこうだ言い訳するからけんかになるんであって。
山本 (笑)
北田 言い訳はないと。
山本 おまえの言うとおりだと。
北田 そのとおり。
山本 (笑)
北田 ごめんなさいって言えば、怒りようがない。しばらく口利いてくんなくてもそのうち。
山本 (笑)
北田 それは、けんかにならないですよ。
山本 ならないですね。けんかじゃないですね。ちょっとあきれられるぐらいの。
北田 そう。あとは、子どもの大事な参観日だとか、入学式だとか運動会だとかは休む、ちゃんと。どんな状況でも。ここっていう、いてほしいときにはいる。ほとんどいないんだよ。
山本 (笑)
北田 ほとんどいないんだけど、ほとんど毎晩午前様なんだけど、ここっていうときにいると、意外と解決できるんですよ。
山本 (笑)わかりました。
北田 だから、家庭も円満にできないやつは仕事もできないという話になってる。僕は仕事やってますけども、もう家庭はどうでもいい。それはおまえ、仕事もできないってことだよっつうの。それは、だめっつうの。だから、どっちか取れないっていう発想そのものがおかしいっていうの。だって、たった4、5人の家庭の運営できないやつに、組織任せられない。
山本 (笑)組織がね。そりゃそうや。5人の部隊、仕切られへんのにね。
北田 何で100人も200人も任せられるんだ。
山本 面白いですね。
北田 で、仕事をちゃんとやってるやつは、家庭もできるはずなんだ。そう思えと。
山本 あ、思えと?
北田 うん。だから工夫しなさいという、家庭のことも。仕事と思ってもらわんと、家庭を。どうすんだよ、家庭を。目標があるんだろ?と、ちゃんと家庭にも。子どもさんがどこの学校入るとか、ちゃんと大学行くとかさ。
山本 あるある。
北田 それ達成させなきゃなんないから、どういう作戦立てて、どういうそういう。
山本 作戦ね(笑)。
北田 戦略立てるんだ。費用も要るだろうしさ。借り入れすんのか、どうすんのか、いろいろあるじゃない。親から借りるのか、自分で稼いでんのか。
山本 確かに。
北田 だから、それと仕事の運営は同じなんですよ。と俺は思うんだけど、俺はたまたまうまくいって結婚も1回しかしなくて、子どもちゃんと健康に育って学校も卒業して、就職もして結婚もしてるから、そういうラッキーだと思います。これはラッキー。偉そうに言ってても、できない人はできないんだけどね。たまたまそうなったから今言えるのであって、みんながそれをできるとはわからないですよ。それは環境、病気になるかもしれないし、それはわかんないもん。
山本 僕みたいに1回失敗すれば(笑)。
北田 それはそれで社会勉強。
山本 社会勉強ですよ、本当に。
北田 それはエネルギー要ると思うし、僕はそんなこと考えもしなかったから。
山本 それむちゃくちゃ幸せですね。いやええな。
北田 ファッション業界、離婚が多いですよ。ものすごく多いから。俺の周りで大体平均1.5回から1.8回ぐらい、生涯に1回とか3回とか。1回しかしてないの、俺とごく限られた人間しかいない。ほとんど離婚してる。
山本 じゃあ優秀ですね。公私ともに。
北田 大体みんな、割と営業で飲み歩くでしょう。で、ちょっと自分の収入より多く使っちゃうわけですよ。見栄っ張りが多いから。そうすると、借金も背負うことになるし、そういうトラブルだとか、女性も好きなように持ってったりするもんだから、もう大体これだよな。そこをうまく奥さんをコントロールしなきゃだめ。
山本 今のカットですね(笑)。もしくは僕が言ったってことで(笑)。
北田 でも、それはどんな業界でもちょっと、
山本 同じでしょう、それ。
北田 外で出てる仕事してると付き合いも増えるし。まあ、それ言い訳にすると、まただめなんだよね。

「経営に必須なことは熟慮断行と運」
山本 逆に、自分の家族でもいいですけど、おとんとおかんに言われたことで、これ守ってるとかってあります?
北田 だから、おふくろには、さっき言った子ども時代、短気は損気って言われた。
山本 (笑)めっちゃおもろいおかんやな(笑)。
北田 短気は損気って言うの。
山本 ずっと言われた?
