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【某web誌取材】在庫再生の鍵は先入観を破壊すること

在庫再生の鍵は先入観を破壊すること

企業のセールス力はやはり重要である。商品が魅力的でも、売る力のない会社では在庫を抱えるリスクが常にある。それは不良在庫販売でも同じことが言え、ただアウトレットとして安売りすれば売れるものではない。

大阪のある企業にあるメーカーが抱える13,000足の靴の在庫が持ち込まれた。まずは4,000足を買って、その商品をモデルに履かせ、プロのカメラマンが撮りそれをあるサイトで販売した。その商品は発売と共に次々に若い女性に売れていき、結果的に追加販売含め8,000足以上の売り上げとなっていた。その在庫販売を請け負っているのが年商約3億円の成長企業である(有)ショーイチだ。代表の山本昌一氏の元には、毎日約20件の持ち込みが全国から来ているという。山本氏の持つセールス力とは何なのか、また若い女性に対する見せ方とは?在庫販売の新しい視点についてお話をうかがった。

在庫に新たな“価値”を引き出す

―現在の事業についてお聞かせください。

山本:簡単に言うと、企業で売れなくなった在庫を売れるようにすることです。単なる安売りのアウトレットではなく、お客様が“欲しくなる”ものに変化させるということが私の仕事です。事業内容は卸しと小売で半々くらいですが、5%くらい他企業の商品プロモーションのお手伝いをしています。
モノを高く売ることは価値のあることだと思います。百貨店の売り場はサイズがひとつでも欠けたらその商品を売り場から引くというような手法をとるため、いつまでも見た目が良くそれだけで雰囲気作りになります。欠品のある商品を入荷したばかりの商品と並べて売っていくというのはノウハウであり、それをプロモーションとして他社の商品に活かすことを請け負っています。
たとえば今シーズン、浴衣の老舗メーカーのプロモーションで、『ViVi』や『小悪魔ageha』などの旬なモデルを選出し訴求したことで、上代の2倍の値をつけて販売しても6,000枚を超える売上となりました。

―小売事業についてもお聞かせください。

山本:小売のチャネルはEコマースです。メインとなるのは若い女性をターゲットとした「ラブ ファッション アウトレット」というファッションストアサイトの運営・販売です。
企業で在庫となってしまっている商品をまとめて買い取ります。そのまま安売りするのではただのアウトレットサイトと同じですが、新たな“価値”を引き出し、若い女性向けに販売しています。運営は外部に委託することなく自社ですべて行うことがモットーで、撮影、画像調整、モデル起用まで当社スタッフが行います。自分達で納得いかないことを突き詰めることでクオリティーコントロールができると思うからです。
ユーザーは25歳~30歳の若い女性がほとんどです。

―若い女性に支持されるポイントはなんですか。

山本:商品機能、商品の価値・価格のバランスをうまく保つことです。ユーザーからしてみればかわいいモデルがかわいく着こなし、ラインもきれいに見えてかつ安いということが響いていると思います。
入り口は在庫だけど、お客様にとっては在庫かそうじゃないかは関係ないことであって、目の前に見えている商品がかわいいか着てみたいかどうかが重要なんです。
サイトを作っていく上で一番大切なのはセンスです。社員採用などでも一番重視するのはセンス。ファッションセンスだけでなく商売的な勘―買い取る企業の事情に振り回されずユーザー(若い女性)が求めていることが何かを把握し提供してあげられること―が重要です。そのため、心がけているのは、社員全体のセンスを高めて、ユーザーの心を掴むサイトを作ることです。たとえば現在のサイトは少し109系のギャルっぽい見え方になっていますが、ゆるカジなど違うテイストの在庫が入ってきた時は見せ方を変えて、なじませるようにしている。その微妙な工夫をする時もセンスが重要になってきます。