北田 そうです。だから、子どものときはもう怒りだす、短気だったから。すぐけんかするし、すぐ怒りだすし、それはもうだめと。
山本 (笑)じゃあ結構怒ったわけですよね、そういうふうに(笑)。
北田 切れやすいのよ。意外と本当は、もともとはね。だんだん角が取れてくるわけよ、人間っていうのは。
山本 (笑)
北田 本性どっかで内在的にあるかもしれないけど、だんだん経験が丸くさせてくれる。
山本 いいっす。おかん様様ですね。
北田 そうそう。熟慮断行って、これはおじいちゃんがね。熟慮断行。熟慮=よく考える、断行=決心したら思い切ってやる。これ今も自分で子どもたちによく言ってる。熟慮断行って、なかなかできそうでできない。しっかり考えないで軽率に動く場合あるんですよ。でも、経営って決断力の勝負だから、でも、ちゃんと考えないと会社方向曲がっちゃうから。そうすると、最後決めれないやつ一番だめなわけ、経営者って。
山本 熟慮断行、それは当たり前やけど、いいっすね。
北田 当たり前だけど、なかなかできない。
山本 なかなかできないですね。
北田 熟慮断行。それは言われたの。
山本 まさしくそうですね。
北田 うん。そういうのは。今、僕は座右の銘とか言われると、率先垂範、有言実行とかわかりやすいんですよ。熟慮断行っていうのは別に仕事でもなく、人生として。
山本 どっちも難しいですね。熟慮も難しいし、断行も難しいし。
北田 そうよ。そのタイミングって難しいんだよ。だから、決断力ないと経営できないから。
山本 できないですね。
北田 決断するには根拠が要るじゃない、自分で。
山本 要る。要りますね。
北田 社員に説明しなきゃいけないし、右行くか左行くかみたいなさ。
山本 (笑)そうすね。
北田 で、それを決めたら、説得する必要あるんですよ。
山本 あるある。する。リーダーシップがね。
北田 だから、熟慮してないと説明できないわけよ。いや、そんなの勘だとか言っても、勘ですかみたいなのがあるからさ(笑)。でも理屈って、それが正しいか間違ってるかは別問題だけど。それは経営の判断だから、間違いもあるんですよ。間違いか正しいか、あとで決めれることであって、そのときは信じてる、信じることだから、反対意見もあってしかるべきなんだよ。でも、責任取る立場だから、やっぱこういう理由でこれは決断をしますっていうのがとっても重要だと思うよ。だから、それはささいなことから、さっき言った例えば価格変更、普通じゃやんないけど、もう全部変えてやるとか、どっちにいくかわかんない。これで売れなかったら在庫も残るし、利益も取れないし。それで、担当者が何でそんな無茶するんですかって言うかもしんないし、セオリーを壊す場合もあるから。でも、自分のひらめきとかっていうのもあって、これはやってみたいんだという決断。社長も多分そういういくつかの、どんどんいろんなこと経験されていく中で、でも決断の連続じゃないですか、経営っていうのは。
山本 そうですね。
北田 何でも。だから、こういう企画を立てるってことも決断だし、こうやって時間割くのも大変じゃない、忙しいのに時間割いてね。
山本 いやいや。
北田 商売もあるだろうし。そういうのすべて決断の連続性の中で、でも、考えているんじゃない?みんな。
山本 熟慮断行、熟慮決断ってことですね。
北田 熟慮断行っていう言葉がある、四文字熟語があるんですけども、そういうのは大事だねと今も思います。
山本 俺、断行は結構できるほうなんですけど、熟慮はできないですね。
北田 (笑)
山本 (笑)熟慮、超難しいね。
北田 熟慮しなきゃだめだ。
山本 (笑)超やりたいと思って、ここの企画もとりあえず。
北田 いや、思いつきも大事よ。
山本 その割には結構うまくいい人見つかって。
北田 あと、運がある人かない人かって。
山本 運はあるっすね。
北田 ものすごくある。
山本 運はある。