―そもそもなぜ山本さんはこの事業をはじめたのでしょうか。

山本:私は20歳で事業を立ち上げました。もともと一点集中タイプでテレビゲームが大好きな普通の学生だったのですが、大学で面白いことがなくなり、いろいろな遊びにもしっくりこなかったんです。そんな中、一番エキサイティングになれたのがビジネスというものでした。
当時、インターネットの黎明期でフリマなどで買った商品をヤフオクで転売したらどんどん売れたんです。それである程度資金が溜まったのですが、その後質屋がネット業界に進出してきたことで彼らの勢いに負けました。その時、そもそもの商売の根本を変えていこうと考えました。“安く買って高く売る”という商売の理想を見つめ直し、再スタートしたんです。しかし、まったくコネがないため苦労もしましたが、次第にアパレル商社などに認めてもらえるようになって、在庫を安く買わせてもらうようになりました。その頃には自分にもノウハウが蓄積していたので、在庫を早くそして高く売り捌くことができ、ちょっとずつ業界で話題にしてもらうようになって、事業が軌道に乗っていきました。当時、半年間で2億円の売上を立てれるようになっていました。

商品の長所の観点をずらして“見え方を変える”

―立ち上げからマーケットが変化した印象はありますか。

山本:2000年代前半はインポート商品が多かったのですが、徐々にインポートではなく『CanCam』などの“安カワ”ブームが強まり、ブランドの価値が落ちていきました。当社も国産ブランドを多く扱うようになりましたが、インポートのブランドと同じプロモーションではまったく反応がありませんでした。
インポートは、デザイナーがトレンドを作っていくことが多かったため訴求も簡単でしたが、国産ブランドは雑誌での見せ方や芸能人でPRすることが必要になります。
消費者の目も肥えていき、前年のトレンドなどを意識するようになっているので、こちらも消費者のクローゼットの中身も考えつつ、今年の打ち出し商品を決めています。

―山本さんの事業で重要な点はどんなことでしょうか。

山本:まず、“見え方を変える”こと。これは商品の長所の観点をずらすということです。トレンドアイテムであるということだけでは商品は動きません。それを着用した時のラインがきれいに見えるとか、柄の見え方がおしゃれだとか、そういった新たな長所を見せてあげることを意識しています。
次に、“違う商品との組み合わせ”。お客様が魅力的に見える組み合わせを考えることも重要です。組み合わせで販売するために縫製工場で商品を加工することもあります。
そして、最後に“流通を変える”。
この3つの思考で在庫に対する先入観を変えていくのが私の仕事です。
在庫=売れなかったもの、お客様に求められなかったもの。作られた時は金ぴかだったものが売れ残ったら嫌われ者になる。
これは、個人、法人の先入観以外何者でもなく、それを破壊するのが私の仕事だと思っています。しかし、在庫への先入観を破壊するのは至難の業ですし、一方ではあまり印象の良くない商売だと思いますが、付加価値を付けて、頭使ってものの価値を上げる新しいビジネスとして成り立たせたいと思っています。

―Shoichiの今後についてお聞かせください。

在庫再生ビジネスは今後も求められていくと思います。テレビ出演などをきっかけに最近は周りの評価や理解も得られてきました。ただ今後も行いたいことはただひとつ、“高く売ること”です。
高く売れたら高く買える。今の事業範囲を広げるわけではありませんが、ひとつでも高く売ることに注力していきたいと思っています。卸と小売とプロモーション、様々な事業、選択肢を持つことによってどんな在庫が入ってきても対応できる強みがあります。顧客と供給者をつなぐ間に立って、相互をつなぐスイッチボードシステムを築いています。何もしない中間業ではなく、今、手元にあるパッケージでお客様のニーズを満たさない場合、他の手段などを考えたりすることが必要となるからこそ、今の3つの事業それぞれの選択が強みとなっていくのです。
不況、不況と言っていても仕方がない。あくまで自己責任でビジネスをしたい。人生でも仕事でも先入観を破ることが大切です。日常の中の非日常を見つけるには、先入観を排除することが必要で、そのことを意識していくべきだと思う。ちょっとした考え方の転換が大切なんです。

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