北田 社長も多分運があると自分で思うように、僕も結構運があると思うんですよね。
山本 いや、自分で思ってますね、それって。
北田 何か流れがあのときこっち行ってればなと。もう人生、僕は4分の3終わってるからあるわけよ。
山本 (笑)そんな言い方する人、初めてや(笑)。
北田 いやいや、90%とは言わない、まだ4分の3いったぐらい。
山本 (笑)
北田 あのとき、だって岐路っていっぱいあるじゃないですか。
山本 ある。
北田 あのときこういう判断してれば、あのときこっち行ってればみたいな。いくつかあるよね、節目になるような。
山本 あります。
北田 そうすると、あのときあっち選んだらどうなったかなとか思うけど、でも結果選んだ道を、自分が是としたほうをよかったと思える人生かどうかなんですよね。ひょっとしたら違う道を選んだほうが成功したかもしれない。これはこれで仮説であって、選んだ道を正しいと判断してやってかないとだめなんですよ。間違った選択したと思った瞬間にだめになるから。正しい選択をしたんだと思わないと。で、神様がたまたまそのときちょっと嫌だったけども、そうさせたんだと。俺はアニヤハインドマーチ行ったのは、あのとき何でこんな会社って一瞬思ったけど、いっちょやったるって思ったときにはもう切り替えたから、正しい選択なんだよ。自分が選んでないよ。選んでないけど、神様はそういうのを巡り合わしてくれたんだと思うようになるというか。そういうふうに肯定的にものごとを考えられれば、運もついてくると僕は思うんですね。結局運って引き寄せるじゃないですか、何となくこうやって。
山本 引き寄せる。まじで引き寄せますね。
北田 引き寄せてくる。アンテナ張ってなきゃいけないしって、あんまり意識してないけど、あとで思うんだよね。あっと思うんだよ。で、僕は人生の苦境もいくつかあったけど、何か予想をしない展開に助けられたりするのね。え?みたいな。助け舟なんか全然想定してないのに、これ多分やっばいなっていうときに、あれ?っと救われたりするわけよ。これは神様見てるのかなと思うもん。
山本 引きですね。
北田 運あるなと思うときがある。
山本 引きを感じますね。
北田 感じる。それって多分そこそこやってる経営者、みんな何か体験してるね。
山本 いや、ありますよ、ほんまに。
北田 あるんだよね。俺も何度かあるもん。だから、ついてるなって思うんだけど、でも、それご本人の日頃の行動がそれを導いてると思う、多分ね。そんなに意識してないんだけど。これは経営者って運がある人ない人で、もうついていくと大間違いだから。いける人といかない人で。
山本 (笑)
北田 だから、俺はいろんな会社を知ってるけど、経営者に運があるか見たほうがいいと思う。ついて行くんだったら。間違うとえらい目に遭うことになる。これ全部自分で解決したらいいんだけどね、そんな(笑)。
山本 いやいや、でも、あったほうがいいですよ。
北田 運はあったほうがいい、絶対。
山本 運いいほうが絶対いい。
北田 だから、運があるって言ってる人は運がくることもあるから、運ないんだって言ってるやつ、絶対一緒にいちゃだめだね。
山本 (笑)そりゃそうやから。
北田 そういう人は運こないから。
山本 確かに。
北田 僕はついてるんですよって言ってるやつの集団のほうが、絶対売上げ上がるから。
山本 (笑)
北田 楽観的すぎてもいけないけどね。結果論としてあるじゃない。何か、え?と思うときがあるんですよね。ありゃーと思って。
山本 ありますね。いや、僕、想像どおりの話があってよかったですよ。むっちゃ面白い。自分もためになる。
北田 まあ、参考になれば。
山本 めっちゃなる。

「食事会では一番気を使う」
北田 若い世代と話すのは好きですけどね。今日はこうやってだから一対一を基本にして、私は聞かれる立場、しゃべりますけども。できるだけしゃべりすぎないようにします。これ、難しいのよ。
山本 難しい?
北田 年下だったらどうしてもこっちがしゃべってしまうパターンがあって、相手の話を聞き出すって、意識しないとできないのよね。質問してあげたらいいのよ、こっちが。最近それは女性たちと食事したりとかするときには、最初は上下関係あれば仕事の話をどうしてもしてしまったり。
山本 仕事の話が一番安定するんじゃないんですか。
北田 安定だけど、こっちばっか主になるってより相手にしゃべらせる、うまくもっていってコミュニケーションを引っ張り出さないといけないです。それは意識してますね。
山本 だから最初に絶対振るネタとかあるんですか。
北田 いや、それは何度か一緒に食事してて話しするか、初めてかでまた違う。
山本 初めて。
北田 初めてだと、相手が販売員さんなのか、女性の場合ですよね。取引先なのか、それでもう全然違いますよね。自分とこの社員だったら、その人の部署とか仕事の職務内容とかあるから、
山本 仕事の話になる。
北田 それをベースに話をしていくのが最初ですね。で、できるだけリラックスできるようには、最初は大体相手は緊張しちゃうから。
山本 社長ですもんね、相手。
北田 食べないで、縮こまっちゃう。少し酒飲んだりしながら大体複数だから、別に一対一とかじゃなくていっぱいいるからさ。
山本 確かに(笑)。
北田 目配せをしながらちゃんと、気をつけなきゃね。
山本 (笑)
北田 この子とばっかり話ししてるとだめなんだ。この子のほかにもこっちにもいる、こっちにも。
山本 一番気使ってるっていう(笑)。
北田 一番気使ってるそのとき。めちゃめちゃ気使いますよ。
山本 (笑)
北田 で、つまらなさそうにしてる子いたら一応質問してあげたりなんか、まあ考えるって。それは調子のいい子っているから。宴会上手な子とか、そういうのを。話す内容は、基本は仕事の話ですけども、話題がどんどん違うとこいったら大体話すネタを五つや六つあるから、そういうのを自分の中で選んで、こんな話とかあんな話とか。だから、売り上げが厳しくて困ってる店舗だったら、売り上げのいい店の話とかモチベーション上げてやりたい。ただの飲み会にしたくないから。明日から頑張ろうと思う、俺なんかに会うのは、半年に1回とか1年に1回しか会わないときに、俺と2時間過ごすことによってエネルギーをもらったってならないと困るわけです。楽しい人ね、じゃ俺は困るわけよ。
山本 わかります。
北田 エネルギーもらって、よし、明日から頑張ろう!みたいにになってもらいたいから、そういうのを考えて話す。ネタを。だから地方行ったら東京の話もしたりするし、他店舗の情報だとかいろんな話を入れて、興味湧くようにちょっと話をもっていくかな。それ意外と大事。で、モチベーション上げてやる。よっしゃ明日から頑張ろうみたいな、そしたら売り上げ上がるぞみたいな。
山本 (笑)めっちゃうれしいですね。
北田 そういう話をする。

「会食で使う店」
山本 僕、実は今日一番っていうか、聞きたかったのは、おすすめの店教えてください。
北田 都内は仕事上使ってる店ってのはいくつかありますよ。
山本 安くてもいいです、めっちゃ安くてうまいとこ。もう最高ですよ。
北田 何がいいかな。最近だったら、どこ使ってるかな。今、アニヤ・ハインドマーチの本社が青山にあったので、表参道から根津美術館のほうに入っていくと、アニヤの直営店があるんですよね。プラザビルとかわかりますかね。
山本 わかります。
北田 あの交差点を一本入ったとこにある八兵衛っていう寿司屋。寿司屋なんだけど洋風寿司屋なんだ。で、地下はワインバーがあって、上は寿司で地下のワインバーでも寿司をとってくれるんだけど。
山本 ワインバーと寿司はうまそうやな。既に今から行きましょうって感じやね(笑)。
北田 上はいっぱいになると下しか空いてないときもあって、若い人なんか下のワインバー。
山本 ワインバーで食いたいですけど。
北田 ワインバーで上の寿司も刺し身も出してくれるし。で、俺なんか大人、外人も好きなんで、そういうとこね。なんで、八兵衛は結構使うかな。青山で食事したときはね。会食にも使えるし、あそこは和だけど洋もある。基本寿司もあり。ワインが飲める寿司屋、そういう感じ。今風だよね、コンビネーションがね。もともと寿司屋なんだけど。
山本 コンピレーション(笑)。
北田 昔ながらの寿司屋っていっぱいありますよね、銀座とか。それは好き好きだよね。
山本 好き好き、本当に好き好き。
北田 値段も高いし、それはもう銀座のお姉ちゃん同伴で行くときに行くぐらいなもんですよ。接待そういうとこ使ってたら、あんまりそういう最近センスあると思わないよね。だから僕はワインも飲めておいしい魚も、寿司もうまいし、そういう世代も幅広がるじゃない。
山本 それ、広がる。
北田 ね。
山本 寿司とワイン、うまそうやなってなるもん。
北田 そういう店は最近新しいかなと。そうそう。あと、最近おしゃれだなって思った店はどこかな。しゃれてるな、よく使うのは銀座の何丁目だっけな。並木通りにある店はよく、外人なんか接待に使う店があるんですけども、銀兎っていう店だ。ここはおいしいですよ。このレストランは個室もあったりして、結構ちゃんとした接待とかできる。
山本 ありがとうございます。役得や。おいしいもん食うしかないんですよね。
北田 それも経験ですよね、経験です。銀兎、銀座。フランスの、一応フレンチだと思う。でもイタリアンだよな。イタリアン、ここはコース料理で、ワインが結構あるけど、ワインの値段で変わるんだよね、金がね。
山本 全然違います?
北田 料理そのものは一人1万円しないぐらいでコースであって、あとはワイン次第。だから俺は、ロンドンから来たりすると、7、8人の入る部屋、大きい部屋、個室意外とない、レストランね。
山本 そうですね、ないっすね。
北田 10人ぐらい入れるちゃんと個室があったりすると、きちっとテーブルがあってサーブしてくれて、ちゃんと対面、要するに会食ですよね。あっちも5、6人でこっちも5、6人。ワイン飲んで。
山本 確かにないっすね、日本は。
北田 なかなか、やっぱり銀座とかこういうとこ行くとそういうのはちゃんとそれ用の部屋があって、もちろん部屋料金取られますけども、ほかの声聞こえないでいいじゃないですか。
山本 いやいや、ほかの声とかあり得ないですね。
北田 そういうのでイタリアン人も招待すると、イギリス人もそうだし、みんなワイン飲んで元気になると結局楽しくなるから。
山本 (笑)
北田 世界中一緒だから、もう和やかになるんですよ。みんな。
山本 (笑)なるほどね。
北田 そうそう。
山本 商売うまくいくし。

「接待は部下に任せる」
北田 そうそう。そういうのって、やりすぎもいけないけども、ポイントを押さえるね。僕は接待づけしないタイプなんで、アパレルも結構接待攻勢する会社もあるんですけども、あんまりしない。だから金の使い方は、むしろ僕はOKするけど。行くってなると。でもしょっちゅう同じ相手にやらないようにやっぱり考えてやるね。予算のうちだったらいいじゃないですかっていう人もいるかもしんないけど、予算渡してるから。でもうまく使ったほうがいいよねと。得手不得手があって、得意先んとこでいろんな会議担ったやつばっかりいくやついるわけよ。苦手なやついけって、俺。
山本 確かにな。
北田 苦手なやつ誘えって。大体、それ言わないと得意なやつばっかり行っちゃう。また行こうまた行こうみたいになって。俺もだから若いときから得意先増えるでしょう。電話でも済むような得意なところはもう誘わない、申し訳ないけど。あんまりまだ会ったばっかりの苦手なところにできるだけいくわけよ。そうやってやっぱり仕掛けて作っていかないと、万遍に得意な、得手不得手を作っちゃだめなんだよ。
山本 僕、好きな人には会いに行きますからね。
北田 これ、経営者ほどやんなきゃだめなの。で、経営者ほどわがままになっちゃうと、あそこ好きだけどこっち嫌いとか勝手になっちゃう、得意先でも。
山本 なりますね。
北田 苦手なところに自ら行かないと、関係改善しないんですよね。
山本 そうですね。頭下げに行かないとね。
北田 そう。それで飯も食ったりして、最終的に和やかになるんですよ。それは部課長には絶対やらせたほうがいいのね。
山本 てなると、社長がやってないとみんなやんないから、
北田 やらない。
山本 社長がやらんとだめですね。
北田 そうそう。社長の出番って限られてるから。
山本 そうですか。
北田 そうだ。しょっちゅうだから出ていく必要もないんですよ。
山本 (笑)わかりました。
北田 任せるのが大事よ。いい店紹介してやって、この店連れて行けと。20万使っていいよ、飲ませろよみたいな、ね。2軒目行くならここ行けって、2軒目も教えてやるとか。もし2軒目行きたいって言ったら、銀座のここ連れてけっつったら、俺の名前でいいよ、とかそう言ってあげればいいよ。
山本 それはいいですね。それは顔立ちますね。
北田 顔立つでしょう。いやいや、社長がぜひって言ってましたからったら、いや、そうなの?って。
山本 確かに。
北田 そういう2軒目も一応知っといたほうがいいです。
山本 そうですね。
北田 うん。2軒目。歌うたうのが好きなのか、ね。人によって違うから。
山本 (笑)
北田 昔ながらの銀座のクラブは高いから、1人やっぱり5万以上するのはちょっと耐えられないので。やっぱり1人2万円以内で(笑)、ね。
山本 商売がついていかないですからね。そんなお金かかっちゃったら。
北田 安っぽいところでやったらまた逆に逆効果になっちゃうから、こんな変なとこ連れてきやがってと言うやついるからな。これ難しいんだよね。そもそも、だから話題性も大事なの。ただのお姉ちゃんがいて、歌うとこはだめなのよ。だってその子がかわいいかかわいくないかとか、そうなっちゃうでしょう。そういうのはコンセプトがあんまりないわけよ。昔と比べて。たまに行くんだけど、六本木の店は35年続いてるクラブなんだけど、
山本 むっちゃ長い。
北田 六本木でつぶれてない有名なとこなんだけど、クラブっていうか、まあ、クラブっていうほど格式が高くないんだけど、1人1万5000円ぐらいはするんだけど、それは女の子が全員音大の子なんだ。音大か音大卒業したミュージシャン目指してるか、ミュージカルやってるか、ピアノの先生やってるか、そういう普通の子しかいないの。普通の会話しかしないんだけども、上品で清楚がいいわけ、みんな。で、ピアノひいてくれたり後ろ立ってくれたりするわけ。
山本 そりゃあうまいでしょうね。
北田 もちろん。
山本 そりゃ当たり前、むちゃくちゃ。
北田 プロの卵みたいなのばっかなの。だから、いわゆる美形で話し上手っていう飲み屋の姉ちゃんと違う。普通のお嬢さんなんで。ある種、そんなにべたっとしないんだけど。
山本 それ、マーケティングですね。
北田 こういう店って、歌うほうも一応ちゃんと歌わなきゃいけないし、面白いのよ。
山本 (笑)どういうこと、歌うほう?
北田 ちゃんと歌う、ちゃんとしたピアノだけとか、カラオケもあるんだけど、要するに酔っ払ってぐでんぐでんで歌を歌うやついないの。
山本 なるほどね、うますぎるから。
北田 みんなちゃんと歌うのよ。
山本 めっちゃ面白いな。
北田 酔っ払うと年寄りはさ、みんな下手な歌をおっきな声で歌ってさ、周り聞こえない。嫌じゃない。
山本 嫌。
北田 そうならないわけよ。
山本 面白い。
北田 だから常連が常連を紹介してみたいな。みんないい客ばっかり。そういうとこを連れいていくと、歌の好きな人なんか喜ぶわけよ。
山本 そりゃあ喜ぶでしょうね。
北田 そう、ね。得意先なんて下手でもいいから、下手なやつでもぐちゃぐちゃにならないんだよね。何となく雰囲気が、そういう雰囲気じゃないから。
山本 なるほど。上品やしね。
北田 上品なの。女の子もみんないい子でね。月に今、1回ぐらいしか行けないけど。で、1人1万5000円ぐらいは取られるよ。
山本 いや、安いですね、むっちゃ安い。じゃあ、結構お客さんいっぱいいるって感じですか。
北田 まあまあ、でもそんなおっきい店じゃないけど、女の子が7、8人いるのかな。だから、別に横に座ってくっつくわけじゃないから、向かいに座ってお酒作ってくれるとかするぐらいです。あくまでスケベ根性あるやつには向かないんだけど。
山本 なるほど、ここええな。うわー、勉強になった。そろそろ時間らしいです。ありがとうございました。
北田 ありがとうございました。

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